騎士団長のお抱え薬師

衣更月

文字の大きさ
上 下
63 / 64

晩餐③

しおりを挟む
 鱒の…呪文みたいな料理は、味もさることながら皮がサクッ、身がフワッと食感で美味しかった。
 食べ終わった今も口の中が幸せだ。と余韻に浸っている間に、ステーキが運ばれてきた。
 私と子供たちには、大皿の真ん中に私の手のひらサイズのステーキだ。そのステーキの上に鴨のパテが載り、彩り程度の夏野菜が添えられ、ベリーソースが品よくかけられている。
 対して、ジャレッド団長たちのステーキは大皿からはみ出るほどに大きくぶ厚い。パテはなく、野菜は小さなトマトとブロッコリーだけ。
 さらに、別皿にローズマリーを添えた鴨のコンフィ、ワイルドボアの赤ワイン煮まできた。
 鱒までの上品な盛り付けが、嘘のようにワイルドだ。
 もちろん、私と子供たちの前の肉料理は、最初の1皿だけである。配膳されても困る。
 ジャレッド団長とハワード団長は赤ワインを要求し、奥様は2杯目のシャンパンを頼んでいた。
「ゴゼット様は小食と伺っておりますが、気になる料理がございましたら申しつけ下さい。ご用意させていただきます」
 こそりと使用人が囁く。
「いえ…見ているだけでお腹がいっぱいになりました…」
 私もこそりと返せば、苦笑を一つ零して使用人が壁に戻る。
「ところで、ゴゼットさんは商人ギルドを利用しているのかな?」
 ハワード団長の問いに、首を傾げる。
 商人ギルド?
 思わずジャレッド団長を見上げれば、ジャレッド団長は頬張った肉を嚥下し説明してくれる。
「商人ギルドというのは、帝国を中心に属国であるパルムコート王国、ヴァーディック公国、ロンバルデ共和国、コンセプシオン王国からなる商人組合のことだ。冒険者ギルドとは異なり、商人ギルドは商人限定の組織としている。登録料の他に年会費が必要となるが、この5ヵ国の商人はほぼ加入している」
「年会費…。冒険者ギルドは登録料に銀貨1枚払うだけですよ?年会費とかは聞いたことないです」
「冒険者ギルドは孤児や困窮者支援の意味もあるからな。商人ギルドは登録に小金貨5枚だったはずだ」
 と、ジャレッド団長。
「登録だけで金貨…」
「東地区にあるんだよ」と、ハワード団長は手元を見ずにステーキを切り、口に運ぶ。
 とても器用だし、見惚れるほど美しい所作だ。
「えっと…東地区?」
「ハベリット商会がある煉瓦区域のことだ。時計塔を起点に、東地区、西地区、南地区、北地区となっている。一応、ここは東地区だ。外れだがな。冒険者ギルドや市場があるのは西地区になる」
 ジャレッド団長が教えてくれる。
「それじゃあ、商人ギルドは昔からあるんですね」
「いや。確か創立15年だ。大金が動く場所でもあるからな。警備しやすい東地区に置いただけだ」
 15年とは新しい…。
「宰相のダリル・シルヴァートン様が立ち上げたギルドだ」
「当時はダリル皇子だよ。学園在籍時に草案をまとめ、3年かけ、卒業と同時にギルドを立ち上げている」
 皇子様…。
「シルヴァートンとは皇族の姓だと覚えておくと良い。ちなみに、商人ギルドに登録できれば屋台の貸し出し、国を跨いだ送金、また融資を行って貰える。ゴゼットさんが驚いた登録料と年会費の高さは、立替金が戻らなかった場合の保険という意味合いがあるんだよ。年会費も商売規模によって異なるから、露天商でも登録料が工面できれば、商人ギルドに加入する者は多い」
 冒険者ギルドなんてお金の貸し借りはしないから、冒険者が破産しても「頑張ってね」で終わるというのに、その先まで読んだ運営に舌を巻く。
 それを学生の頃に考えるだなんて流石皇子様!
「あの…それで、商人ギルトの話が何か?」
「ハベリット商会で薬草を取り揃えようという話にはなっているけど、早急には難しくてね。薬不足は、ここだけではないんだよ。なにより、輸送に時間がかかるし、ハベリット商会と契約しているのは薬草農園だから、ゴゼットさんが望むレベルの薬草はないかもしれない。だが、商人ギルドは各地から商人が集まるからね。入手困難な薬草も手に入るかもしれない。それに、人族の国の冒険者ギルドが売り出した素材を商人ギルドが買い取り、転売やオークションにかけることもあるんだよ。ハベリット商会は満遍なく商品を取り揃えてはいるけれど、売れ筋ばかりだからね。やはり専門店には敵わない」
