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パパとあやちゃんの笑顔
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<side絢斗>
――絢斗、私の分を作ってくれるだろう?
卓さんからそう言われた時、不安しかなかった。
不器用だってことは自分でよくわかっていたから。
でも、直くんに形が崩れても味は変わらないって言われてそうだなって思えるようになった。
そういえば、昔おにぎりを握ってみようと頑張って、ボロボロに崩れてしまったのを卓さんは美味しいって言って食べてくれたっけ。
でもあんなボロボロなのをもう二度と食べさせたくなくておにぎりを作るのをやめたんだ。
もう作らないと宣言した私に卓さんは
――無理しないでいい。でも絢斗のおにぎりは本当に美味しかったよ。
と笑顔を見せてくれたな。
でもボロボロになったおにぎりが散乱したあのテーブルの様子が忘れられなくて、あれからずっと逃げていた。
そんな私が直くんのおかげで卓さんに美味しいって言ってもらえるおにぎりを作れるようになった。
お好み焼きだって頑張ればできるようになるかも!
そんなふうに前向きに思えるようになったのは直くんのおかげだろう。
――私、やってみる!
そう言った時の卓さんは、すごく嬉しそうだった。
ホットプレートを目の前にすると緊張してきたけれど、生地を流し入れて牛すじと九条ネギを入れるまではうまくいったみたい。ちょっとネギを入れすぎたかと思ったけれど、ネギはたっぷりな方が美味しいと言ってくれてホッとした。
そして、私の目の前で直くんが先にひっくり返す。
昇くんに支えられて綺麗に宙を舞ったお好み焼きはポンといい音を立ててホットプレートに戻った。
あれが私にもできる?
想像つかない。
でも卓さんが一緒にいてくれたら大丈夫かも。
大きなヘラを両手に持って構えると、卓さんがすぐ後ろに立って手を添えてくれる。
――せーので手前にひっくり返すよ。
せーので手前に、せーので手前に……
何度も何度も心の中で唱えていると、卓さんの声が耳元で聞こえた。
「絢斗は大丈夫。私がついてるから」
卓さんのその声は私の緊張を和らげてくれる。
力んでいた力をスッと抜いたのと同時に「せーの」の掛け声をかけてひっくり返すと、さっきの直くんのお好み焼きのようにポンと宙を舞ってホットプレートに戻っていった。
目の前にはほんの少しの乱れもない綺麗なお好み焼き。
おにぎりがボロボロになったあの惨状とは全然違う。
「わぁー!!! 卓さん。できた!! できたよ!! 見た??」
子どもっぽいとはわかっていても喜びを抑えることができない。
卓さんだけでなく直くんや皐月や真琴くん、悠真くんにも褒められてこの上ない満足感でいっぱいになった。
できないなんて諦めないでよかった。
本当によかった。
卓さんが私の分のお好み焼きも軽やかにひっくり返してくれて、上からソースを塗るのも手伝った。
垂れたソースが鉄板についてジュワッと焦げる匂いも美味しそうでたまらない。
卓さんが作ってくれたお好み焼きを小さく切り分けてお皿にのせてもらうと、みんなももうお皿の上に美味しそうなお好み焼きが載っていた。
「いただきまーす!」」
幸せの声が重なって、お好み焼きを食べる。
「んー!! はふっ、はふっ。おいひぃー!」
最高のお好み焼きを味わいながら、卓さんをみると、卓さんは満面の笑みで私が手伝ったお好み焼きを口に入れていた。
「んー! 最高だな!」
その言葉だけで、私は幸せでいっぱいになっていた。
一枚食べただけでお腹いっぱいになった私と直くんをよそに、卓さんは二枚。
昇くんに至っては具沢山大盛りを三枚も食べて満足した様子。
「二人ともよく食べたね」
「絢斗が作ってくれたから最高に美味しかったんだよ」
卓さんの二枚目も私が手伝ったのが嬉しかったみたい。私も本当に嬉しいな。
<side直純>
あやちゃんがポンと綺麗にお好み焼きをひっくり返したとき、僕は自分のがうまく行った時よりもずっと嬉しかった。
「絢斗さん、上手にできたね」
「はい。パパと一緒だったから安心したのかも」
「そうだね」
パパとあやちゃんの嬉しそうな顔を見られるのが何よりも嬉しい。
みんなでソースを塗り鰹節と青のりをふりかけて完成!
それを食べやすい大きさに切り分けて昇さんがお皿に載せてくれた。
いただきまーす! の声に手を合わせて、お好み焼きに箸をつける。
おじいちゃん家で初めて食べた時から、すごく美味しかったけれど今日のも最高に美味しい!
昇さんも僕が手伝ったお好み焼きを美味しそうに食べてくれる。
みんなで作って出来立てのものを一緒に食べるって本当に楽しい。
あっという間に食べ終えて、僕はもうお腹がいっぱいだ。
今日はものすごく食べた気がする。
「直くんはソファーで休んでて。片付けたらすぐに来るから」
僕よりも山ほど食べたのに余裕そうな昇さんをすごいと思いながら、僕は言われた通りにソファーに座ってのんびりしていた。
「直くん、お好み焼き。美味しかったね」
「はい。あの、真琴さんは何を入れたんですか?」
「えっとね、エビと豚バラかな」
「わぁー! 僕と一緒です!」
同じものを選んだだけでも楽しくなる。
「ふふっ。直くんって、本当にかわいいね。ミサンガ作り、頑張ってね」
「はい!!」
天使な真琴さんに応援されて僕はすっかりやる気になっていた。
――絢斗、私の分を作ってくれるだろう?
