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第三章 塔
第十六話 自己紹介 前編
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「さて、同じ日本から来たものとしてね。これから仲良くしていきたいんだ」
ふむ。そういうものなのか。
「だから、自己紹介からしようね」
彼は子供に言うように言った。
「天野翔。高校一年の十六歳だった。どうぞ、よろしく」
「それじゃあ、僕もだね。名前はさっき言った通りでアルって呼んでも、和也って呼んでも大丈夫だよ。年はこっちの世界だと十七歳だね」
む。こっちの世界での年齢ってことは既に年くってる可能性が……まぁ、いいけど。青年風だし、同年代って思っとこ。
ここまで言われてが、俺はなぜか彼を信用できないような気がした。いい人そうなのに。
「質問してもいいですか?」
「何だい?」
「なんでこんなに親切にしてくれるんですか」
俺は気になったので聞いてみた。そして、アル…いや、和也はちょっと悩んで風にして語り始めた。
「そもそもね。この世界に異世界から来た人が何人いるか知ってる?」
「……十人いるかいないかってところかな」
しかし、彼は首を振る。
「実際は異世界と呼ばれている世界は地球以外にもある。それを含めて、異世界人は五百人以上だ。結構沢山いる。その中でも【異界勇者】と呼ばれる人たちがいるんだ。特殊技能を二個以上持ってこの世界に来た者だ」
……あれ? 待って、それ俺のことじゃね?
「僕は【製作王】という特殊技能よりも上の【王之欠片】を持ってきた。だから、【異界勇者】と呼ばれいた……が、それはもう終わった。この世界の女神、フランドール・アレスト・デウスからお告げが出た。新たな【異界勇者】を誕生させると」
うんうん。やっぱり、それって俺の気がする。だって、フラン、改めフランドールに会った覚えがあるんだもん。フランってそんな神みたいじゃなかったんだけどな……
「そして、見れば、君を調べたら特殊技能は勿論、【神之欠片】まで持っているじゃないか」
確かに持っている。しかも、【創造権能】を貰った時、そんなことを愚痴ってた気がする。うーん。俺は【異界勇者】なのか?
「ただね、僕が知ってる限り、もう一人、【異界勇者】になれそうな子がいる。多分、近い未来、素質を持っている者同士でバトルがあるだろうと考えている。まぁ、あるとしてもすぐには起きないだろう。当代の【異界勇者】の僕が次代の者へ【継承】しかなきゃならないしな」
なるほど。俺が勇者になる可能性はあることにはあるが、絶対というわけではないのか。
「というわけで、質問の答えはこんなところで大丈夫か。未来の勇者になるかもしれない君と話してみたかったんだ」
「わかりました」
とりあえず、俺は納得して、話を終わらせる。
「じゃあ、次は能力の説明かな」
彼はそう言って心底楽しそうな笑顔で無邪気に笑った。
「さて、じゃあ、まず先輩としてね、僕の力のことでも話そうか。相手に技能や特殊技能を晒すのは良くないから、それだけは覚えておいてね」
そう言って、彼は何かを取り出した。金属のようなものだ。そして、それを触りだした。
「まず、一つ目。【解析之魔眼】。魔眼系統の希少技能《レアスキル》だよ。能力としては、【魔眼】の元々の能力である鑑定を更に強化した感じかな」
そして、彼はもう一つ別の金属を取り出して、二つを合わせた。
「二つ目に【物質融合】。僕が認識した物質を強制的に融合させる特殊技能だよ。物質を融合すると、別の物質が出来上がる。こんな感じにね」
黄金の金属となっていた。
そして、さらに宝石や木材のような物を取り出した。
「そして、最後。僕の一番の力、【製作王】。名前はダサいけど、能力は一級品だよ。この世界に十二個しかない【王之欠片】で、色々な物を製作する技術が入っている。しかも、一日に一回だけ、全行程をスキップして、素材から直接、完成形を作ることができる」
そうして、彼が俺に渡してきたのは黄金の剣だった。柄の部分は宝石が埋め込まれており、装飾品としても一流のようだ。