「ああ、それはあるな。商人ギルドに依頼を出せば、それなりの薬草は揃うかもしれない。特に、属国の方は人族の国だから多様な薬草が手に入りそうだ」
 ジャレッド団長は頷き、早くも3杯目の赤ワインを所望している…。
 ごくごくとワインを飲み干していくけど、目が充血することも、呂律が回ることも、皿をカチャカチャ鳴らすこともない。
 お酒強すぎだ。
「商人ギルドは…私でも依頼を出せるんですか?」
 冒険者ギルドは仲介業なので、登録の有無や身分に関係なく依頼を出せる。
 依頼内容は子供のお使いのようなものから要人警護まで多岐にわたる。ただし、犯罪行為は受け付けない。
 依頼を出すにあたり、二の足を踏んでしまうのが手数料くらいだ。
 意外と高額な手数料は、冒険者を守るために設定されている。
 とはいえ、依頼が達成されると、手数料の何割かが依頼者に戻るので、実際はそれほど高くはない。
 この仕組みは冒険者ギルドが設立した当初、偽の依頼を出して強盗や殺し、誘拐をさせるという凶悪依頼者が少なからずいたかららしい。当時は手数料もなく、冒険者ギルドの運営は登録料と新米冒険者への訓練授業料、素材の売り上げからなっていたのだとか。
 契約書も性善説に基づいて作られた簡潔なもので、誰もが気軽に依頼を出せた。そのせいで、あわや犯罪の温床、犯罪ギルドとなるところだったと聞いたことがある。
 それからギルド長たちが議論し合い、手数料の設定、依頼人の身分証、契約書の共通様式と決まり事が増えた。
 国によって手数料や契約書の内容が多少は異なるらしいけど、身分証としての住民登録証の提示は共通している。
 この住民登録証は教会と役所の両方の許可を受けた証になる。
 身分証のない浮浪児も、教会で洗礼を受け、役所で居住区の斡旋を受けた後に手続きすれば発行される。この場合の斡旋先は生活困難者の保護施設で、働き口が見つかり、引っ越し費用が工面が出来るようになるまでの仮住まいのことだ。この制度が徹底されている領地は、スラム街がない安全な土地として評価されている。
 身分証を1度提出すれば、国内であれば次からは提出する必要はない。
 問題は、商人ギルドが要求する身分証が住民登録証の場合だ。
 冒険者ギルドの場合は、身分証の種類は問わない。ギルドカードでも問題ない。冒険者自身も、住民登録証ではなくギルドカードの所持率の方が高い。かくいう私も、持ち歩くのはギルドカードで、住民登録証は実家の棚の何処かに仕舞い込んでいる。
「商人ギルドは商人のみの取り引きなんだよ。でも、将来的に薬師になるのであれば登録は可能だし、登録しておく方が良い。商人と括っているが、商売をしていれば薬師でも医師でも構わないからね」
「まだ薬師ではないです…」
「私が口利きをしてあげよう。ズルではあるけど、パトロンを得ている芸術家がよく使う手だよ」
「芸術家…」
「彼らも商人の範疇に入れられるんだ。絵画や細工、陶磁器も売り物だからね。とはいえ、芸術家が全員登録しているわけじゃない。パトロンが代理登録して手広くやるのが普通だから。ただ、そういう抜け道もあるということを知っていてほしい」
「まずは公爵家の名を使って依頼を出せばいい」
「そうだね。今は薬が優先だから、好きなだけ公爵家の威光を使うと良い。ただし、ハベリット商会で取り扱っている薬草は、そっちを使ってほしい」
 こういう時は何と返せば良かった?
 かしこまりました?
 承知しました?
 うろ覚えの言葉が頭に浮かんだけど、口を出たのは「はい…」の一言だった。
 奥様の生温い視線と、興味津々とこちらを見るタイラーの視線が痛い。イヴァンの「やさいキラ~イ」と侍女を困らせている姿だけが癒しだ。
 そうこうするうちに、一足先に私と子供たちだけ口直しの桃の氷菓グラニテを食べる。
 その間も、3人は肉に舌鼓を打っている。なんならジャレッド団長はステーキをお替りしていた。奥様も、細い体のどころに入るのか、シャンパンを楽しみながらペロリと肉の山を平らげている。
