ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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一日の終わりに

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俺の手伝いができて満足したのか、直くんは一緒に風呂に入っている間終始ご機嫌だった。
隣同士並んで髪と身体を洗い、一緒に湯船に浸かるとさっきまでのエロさが嘘のようにお風呂のおもちゃで遊び出す。

子どものような大人のような不思議な存在だ。でも十四歳という年齢ならそうなのかもしれない。

俺だって今は誕生日も迎えて年齢的に成人を迎えたけれど、中学生の頃は子どもでもない、大人でもないそんな宙ぶらりんな状況になんとも言えない戸惑いを感じていたこともある。

直くんは俺と一緒にいることで、俺がエロさを引き出しているのかもしれないけれど、根本的なところはまだ子ども。
だから伯父さんもじいちゃんたちも俺にしっかりと我慢するように言ってくるんだろう。
そもそもがまだ未成年だし。さっきの俺はちょっと我慢が足りなくなっていたのかもしれない。

「ねぇ、直くん。さっきのはさ、二人だけの秘密だよ」

湯船に浸かりながらおもちゃで遊んでいる直くんにひっそりと告げると、キョトンとした顔で見つめられる。

「さっきの? 蜜を出すお手伝いをしたことですか?」

「うん、秘密にできる?」

「はい。蜜を出すお手伝いは絶対に誰にも言いません。だって……他の人に昇さんのお手伝いされたくないので……」

「――っ!!」

あの時絢斗さんが直くんに話してくれたおかげだ。
でも、それって直くんの独占欲ってことなんだよな。
くっ、想像するだけで興奮する!

直くんの嫉妬や独占欲を感じて、喜びのままに俺は直くんと風呂を出た。

一緒に着替えながらもしっかりと直くんの裸は目に焼き付ける。
ああ、本当に可愛いな。

そのまま脱衣所で髪を乾かしてもよかったけれど、少し眠そうな目になってきている。
水分を摂らせて、いつものように部屋まで行ってラグに座らせてから髪を乾かすことにした。

乾かし始めて少し経つと頭がぐらぐらと揺れてくる。
昼寝をしたとはいえ、今日は疲れただろうし、夕食もたくさん食べていたから当然だろう。

直くんを支えながら髪を乾かし終えてからベッドに寝かせた。
深く寝落ちしているからすぐには起きないだろう。

周りにぬいぐるみたちを並べて、俺はリビングに戻った。

「直くんはどうした?」

俺の顔を見るなりすぐにじいちゃんから声をかけられる。

「お風呂から出たら寝ちゃったんだ」

「そうか、それは仕方がないな」

大おじさんも納得顔だ。

「伯父さんたちは?」

「もう部屋に入っているよ。明日の朝は私たちが食事を作るからゆっくり休むといいと伝えてある」

その言葉に全てを理解した。
伯父さんたちの部屋には絶対に近づいてはいけないな。

「明日のことを聞きたかったんだ。じいちゃんたちはどうするの?」

「お前が帰ってくるまでいるつもりだよ。賢将さんも明日は休みにしてもらったらしい」

「そうなの?」

そんなに急に休みなんてできるのかと思ったけれど、特に問題はないらしい。

「元々、最初は慣れるためにも週に二、三日から働くことになっていたから明日じゃなくても構わないんだ」

「そうなんだ。でも直くんのためにはよかったかも」

「ああ、明日カールくんが来ても一緒にいられるから昇は安心しなさい」

絢斗さんの講義をカールが受けている間、直くんが一人になるかと思って少し心配していたけどよかった。

「じゃあ俺、もう少し勉強してから寝るから」

「ああ、おやすみ」

じいちゃんたちに見送られて部屋に向かう。
静かな部屋で直くんの穏やかな寝息だけが聞こえる。

よし、やるぞ。

そこから集中して一時間勉強して、直くんへのマフラーの続きを編み始める。
直くんが完成させた母さんへの編み物の長さと比べるとちょうど半分くらいは編めたかな。
一応今のところ、穴が空いたり目が増えたりはしていないから大丈夫そう。
これなら直くんに途中経過を見せても笑われることはなさそうだ。
俺のことなんでもこなせると思ってくれているから、下手なものは見せられない。
直くんがこのマフラーを受験の時に使ってくれたら嬉しいけどな。

マフラーを片付けて俺もベッドに入る。
直くんの温もりで心地良い。
ぬいぐるみを退かすとすぐに直くんが俺の胸に擦り寄ってきた。
ああ、可愛い。

俺は直くんを抱きしめながら眠りについた。

<side寛>

賢将さんとの同室での就寝は特に問題なかった。
私も今までイビキや寝言などを指摘されたこともないし、お互いにスッキリした目覚めで朝を迎えた。

一緒に住み始めたら流石に同室で寝ることはないが、睡眠に問題がないのはこの年齢になってくると安心材料の一つだろう。と言っても賢将さんは私に比べたらまだまだ若いが。

時計を見れば六時前。朝食作りには良い時間だろう。

特に譲り合いの必要もなく、お互いに交代で身支度を整える。
これはもう今まで培ってきた空気を読む力のおかげだろう。

あっという間に身支度を整え、二人でキッチンに向かった。

「さて、何にしようか」

幸いなことに食材は豊富にある。
洋食でも和食でもなんでも作れそうだ。

「寛さん、パニーニなんてどうですか? パニーニメーカーもあるみたいですし」

「ああ、それはいいな」

アメリカでの暮らしで最近は割とそういうものを作っていたからパニーニと聞くと食べたくなってきた。
とろりとチーズがとろけるのを見れば直くんも食欲が増すだろう。

「じゃあ、それとスープにしようか」

献立ができればあとは早い。
お互いに相手の動きを見ながら、やることが決まっていく。

本当に賢将さんとは相性がいいかもしれない。
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