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ダリル
しおりを挟む「ダリル様とシルビア様は、初めて会ったような顔をしていました。ですが、以前から知り合いだったはず。私はダリル様を調べますので、グレン様はシルビア様を調べて頂けますか? それと、慰謝料をあの二人に払っていただけると助かります。」
「わかりました。メーガン嬢は強いですね。」
「強い……ですか?」
「メーガン嬢は、公の場で婚約破棄を告げられたと聞きました。メーガン嬢がダリルだけを見て来たのは、皆知っていたはずなのに、なぜメーガン嬢を誰も信じないのか……。そんな目にあったのに、あなたは本当に強い方です。」
「ずっとダリル様を見て来たからこそ、あの二人も……そして自分も許せないのです。私は今まで、ダリル様の何を見てきたのかと。」
ダリル様の表面しか見てこなかったから、こんなことになってしまった。でもそれは、ダリル様も同じはず。私を甘く見た事を必ず後悔させて差し上げます。
その日からダリル様の行動を監視し、本当に表面しか見ていなかったのだと思い知った。
ダリル様は毎日違う女性に会いに行き、何人もの女性と関係を持っていた。ダリル様と会っていた女性に話を聞くと、何年も前から関係を持っていた事がわかった。話してくれた女性は、ダリル様に嫌気がさしていて、お金もないのに態度だけは大きくて別れたいという女性がほとんどだった。
そんな人を5年も信じ、尽くしていた私は本当のバカだ。
みんな別れたいと思っていても、侯爵令息のダリル様に自分から別れを言い出せないでいる。
後腐れないように、ダリル様は平民女性ばかりを選んで付き合っていた。
ダリル様は女性をバカにしてる。平民だから逆らわないと思っているのでしょうね。
平民ばかりを選んで付き合っていたダリル様が、どうしてシルビア様と?
シルビア様とは付き合っていないのでしょうか……?
女性好きのダリル様が、シルビア様に手を出していないとは考えにくいのですが……。
グレン様の調べた結果を聞いてみないと、現状では判断出来ませんね。
一週間後、情報を共有する為に、人目を避けてジーブリー侯爵邸へとマリーと共にグレン様に会いに向かった。
「メーガン嬢、お久しぶりです。わざわざお越しいただきありがとうございます。」
「この前はグレン様が来てくださったのですから、今度は私の番です。」
応接室のソファーに座り、調べた事を報告し合う。
「まずは私から報告しますね。」
グレン様は、紙にまとめた資料を手渡してくれた。
「シルビアは、毎日違う男性に会いに行き、関係を持っていました。」
「え?」
ダリル様と全く同じことをしていたって事!?
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