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謎の転校生
しおりを挟む「あなたは……?」
「いきなり声をかけて悪かった。君の後ろ姿が、あまりに悲しそうで、声をかけずにいられなくなったんだ。」
少年はキャシディが座っている横に腰を下ろし、キャシディの顔を覗き込んだ。
「あまり顔は見えないけど、どうしてそんな暗い顔をしているんだ?何かあったのか?」
私の顔をこんなにじっくり見るなんて……。
「私が怖くないのですか!?」
少年は不思議そうな顔をし、
「怖い?君は剣の達人か何かか?もし、その包帯の事を言っているなら怖いとは思わないな。」
こんな人初めて……。
本当に怖いなどとは思ってないのか、片目しか出ていないキャシディの目をじっと見つめている。
「あの……この学校の生徒ではないのですか?」
「ああ、俺は明日からこの学校に通うことになっているんだ。今日は見学ってとこかな。この学校で最初に出来た友達だ!よろしくな!」
友達……嬉しいけど……。
「私とは関わらない方がいいですよ。体調が優れないので、これで失礼しますね。」
キャシディは立ち上がり、振り返らず去っていく。
「また明日!」
去っていくキャシディに、少年は手を振った。
そういえば、あの方は誰だったんだろう?この学校に通うのだから、貴族だと思うけど……転校して来たのなら他国の方なのかな?
少年の正体は翌日知る事になり、思いもよらぬ人物だった。
「今日転入して来た方は王子様なんですって!」
「王子といっても、王様がどこかの町で知り合った平民が母親らしいわよ!王妃様が昨年亡くなったから呼び寄せたみたい!」
「平民として暮らしていた王子様なんて、何だか……。」
「でもお顔は美しいわ!」
学校内では王子様の話で持ち切りだった。
あの方は王子様だったんだ……昨日は失礼な事しちゃったな……。
「見て!キャシディよ!今日も平然と学校に来てるわ!なんて図々しい!」
「サラはキャシディのせいでずっと泣いていたわ!」
私に気づいた生徒達は王子様の噂をやめ、私の悪口を言い出した。そろそろサラが来る頃かな……。
「キャシディ!お願いだから許して!キャシディが大切なの!」
……やっぱり。サラは私が学校に来なくなるまで続けるのかな……?それとも、みんなに私を嫌わせたいだけ……?どうしてサラは、こんな事をするのかな。
「なぜキャシディがせめられているんだ?悪いのは婚約者と婚約者を奪ったその女だろ!?」
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