 優雅ながらに、3人とも凄い胃袋の持ち主だ。
 氷菓を食べ終わると、鶏レバーディップを添えたサラダと追加のパンが出てきた。もちろん、パンが出されるのは私ではない。ハワード団長とジャレッド団長の前だけだ。
 2人を見ていると胸焼けしそうなので、視線を子供たちへ向ける。
 サラダを前に、イヴァンは苦い顔だ。タイラーはへにょりと耳を伏せ、「ディップつきなら食べれる…」と自分に言い聞かせながら、フォークの先でパプリカを突いている。
 奥様が優しく子供たちを諭しているけど、タイラーの口はなかなか開かない。イヴァンに関しては、ぎゅっと目と口を噤んで拒絶姿勢だ。
 うぅ可愛い…!
 サラダが終われば、ようやくデザートだ。
 白いコックコートを着た料理人パティシエがデザートワゴンが押して来た。ワゴンの上に並ぶ10個の小さなケーキから好きなものを好きな数だけ選ぶらしい。
 種類が多すぎて目が迷う…。
「あの…これを」
「タルトタタンでございますね。他にはございませんか?」
 ふるふると頭を振ると、料理人は白皿にタルトタタンを載せる。
 それで終わりかと思えば、アイスを添え、粉糖を散らす。
 だから料理人が来たのかと合点がいった。
 さらに肉料理までは、全員揃えて配膳されていたのに対し、デザートは私1人だ。奥様も子供たちもサラダが残ってはいるけど、こうもあからさまにデザートが来たのはなぜなのか。それは、イヴァンが「ケーキ!」と跳ね上がり、「サラダを食べ終えてからよ」と奥様が微笑み、決死の表情でタイラーが野菜を頬張るのを見れば理由は明白。
 居た堪れずに彷徨わせた視線が料理人とかち合うと、料理人はにこりと微笑み、紅茶を置くと下がって行った。
 ケーキと共に。
 子供たちが「がんばる!」と、私の手元を凝視しながらもぐもぐ食べ始めた。
 奥様と子供たちがサラダを終え、同じようにデザートワゴンからケーキを選ぶ頃には、ハワード団長とジャレッド団長も肉料理とパンを平らげていた。2人はサラダもデザートもなく、コーヒーのみだ。
「そういえば兄上。父上から連絡は?」
「ああ、来たよ」
 そう言うハワード団長の口元が笑みに崩れている。
「かなり会場が荒れたそうだ。まず、賊の侵入が23名。オークション関係者に賄賂を掴ませようとした貴族が4名。警備の配置図とシフトを売り払った騎士が1名。盗むつもりはなかったと、好奇心でトードブルーを見たかったという理由で金庫を開けようとした貴族子息が5名。オークション会場で取っ組み合いの喧嘩をした貴族が7名。トードブルーの代理落札者に暴言を吐いた貴族が2名。以上の捕縛者が出たそうだ」
 うわ…。
「賊は想定内だが、それ以外は貴族か。オークションの主催者が皇帝陛下だと理解しているのか?」
「していないだろうね」
 ハワード団長はコーヒーを啜り、左手の親指がスーッと首を横切った。
 その仕草が怖いっ!
「で、落札額は?」
「白金貨62枚」
 うぐっ!
 吹き出しそうになった紅茶を必死に制し、器官に入ってしまった。
 ナプキンを口に押し付け「げほごと」と咳き込むと、ジャレッド団長が背中を摩ってくれる。
「もう少し行くと思ったが…。歴代最高額は白金貨75枚だったか。確か、どこぞの王家が落札したと聞いたことがある。今回は公表したのか?」
「いや、代理をたててオークションに参加していたからね。皇族関係者だろう、というのが参加者の見解だ」
「そこらの貴族では、安易に手は出ないか。落札しても、それ狙う賊から守る費用も毎年計上する必要があるしな」
「そうでもないらしい。随分と競り合ったそうだ。自身のコレクションに加えるのか、他国へ転売するのが目的かは分からないがね。まぁ、殆どが皇族や他国の王族関係者だったのは間違いないよ」
 ハワード団長のご機嫌の笑みはキラキラしくて直視できない。
 半額ほどいるかと聞かれたけど、丁重に辞退した。
 終始ジャレッド団長に背中を摩られながら……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

