6 / 8
ミシェルのお相手
しおりを挟む「ミシェル、お前はピエール男爵に嫁ぎなさい。」
「お父様!? 嫌です! 絶対に嫌!!」
ピエール男爵は確か、58歳で一代限りの男爵。女性好きで、何人もの女性を囲っていると聞いた事があります。
「ピエール男爵はお前を妻にと、数ヶ月前に言ってきた。一度は断ったのだが、お前を受け入れてくれるそうだ。」
アンダーソン伯爵は、ケール侯爵からミシェルが噂を流していたことを聞いた後、ピエール男爵に連絡をとっていた。
「お父様、本気なのですか!? ミシェルとは40も歳が離れてます。それに、子を産んでも爵位を継がせることが出来ません!」
「お前は優しい子だな。これまで、どれだけミシェルに苦しめられたのだ? これは決定だ。ピエール男爵には、話してある。すぐに嫁ぎなさい。」
「嫌よ! お母様、助けてください! あんな色ボケジジイなんかに嫁ぎたくありません!」
「諦めなさい。あなたは、それだけの事をしてきたのよ。何をしているの? ミシェルを連れて行きなさい。」
命令された使用人達は、ミシェルを強引に馬車へと乗せて、ピエール男爵邸に出発した。
「お父様……本当にこれで良かったのでしょうか?」
「仕方がないんだ。何度叱っても、変わる事はなかった。あの様子だと、いつまでもお前の幸せを邪魔するだろう。あの子自身も、幸せにはなれない。」
だからといって、ピエール男爵に嫁いで幸せになれるとは思えない。色々されてきたけど、さすがに気の毒です。
ミシェルがピエール男爵に嫁いだ事で、私はケール侯爵との婚約を決めました。愛する人に裏切られた事で、また誰かを愛するようになれるとは思えません。それならば、アンダーソン伯爵家の為に嫁ごうと思いました。
今の私の正直な気持ちと、それでもよろしかったら申し出をお受けしますと手紙に書いて、ケール侯爵に出しました。返答は、それでいいとの事でした。
その数日後、ケール侯爵と食事をする事になりました。初めてちゃんとお会いするから、少しだけ緊張しています。イーサン様以外の男性と、二人きりで食事をした事などありませんし、一度もちゃんとお話した事のない方なので、何をお話したらいいのか……。そんな事を考えていたら、あっという間に待ち合わせ場所のレストランへと到着していました。
「お待たせしてしまい、申し訳ありません。」
ケール侯爵はすでに席に着いていた。
「いえ、私も先程着いたばかりです。食事は、おまかせでもいいですか?」
「はい。お願いします。」
席に着くと、ケール侯爵はじっとこちらを見てきました。
「あの……」
「元気そうで良かった。これでも、心配していたのです。」
……イーサン様の事ですね。
「ご心配をおかけして、申し訳ありません。もう、大丈夫です。」
イーサン様は、あれから毎日、私を訪ねて邸に来ているそうですが、お父様が追い返しています。
「いきなりですが、すぐに結婚しませんか?」
1,479
あなたにおすすめの小説
(完結)私より妹を優先する夫
青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。
ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。
ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
二度目の恋
豆狸
恋愛
私の子がいなくなって半年と少し。
王都へ行っていた夫が、久しぶりに伯爵領へと戻ってきました。
満面の笑みを浮かべた彼の後ろには、ヴィエイラ侯爵令息の未亡人が赤毛の子どもを抱いて立っています。彼女は、彼がずっと想ってきた女性です。
※上記でわかる通り子どもに関するセンシティブな内容があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる