エリート警察官僚はようやく見つけた運命の相手を甘やかしたくてたまらない!

波木真帆

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要さんが可愛すぎる

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手を洗いダイニングルームに向かうと、テーブルに綺麗に並べられた料理に迎えられる。

「大したものは作れなかったんですけど……」

「そんなことありませんよ。どれもすごく美味しそうです」

オムライスもすごく美味しかったけれど、今、目の前に並んでいるのは和食。
筑前煮とアジフライをメインに小鉢も並んでいる。

「こんなにたくさん。大変だったでしょう?」

「いえ、作っているのが楽しくて……。あの、多過ぎたら残してください。私が明日食べますから」

炊き立てのご飯をよそった茶碗を手渡されながら申し訳なさげに言ってくるが、残すはずがない。

「いつも夜はこれくらい食べてますから残したりはしませんよ。それに要さんの手料理はそれこそ残したりしません。要さんの料理を楽しみに帰ってきたんですよ」

「冬貴さん……嬉しいです」

笑顔のまま、私の対面に座る要さんに私も笑顔を送る。

「あの、じゃあ召し上がってください」

要さんの前にも同じ食事が並べられているが、彼は私に促したまま自分は箸を持とうとしない。
きっと私に先に食べて欲しいのだろう。

遠慮なく、まずは筑前煮に箸をつけた。

私が口に運ぶのを少し緊張した様子で見つめられる。
それが可愛くてたまらない。

「ん! 美味しいです!」

その言葉に要さんの表情がパーっと明るくなる。
ああ、このまま押し倒したくなるくらい可愛い。

「こんなに美味しい筑前煮は初めて食べましたよ」

「そんな……っ」

「本当です。私のために要さんが作ってくれたんですから最高に美味しいですよ。このフライも食べていいですか?」

「はい。どうぞ」

私が置かれていたソースではなく添えられたレモンを絞ってかけていると、

「冬貴さんはレモン派ですか?」

と尋ねられる。

「えっ? あ、そうですね。ソースをかけるのも好きですが、レモンがあればレモンをかけます」

「私も同じです。フライはできればレモンで食べたいんですよね」

「同じです! 食の好みが同じなのは嬉しいですね」

サクッと香ばしいフライにさっぱりとしたレモン。
自分が苦手だったとしても要さんが勧めるものなら食べてみたいと思うしチャレンジすることも楽しいだろう。
だが、最初から同じ好みなのもそれはそれで嬉しい。

どれも丁寧に作られた料理に箸が止まらず、あっという間に全ての料理を完食してしまった。
要さんはまだ三分の一ほど食事が残っている。

「すみません、食べるのが遅くて……」

「いえ。私が早く食べてしまう癖がついてしまっているだけですから。要さん、お茶淹れますね。ゆっくり食べてください」

さっとお茶を淹れ、要さんの前に置いてから、私は今までいた向かいの席ではなく、要さんの隣に腰を下ろした。

「えっ、あの……どうしたんですか?」

突然の私の行動に戸惑っているが、その様子すら可愛くて仕方がない。

「要さんが食べている間、隣で見ていたいなと思って……」

「見てても楽しくないですよ」

「大丈夫です。そばにいられるだけで楽しいですから」

「冬貴さん……」

顔を真っ赤にしながら、それを隠すようにパクッとご飯を口に入れる。小さな口がもぐもぐと動いているのが本当に可愛い。

「あ、要さん。ご飯粒ついてますよ」

「え、どこ――」
「ここです」

要さんがとってしまう前にそっと顔を近づけた。
先日は指で摘んでとってあげたご飯粒を、今度は唇でとってみた。
いつも成瀬たちが可愛い恋人にしているのと同じように。
ずっとしてみたいと思っていた夢がどんどん叶っていく。

「ふ、冬貴、さん……い、今……」

「ご馳走さまです。要さんの唇についたご飯粒は最高のデザートですね」

「――っ!!!」

私の言葉に赤かった顔がさらに赤みを増す。
本当に純情で可愛いな、要さんは。

けれど、その後要さんは無言で食べ進めてしまった。

「すみません、怒ってますか?」

流石にやり過ぎたのかと思って要さんの顔を覗き込み様子を窺った。

「怒るだなんてそんなことないですけど……」

「けど?」

「今度は、私にも最高のデザート食べさせてください。冬貴さんばっかりずるいです」

「――っ!!」

まさか要さんがそんなことを言ってくれるなんて……。
私が思っていた以上に、要さんは私を好きでいてくれているようだ。

「はい。いつでも食べてください」

「約束ですよ」

そんなやりとりができることに幸せを感じながら食事が終わり、料理をしてもらったお礼にさっと後片付けを終えた。

「要さん、デザート食べますか?」

「はい、いただきます!」

どうやらあれを楽しみにしていてくれたようだ。

「じゃあ準備しますね」

「あ、私が……」

さっと立ちあがろうとする要さんをソファーに座らせる。

「食事を作ってくれたんですからゆっくり座っていてください」

カフェオレと、マカロンを用意して要さんの前におくと、目をキラキラと輝かせてくれる。

「マカロン、一度食べてみたいと思ってたんです」

「右からラズベリー、ピスタチオ、チョコレート、バニラ、レモンです。好きなものを召し上がってください」

「わぁ、何にしようか悩みますね」

そんな姿を見つめているだけで幸せを感じる。
この時間が永遠に続けばいい、そんな気持ちでいっぱいになっていた。
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