〖完結〗もうあなたを愛する事はありません。

藍川みいな

文字の大きさ
4 / 8

ミシェルの婚約者?

しおりを挟む

 全く状況が分からない。ミシェルに婚約者がいた事さえ知りませんでした。

 「ちゃんと話してくれる? 私はあなたに婚約者がいた事さえ知らなかったのに、どうして奪ったなんて言うの?」

 「辛い思いをしている時に、ごめんなさいね。ミシェルが勘違いしているのよ。」

 「勘違いなんかじゃないわ! ビンセント様がハッキリ言ったのよ!」

 「何を言ったの?」

 「婚約をするのは、私とじゃなくお姉様だって!」

 「よく分からないんだけど、婚約をするのはってどういう意味? ミシェルの婚約者なのでしょう?」

 「先日、ケール侯爵から縁談が来たんだ。」

 お父様の話によると、ケール侯爵は先日、アンダーソン家に縁談を申し込んできたそうです。私はすでに嫁いでいた為、ミシェルを婚約者にとの事なのだと思い、お受けしたようなのですが……ミシェルがビンセント・ケール侯爵とお会いした所、先程の言葉を言われたということでした。

 「とにかく明日、ケール侯爵に話を聞いてくる。だから、マリベルを責めるのはやめなさい。」

 「でも、お父様!」

 「お前がマリベルにした事を、イーサンから聞いた。これ以上、マリベルを苦しめるのならば、私にも考えがある。」

 「…………ッ!!」

 ミシェルはもう、何も言う事ができなかった。

 「……お父様は、イーサン様にお会いになったのですか?」

 「ミシェルから話を聞き、私がイーサンに会いに行き、書類にサインさせて来た。あとはお前がサインすればいい。」

 お父様は書類を差し出しました。
 イーサン様が素直にサインをしたとは思えません。きっとお父様が怖かったのでしょう。ですがこれで、私はイーサン様と終わらせることが出来ます。

 「お父様……ありがとうございます。」

 もう泣くのはやめます。私にはこんなにも愛してくれる、お父様もお母様もいるのだから。
 それにしても、ミシェルの婚約者の方は、何を考えているのでしょう? まあ、きっと何かの間違いですね。

 
 翌日、マリベルは、サインをした書類を役所に提出した。

 「お願いします。」

 「お預かりします。………こちらは、婚姻無効のお手続きでよろしいでしょうか?」

 そっか……私達は白い結婚だったから、離縁ではなく、婚姻無効になってしまうんですね。
 イーサン様と過ごした2年間は、なかった事に……

 「…………はい。それで、お願いします。」

 これでいい。これで私は、前に進む事が出来ます。



 その頃、アンダーソン伯爵は、ケール侯爵の邸を訪れていた。

 「急に押しかけてしまい、申し訳ありません。早速ですが、昨日ミシェルにおっしゃった事について、お話頂きたいのですが……」

 「ミシェル嬢はなんと?」

 「婚約をするのはミシェルではなく、姉のマリベルだと。」

 「その通りですが、問題ありますか?」

しおりを挟む
感想 46

あなたにおすすめの小説

(完結)私より妹を優先する夫

青空一夏
恋愛
私はキャロル・トゥー。トゥー伯爵との間に3歳の娘がいる。私達は愛し合っていたし、子煩悩の夫とはずっと幸せが続く、そう思っていた。 ところが、夫の妹が離婚して同じく3歳の息子を連れて出戻ってきてから夫は変わってしまった。 ショートショートですが、途中タグの追加や変更がある場合があります。

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

愛される日は来ないので

豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。 ──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。

愛してしまって、ごめんなさい

oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」 初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。 けれど私は赦されない人間です。 最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。 ※全9話。 毎朝7時に更新致します。

(完)そんなに妹が大事なの?と彼に言おうとしたら・・・

青空一夏
恋愛
デートのたびに、病弱な妹を優先する彼に文句を言おうとしたけれど・・・

愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。

石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。 ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。 それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。 愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。 この作品は他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

二度目の恋

豆狸
恋愛
私の子がいなくなって半年と少し。 王都へ行っていた夫が、久しぶりに伯爵領へと戻ってきました。 満面の笑みを浮かべた彼の後ろには、ヴィエイラ侯爵令息の未亡人が赤毛の子どもを抱いて立っています。彼女は、彼がずっと想ってきた女性です。 ※上記でわかる通り子どもに関するセンシティブな内容があります。

処理中です...