卓さんからそう言われた時、不安しかなかった。
不器用だってことは自分でよくわかっていたから。
でも、直くんに形が崩れても味は変わらないって言われてそうだなって思えるようになった。
そういえば、昔おにぎりを握ってみようと頑張って、ボロボロに崩れてしまったのを卓さんは美味しいって言って食べてくれたっけ。
でもあんなボロボロなのをもう二度と食べさせたくなくておにぎりを作るのをやめたんだ。
もう作らないと宣言した私に卓さんは
――無理しないでいい。でも絢斗のおにぎりは本当に美味しかったよ。
と笑顔を見せてくれたな。
でもボロボロになったおにぎりが散乱したあのテーブルの様子が忘れられなくて、あれからずっと逃げていた。
そんな私が直くんのおかげで卓さんに美味しいって言ってもらえるおにぎりを作れるようになった。
お好み焼きだって頑張ればできるようになるかも!
そんなふうに前向きに思えるようになったのは直くんのおかげだろう。
――私、やってみる!
そう言った時の卓さんは、すごく嬉しそうだった。
ホットプレートを目の前にすると緊張してきたけれど、生地を流し入れて牛すじと九条ネギを入れるまではうまくいったみたい。ちょっとネギを入れすぎたかと思ったけれど、ネギはたっぷりな方が美味しいと言ってくれてホッとした。
そして、私の目の前で直くんが先にひっくり返す。
昇くんに支えられて綺麗に宙を舞ったお好み焼きはポンといい音を立ててホットプレートに戻った。
あれが私にもできる?
想像つかない。
でも卓さんが一緒にいてくれたら大丈夫かも。
大きなヘラを両手に持って構えると、卓さんがすぐ後ろに立って手を添えてくれる。
――せーので手前にひっくり返すよ。
せーので手前に、せーので手前に……
何度も何度も心の中で唱えていると、卓さんの声が耳元で聞こえた。
「絢斗は大丈夫。私がついてるから」
卓さんのその声は私の緊張を和らげてくれる。
力んでいた力をスッと抜いたのと同時に「せーの」の掛け声をかけてひっくり返すと、さっきの直くんのお好み焼きのようにポンと宙を舞ってホットプレートに戻っていった。
目の前にはほんの少しの乱れもない綺麗なお好み焼き。
おにぎりがボロボロになったあの惨状とは全然違う。
「わぁー!!! 卓さん。できた!! できたよ!! 見た??」
子どもっぽいとはわかっていても喜びを抑えることができない。
卓さんだけでなく直くんや皐月や真琴くん、悠真くんにも褒められてこの上ない満足感でいっぱいになった。
できないなんて諦めないでよかった。
本当によかった。
卓さんが私の分のお好み焼きも軽やかにひっくり返してくれて、上からソースを塗るのも手伝った。
垂れたソースが鉄板についてジュワッと焦げる匂いも美味しそうでたまらない。
卓さんが作ってくれたお好み焼きを小さく切り分けてお皿にのせてもらうと、みんなももうお皿の上に美味しそうなお好み焼きが載っていた。
「いただきまーす!」」
幸せの声が重なって、お好み焼きを食べる。
「んー!! はふっ、はふっ。おいひぃー!」
最高のお好み焼きを味わいながら、卓さんをみると、卓さんは満面の笑みで私が手伝ったお好み焼きを口に入れていた。
「んー! 最高だな!」
その言葉だけで、私は幸せでいっぱいになっていた。
一枚食べただけでお腹いっぱいになった私と直くんをよそに、卓さんは二枚。
昇くんに至っては具沢山大盛りを三枚も食べて満足した様子。
「二人ともよく食べたね」
「絢斗が作ってくれたから最高に美味しかったんだよ」
卓さんの二枚目も私が手伝ったのが嬉しかったみたい。私も本当に嬉しいな。
<side直純>
あやちゃんがポンと綺麗にお好み焼きをひっくり返したとき、僕は自分のがうまく行った時よりもずっと嬉しかった。
「絢斗さん、上手にできたね」
「はい。パパと一緒だったから安心したのかも」
「そうだね」
パパとあやちゃんの嬉しそうな顔を見られるのが何よりも嬉しい。
みんなでソースを塗り鰹節と青のりをふりかけて完成!
それを食べやすい大きさに切り分けて昇さんがお皿に載せてくれた。
いただきまーす! の声に手を合わせて、お好み焼きに箸をつける。
おじいちゃん家で初めて食べた時から、すごく美味しかったけれど今日のも最高に美味しい!
昇さんも僕が手伝ったお好み焼きを美味しそうに食べてくれる。
みんなで作って出来立てのものを一緒に食べるって本当に楽しい。
あっという間に食べ終えて、僕はもうお腹がいっぱいだ。
今日はものすごく食べた気がする。
「直くんはソファーで休んでて。片付けたらすぐに来るから」
僕よりも山ほど食べたのに余裕そうな昇さんをすごいと思いながら、僕は言われた通りにソファーに座ってのんびりしていた。
「直くん、お好み焼き。美味しかったね」
「はい。あの、真琴さんは何を入れたんですか?」
「えっとね、エビと豚バラかな」
「わぁー! 僕と一緒です!」
同じものを選んだだけでも楽しくなる。
「ふふっ。直くんって、本当にかわいいね。ミサンガ作り、頑張ってね」
「はい!!」
天使な真琴さんに応援されて僕はすっかりやる気になっていた。
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