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暴露

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 「王子様!?」

 聞こえてきた声の主は、先程まで噂されていた王子だった。

 「そこのあんた!サラと言ったか?本当に許して欲しいなら心から謝れ!そんな演技に騙されるやつはバカしかいないだろ!」

 「な!?演技なんかじゃありません!キャシディのことが大好きだから嫌われたくなくて……」

 「あははっ!大好きならそもそも婚約者を奪ったりしない。なあ、そうだよな?リドルフ!」

 そこにはリドルフの姿があった。

 「リ、リドルフ様!?どうしてここに!?」

 焦るサラをしりめに、

 「私はサラに誘惑され、キャシディと婚約破棄するように言われました。そしてキャシディとの婚約を破棄したあとすぐに婚約を破棄されました。」

 ザワザワザワザワザワザワ…………

 「嘘つかないでよ!!」

 「嘘?それならば、リドルフと結婚するんだな?」

 「そ、それは……。私は悪くないわ!キャシディが幸せになるなんて許せなかったのよ!」

 何の言い訳も出来なくなったサラは開き直った。

 「……そ、そうよね!演技だってバレバレだったわよね!」
 「そうよ!サラはどういうつもりなの!?酷すぎる!」
 「婚約者を奪うとか最低だな!」

 手のひらを返す令嬢や令息達。

 「お前らも同罪だ!!」

 王子は厳しい口調で言い放ち、  

 「人の悪口は楽しいか!?キャシディがお前達に何をした!?今度キャシディを悪く言う奴を見かけたら、絶対に許さないから覚えておけ!」

 どうして……?どうして王子様は私なんかの為にこんな事を?

 「行くぞ!」

 王子はキャシディの腕を掴み、昨日会った丘へと連れて行く。

 「王子様……どうしてここまでしてくれたのですか?」

 「私の名はアレックス。覚えていないだろうけど、幼い頃に会ってるんだ。」

 アレックス…………まさか!?

 「もしかして、あの孤児院にいた!?」

 「覚えていてくれたんだね。」

 王が王子の時に16年前訪れた北の町で1人の女性、フレアと知り合い愛し合った。フレアが身ごもった事を知った王子は結婚しようと告げたが、王は許さなかった。そしてフレアは姿を消した。
 フレアは王に命を脅かされ、王子の前から姿を消したが、少しでも近くにいたいと思い、気づかれないように王都で暮らしていた。
 王子は必死でフレアを探したが、まさか王都にいるとは思ってもいなかった王子に見つけることなど出来なかった。
 フレアはアレックスを産むとすぐに病でこの世を去り、孤児となったアレックスは孤児院へと預けられたのだ。

 「君は孤児の俺にも優しくしてくれた。君に会うために俺は、この学校に来たんだ。」

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