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協会からの連絡
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それからは、どんどんテーブルに並ぶ肉をどんどん焼いて食べた。
とにかく脂が甘くて美味しい。ただタレの味がもっと濃くてもよかったけど。
「宗助、塩つかってみ。」
ええー、俺はタレ派なんですけど…。
うまっ!脂の旨みが引き立つ!
「ワサビ醤油もいいぞ。」
うんまあ!脂が一気に爽やかに!
すごい、世界が広がった!
あと、ドライエイジングビーフ!
これは凄い。燻製みたいな香りと、噛むともう旨みが!旨みが!
「ちょっとこれ食べてください!すごいですよ!」
試したことなかったな、と3人が肉を口に運び驚きの声。
網の上のマルチョウをつつき回す真にも食べさせると「すごい!美味しい!」と声をあげる。
食事が落ち着いてくると、職員の女性で誰が可愛いかや、勇一さんに中学から付き合ってる彼女がいること、耕介さんが探索者になって彼女に振られたこと、春人さんはたまに彼女ができてもすぐ振られることとか、他愛もない話になる。
その間も俺は食べ続けてるんだけど。
そうして、いつの間にか夕方と言っていい時間になっていた。
「宗助も落ち着いたし、そろそろ出るか。」
「余裕の6桁越えか…。」
耕介さんが伝票を見ながらぼそりと呟く。
美味しかったです。
「な、こんくらいならいいよな?」
「おう。」
「もちろんだ…。」
そんなやり取りをすると、さっさと春人さんが伝票をもってレジへと行ってしまう。
「え、ちょっと待ってください、ダメですよ!」
「いいから奢られとけ。」
「昨日はお前と真がいないと無理だったんだ…。このくらいさせろ…。」
流石にここまで言われてしまうと…。
気持ちは嬉しいし甘えてしまおう。
「すいません、ありがとうございます。」
「あの、ボクも。ありがとうございました!」
「おう。あとで春人にも言ってやってくれ。あいつが言いだしたことだからな。」
なんでときどき男前なんだろう、春人さん。
ありがとうございます。
ちなみに、昨日の振込みを確認したら人数割り分だけで30万超えてた。
奢りたくなった気持ちがわかった…。
「美味しかったねー。」
「ああ、美味しかった。」
帰りの車の中。
限界まで下げた助手席でちぢこまって、真と焼肉の感想を言い合う。
「でも、宗助くんって内臓系あんまり食べないんだね。ちょっと意外。」
「んー、嫌いじゃないんだけどな。なんか肉の方に行くなあ。」
「ふーん。」
「でも、真がマルチョウ頼んだほうが意外だったよ。」
「ええ!美味しいんだよ、マルチョウ!」
と、そこで俺のスマホが鳴り始める。
めずらしくSNSじゃなくて電話の着信だ。
表示は、日本迷宮探索者協会。
「はい、秋月です。」
『中武です。ごめんね。休んでるところに。』
「大丈夫です。それより、あの動画なんなんですか!」
『ああ、見たんだね。かっこよかったでしょ。』
「いや、そういうことじゃなくて。」
『ごめんね。"なりそこない"について公開するための前準備みたいなものなんだ。事前に相談できなかったのは謝るよ。』
「ぐっ…。」
そう言われると何も言えない。丸め込まれてるだけの気がするのに…。
『そう、電話したのは報告しないといけないことがあったからなんだよ。』
「報告、ですか?」
それは動画のことじゃなくてか。
『そう。明日、立会人が到着するよ』
とにかく脂が甘くて美味しい。ただタレの味がもっと濃くてもよかったけど。
「宗助、塩つかってみ。」
ええー、俺はタレ派なんですけど…。
うまっ!脂の旨みが引き立つ!
「ワサビ醤油もいいぞ。」
うんまあ!脂が一気に爽やかに!
すごい、世界が広がった!
あと、ドライエイジングビーフ!
これは凄い。燻製みたいな香りと、噛むともう旨みが!旨みが!
「ちょっとこれ食べてください!すごいですよ!」
試したことなかったな、と3人が肉を口に運び驚きの声。
網の上のマルチョウをつつき回す真にも食べさせると「すごい!美味しい!」と声をあげる。
食事が落ち着いてくると、職員の女性で誰が可愛いかや、勇一さんに中学から付き合ってる彼女がいること、耕介さんが探索者になって彼女に振られたこと、春人さんはたまに彼女ができてもすぐ振られることとか、他愛もない話になる。
その間も俺は食べ続けてるんだけど。
そうして、いつの間にか夕方と言っていい時間になっていた。
「宗助も落ち着いたし、そろそろ出るか。」
「余裕の6桁越えか…。」
耕介さんが伝票を見ながらぼそりと呟く。
美味しかったです。
「な、こんくらいならいいよな?」
「おう。」
「もちろんだ…。」
そんなやり取りをすると、さっさと春人さんが伝票をもってレジへと行ってしまう。
「え、ちょっと待ってください、ダメですよ!」
「いいから奢られとけ。」
「昨日はお前と真がいないと無理だったんだ…。このくらいさせろ…。」
流石にここまで言われてしまうと…。
気持ちは嬉しいし甘えてしまおう。
「すいません、ありがとうございます。」
「あの、ボクも。ありがとうございました!」
「おう。あとで春人にも言ってやってくれ。あいつが言いだしたことだからな。」
なんでときどき男前なんだろう、春人さん。
ありがとうございます。
ちなみに、昨日の振込みを確認したら人数割り分だけで30万超えてた。
奢りたくなった気持ちがわかった…。
「美味しかったねー。」
「ああ、美味しかった。」
帰りの車の中。
限界まで下げた助手席でちぢこまって、真と焼肉の感想を言い合う。
「でも、宗助くんって内臓系あんまり食べないんだね。ちょっと意外。」
「んー、嫌いじゃないんだけどな。なんか肉の方に行くなあ。」
「ふーん。」
「でも、真がマルチョウ頼んだほうが意外だったよ。」
「ええ!美味しいんだよ、マルチョウ!」
と、そこで俺のスマホが鳴り始める。
めずらしくSNSじゃなくて電話の着信だ。
表示は、日本迷宮探索者協会。
「はい、秋月です。」
『中武です。ごめんね。休んでるところに。』
「大丈夫です。それより、あの動画なんなんですか!」
『ああ、見たんだね。かっこよかったでしょ。』
「いや、そういうことじゃなくて。」
『ごめんね。"なりそこない"について公開するための前準備みたいなものなんだ。事前に相談できなかったのは謝るよ。』
「ぐっ…。」
そう言われると何も言えない。丸め込まれてるだけの気がするのに…。
『そう、電話したのは報告しないといけないことがあったからなんだよ。』
「報告、ですか?」
それは動画のことじゃなくてか。
『そう。明日、立会人が到着するよ』
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