隠された第四皇女

山田ランチ
ファンタジー
 ギルベアト帝国。  帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。  皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。 ヒュー娼館の人々 ウィノラ(娼館で育った第四皇女) アデリータ(女将、ウィノラの育ての親) マイノ(アデリータの弟で護衛長) ディアンヌ、ロラ(娼婦) デルマ、イリーゼ(高級娼婦) 皇宮の人々 ライナー・フックス(公爵家嫡男) バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人) ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝) ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長) リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属) オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟) エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟) セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃) ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡) 幻の皇女(第四皇女、死産?) アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補) ロタリオ(ライナーの従者) ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長) レナード・ハーン(子爵令息) リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女) ローザ(リナの侍女、魔女) ※フェッチ   力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。  ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。

幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない… そんな中、夢の中の本を読むと、、、

ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました

星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?

ラララキヲ
ファンタジー
 わたくしは出来損ない。  誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。  それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。  水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。  そんなわたくしでも期待されている事がある。  それは『子を生むこと』。  血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……  政略結婚で決められた婚約者。  そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。  婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……  しかし……──  そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。  前世の記憶、前世の知識……  わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……  水魔法しか使えない出来損ない……  でも水は使える……  水……水分……液体…………  あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?  そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──   【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】 【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】 【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるよ! ◇なろうにも上げてます。

Sランク冒険者の受付嬢

おすし
ファンタジー
王都の中心街にある冒険者ギルド《ラウト・ハーヴ》は、王国最大のギルドで登録冒険者数も依頼数もNo.1と実績のあるギルドだ。 だがそんなギルドには1つの噂があった。それは、『あのギルドにはとてつもなく強い受付嬢』がいる、と。 そんな噂を耳にしてギルドに行けば、受付には1人の綺麗な銀髪をもつ受付嬢がいてー。 「こんにちは、ご用件は何でしょうか?」 その受付嬢は、今日もギルドで静かに仕事をこなしているようです。 これは、最強冒険者でもあるギルドの受付嬢の物語。 ※ほのぼので、日常:バトル=2:1くらいにするつもりです。 ※前のやつの改訂版です ※一章あたり約10話です。文字数は1話につき1500〜2500くらい。

[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。 離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、 窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語

処理中です...