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二人のダンピールのハンターとそれを巡る関係
それぞれはまぐわう、そして狩りは続く
しおりを挟む神を無事堕としたクロウ達は、マリーの店に戻ると深いため息をついた。
「いや、マジ疲れた。神の相手は当分したくねぇ」
クロウは珍しく疲れたような声を上げた。
「大丈夫かクロウ?」
「いや、捕まったハニー達の奪還が思いのほか力使った……親父……昔神々の大群相手にコレやったって聞いたけど、わかった、俺の親父バケモンだ色んな意味で」
「クロウのお父様は本当にすごい方だったから……」
「……私も少し疲れました……」
ファレスも膝をつく。
「ファレス!」
「……今日は私の城に戻ります、しばらくは闇の中で休みます……」
「……私が付き添おう」
「……ありがとうございます、アレフィード様」
ファレスとアレフィードは闇に包まれて姿を消した。
「大丈夫ですかね、アレフィードさん」
「知らね、さて、ハニー戻るか」
「ああ……」
クロウは疲れたような表情のまま空間に穴を開けてディストと自宅に戻っていった。
闇の一族が住まう空間に建てられた城の寝室に着くと、ファレスはベッドの上に倒れこんだ。
「物語のヴァンパイア――吸血鬼は棺桶が良いというが私達はそれとは違うから疲れたら人間と同じように寝て休まなければならないのが辛いですね」
「私は母上と同じで良いと思う」
「……」
ファレスは心配そうにのぞき込んでいるアレフィードの腕を掴んでベッドに引きずり倒し、押し倒した。
「ファ、ファレス?」
「卑怯な手を使わずに抱きたいのです、抱かせてください」
ファレスがそういうと、アレフィードは少し無言になってから口を開いた。
「……許す」
「――ありがとうございます」
ファレスは笑みを浮かべてアレフィードの服に手をかけた。
白い肌が現れる、美しい肉体が現れる。
逞しいとは言えぬがどの彫刻よりも美しい体が姿を見せ、ファレスは首筋に口づける。
「大丈夫です、吸いませんから」
「……飲むのを許す」
アレフィードは腕に傷をつけた、赤い血が零れだす。
ファレスは舌で鮮血を舐めとる。
非常に蠱惑的で甘美だった。
喉元に噛みつきたい欲求を抑えて、もう一度舐め上げ血を止める。
再度舐めて傷を消した。
枕元に置いておいた瓶から液体をたらし、指をぬらして、後孔に指を押し込む。
「っ……」
「貴方の最初になれなかったのだけが少し悔しいですね」
そういって後孔をほぐしていく、まだ慣れてないのか硬い蕾の底をやわらかく開かせていき、ほぐされたのがわかると昂った自身の男根をゆっくりと押し込んでいく。
「あ……ぐ……」
久しぶりのキツイナカを堪能しながら、ゆっくりと腰を動かす。
粘質的な音が部屋に響く。
「っ……あ、う」
「アレフィード様、愛しております……!」
腹の奥に熱を吐き出すと、疲弊しているように見せてなかった体を震わせ、口から赤く艶めかしい舌を見せて気を失った。
「アレフィード様、愛しております……」
気を失ったアレフィードの頬を撫で、ファレスは口づけした。
一方自宅に戻ったディスト達は、疲れたように二人そろってベッドに横になった。
「風呂はいるのあしたにするか~~めんどうだちくしょう」
「……」
珍しく疲れているようなことを言っているクロウを見て、ディストは何も言わずバスルームへ向かった、手に何かを持って。
「ハニーシャワー?」
答えはなくシャワーの音だけが聞こえてきた。
クロウはベッドの上でじたばたと藻掻く。
「だー!! 疲れてるのにめっちゃ興奮してる!! なんだこれ!! 今までこんなことなかったぞ?! だが、分かる、これ生贄はく奪やった反動だ!! うがー!! これじゃあ寝れねぇ!!」