俺の方をニコニコと見てきた。
一息つく。
俺は話し始めた。
ふむ。そういうものなのか。
「だから、自己紹介からしようね」
彼は子供に言うように言った。
「天野翔。高校一年の十六歳だった。どうぞ、よろしく」
「それじゃあ、僕もだね。名前はさっき言った通りでアルって呼んでも、和也って呼んでも大丈夫だよ。年はこっちの世界だと十七歳だね」
む。こっちの世界での年齢ってことは既に年くってる可能性が……まぁ、いいけど。青年風だし、同年代って思っとこ。
ここまで言われてが、俺はなぜか彼を信用できないような気がした。いい人そうなのに。
「質問してもいいですか?」
「何だい?」
「なんでこんなに親切にしてくれるんですか」
俺は気になったので聞いてみた。そして、アル…いや、和也はちょっと悩んで風にして語り始めた。
「そもそもね。この世界に異世界から来た人が何人いるか知ってる?」
「……十人いるかいないかってところかな」
しかし、彼は首を振る。
「実際は異世界と呼ばれている世界は地球以外にもある。それを含めて、異世界人は五百人以上だ。結構沢山いる。その中でも【異界勇者】と呼ばれる人たちがいるんだ。特殊技能を二個以上持ってこの世界に来た者だ」
……あれ? 待って、それ俺のことじゃね?
「僕は【製作王】という特殊技能よりも上の【王之欠片】を持ってきた。だから、【異界勇者】と呼ばれいた……が、それはもう終わった。この世界の女神、フランドール・アレスト・デウスからお告げが出た。新たな【異界勇者】を誕生させると」
うんうん。やっぱり、それって俺の気がする。だって、フラン、改めフランドールに会った覚えがあるんだもん。フランってそんな神みたいじゃなかったんだけどな……
「そして、見れば、君を調べたら特殊技能は勿論、【神之欠片】まで持っているじゃないか」
確かに持っている。しかも、【創造権能】を貰った時、そんなことを愚痴ってた気がする。うーん。俺は【異界勇者】なのか?
「ただね、僕が知ってる限り、もう一人、【異界勇者】になれそうな子がいる。多分、近い未来、素質を持っている者同士でバトルがあるだろうと考えている。まぁ、あるとしてもすぐには起きないだろう。当代の【異界勇者】の僕が次代の者へ【継承】しかなきゃならないしな」
なるほど。俺が勇者になる可能性はあることにはあるが、絶対というわけではないのか。
「というわけで、質問の答えはこんなところで大丈夫か。未来の勇者になるかもしれない君と話してみたかったんだ」
「わかりました」
とりあえず、俺は納得して、話を終わらせる。
「じゃあ、次は能力の説明かな」
彼はそう言って心底楽しそうな笑顔で無邪気に笑った。
「さて、じゃあ、まず先輩としてね、僕の力のことでも話そうか。相手に技能や特殊技能を晒すのは良くないから、それだけは覚えておいてね」
そう言って、彼は何かを取り出した。金属のようなものだ。そして、それを触りだした。
「まず、一つ目。【解析之魔眼】。魔眼系統の希少技能《レアスキル》だよ。能力としては、【魔眼】の元々の能力である鑑定を更に強化した感じかな」
そして、彼はもう一つ別の金属を取り出して、二つを合わせた。
「二つ目に【物質融合】。僕が認識した物質を強制的に融合させる特殊技能だよ。物質を融合すると、別の物質が出来上がる。こんな感じにね」
黄金の金属となっていた。
そして、さらに宝石や木材のような物を取り出した。
「そして、最後。僕の一番の力、【製作王】。名前はダサいけど、能力は一級品だよ。この世界に十二個しかない【王之欠片】で、色々な物を製作する技術が入っている。しかも、一日に一回だけ、全行程をスキップして、素材から直接、完成形を作ることができる」
そうして、彼が俺に渡してきたのは黄金の剣だった。柄の部分は宝石が埋め込まれており、装飾品としても一流のようだ。
俺の方をニコニコと見てきた。
一息つく。
俺は話し始めた。
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