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私の知らない旦那様
しおりを挟む「お義兄様はお姉様を、本当に愛しているのですか?」
遊びに来ていた妹ミシェルは、私が席を外している間にそんな事を聞いていた。すぐに戻って来てしまったのだけど、入りづらいわ。
「もちろん、愛している。あんなに可愛らしい女性を妻に持つことが出来て、私は幸せ者なのだと毎日思っている。」
旦那様……私もです。旦那様の妻になれてとても幸せです。
旦那様の言葉に嬉しくなったと同時に、ドアの前で聞き耳を立ててしまっている自分が恥ずかしくなり、ドアノブに手をかけると……
「それなら、他の女性に触れたいと思った事はないのですか? こんな風に……」
「……やめなさい!」
ドアの向こうで、ミシェルが旦那様に寄り添ったのだと感じた。おそるおそる、ドアを少しだけ開けてみると……
「お義兄様……目を閉じてください。」
「……いや。こんな事をしてはいけない……」
「お義兄様……お義兄様の事が、好き。バレなければ大丈夫です。もうすぐ……唇が……触れ……ん……」
口では拒否していたのに、旦那様はミシェルの唇を受け入れた……
先程の言葉はなんだったのでしょう? 私を愛していると言った口で、ミシェルとキスをしている。
「……ミシェル……んん……ハアハア……」
妹の名前を呼んだ旦那様は、次第にミシェルの唇を貪るように激しいキスを交わしていた。
「……旦那様、何をしているのですか?」
その光景を見ている事が出来ず、部屋の中へと入り問いかけていた。
私はマリベル。アンダーソン伯爵の長女で、イーサン・ジーベル伯爵と結婚して2年が経っていた。3年前、イーサン様からの熱烈な愛の告白を受け、次第にイーサン様に惹かれていった私は2年前に、イーサン様からの婚姻の申し出を受け入れ結婚した。
「マ、マリベル!? これは違うんだ!!」
慌ててミシェルから離れるイーサン。
「違う? 私はこの目でハッキリと見ました。それの何が違うのですか?」
「あら、お姉様は何か勘違いをなさってますよ? 私とは口づけしかしていません。お義兄様は他の方とはもっと凄いことをなさっています。」
「お、お前は何を言い出すのだ!?」
ミシェルの衝撃的な言葉……まさかそんな事……
「……嘘ですよね? 旦那様が他の女性となんて……」
「嘘に決まってるではないか! 俺が愛しているのはマリベルだけだ! 信じてくれ!」
「お義兄様、そんなこと言ってもいいんですか? お義兄様の愛人のドーラは、子供が出来たそうですよ。」
「それは本当か!?」
イーサンは目をキラキラさせながらミシェルを見た。
「旦那様……お認めになるのですね……」
「あ、いや……だが、子が出来たのだぞ!? 喜ばしいことではないか!?」
何が喜ばしいのですか? 私は一度も、旦那様に抱かれたことはありません。結婚してから旦那様は忙しかった事もあり、やっとこれから少しづつ二人の時間が増える……そう思っていたのに……もう旦那様を信じる事が出来なくなりました。私はいったいどうすればいいの……?
「マリベル、子を引き取り、私達の子として育てよう!」
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