ベッドの上でクロウが頭を抱えていると、ディストがバスルームから出てくる。
裸のままで、美しすぎる裸体を隠しもせずにベッドまで歩いてきて、クロウの上に乗っかった。
「ちょ、ハニー?」
「俺が乗っかってやる」
「え……ちょ、マジ?」
クロウは嬉しさのあまりにやけそうになる顔を必死に抑えた。
「……動けるかは期待するな」
「いやいや、乗っかってくれるだけで十分だって」
ディストはズボンから勃ち上がったクロウの男根を出させると、自身の後孔に押し当て、沈ませていった。
「っ……う……」
不慣れだがほぐしたのがわかる程度の柔らかさときつさとクロウは感じた。
全て腹のナカに収めると、ディストは熱っぽい息を吐いた。
そして腰を浮かせてから、腰を沈める動作をわずかに繰り返した。
「ん、あ、う」
ディスト熱っぽい吐息と、どこか甘ったるい声を上げた。
それに我慢が効かなくなったクロウは、下からディストを突き上げた。
「んん――?!」
何度か突き上げた後、押し倒し、ばちゅんばちゅんと、突く。
「っは、ぁ、う、あ」
短い喘ぎ声のような声を上げながらディストはシーツを掴んだ。
「本当ハニーってかわいいな……!!」
完全に興奮し、捕食者のような目つきでディストを見て、クロウは腹の奥を突き、欲を放つ。
「っふ……」
熱の感触に、体を震わせて絶頂したのか、ディストの男根から白く濁った液体がどぷどぷとこぼれた。
「ハニー、火つけたんだから責任とれよな?」
クロウはディストの唇を舐めて、舌なめずりすると、ディストは蕩けた表情で口元に笑みを浮かべた、クロウの目には非常に淫靡な物に映った。
ギシギシとベッドがなる。
「あ、う、ぅ」
何度も奥を突かれ、ディストはクロウの背中をひっかきながら喘ぎ声を上げる。
腹部は何度も絶頂した為か、どろどろに汚れていた。
クロウはディストの喉元を甘く噛んでから、唇を奪う。
舌を入れて絡ませあいながら、深くまぐわう。
ディストは、深く突き、発情しきった腸壁をえぐるように突き、突くたびに締め付ける感触に酔った。
自分だけの体、自分にだけ媚びる体だと。
何度も射精しても足りなかった。
腹のナカが液体で満ちる時まで、抱き続けると思う程興奮していた。
ディストが舌を震わせ、体を痙攣させる。
「あ、う……」
そして、ベッドに倒れこんだ。
ディストはずるりと男根を後孔から抜くと、だらだらと白く濁った液体が零れた。
気を失ったディストを見て、唇にキスをする。
そして欠伸をして、ディストを抱きしめてクロウはベッドに体を沈めた。
「いらっしゃ……ディストさん、アレフィードさん、お体大丈夫ですか?」
翌日、仲介屋に来た四人の中で――腰をさすっているディストと、どこかけだるげなアレフィードの二人を見て、マリーは心配そうな顔をした。
「……気にするな」
「大丈夫だ……」
そして何かを察したのかぴんぴんとしている二人をジト目で見る。
「……ファレスさん、クロウ、手加減というものを覚えてください」
「すみません……」
「依頼中何かあったらどうするんですか」
「俺らで守るから気にするな」
「そうですか……今日はスケルトン型の魔族が出ているとのことです」
「分かった、よし行くぞ」
「ああ」
「わかった」
「お供します」
四人はクロウが作った空間の穴を通って姿を消した。
「……いいチームかもしれませんねあの二組は」
マリーはそういって依頼を整理しはじめた。
月が真上に来る夜の時間帯、月明かりに照らされる広場に骸骨の姿をした魔族が闊歩していた。
「よし行くか、ディスト」
「ああ、もちろんだ」
「遅れを取るな」
「了解ですアレフィード様」
四人は散らばり、魔族を浄化し始めた。
今宵もまた、狩りが始まった――
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