ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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二人が会う場所は

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「絢斗、直くんには話をしたのか?」

「うん。今、よかったねって言ってたところ」

「そうか。それでだが、今櫻葉さんと話をしたんだが、早ければ今週中には直くんと一花くんが会える場を設ける機会を作れそうだ」

「えっ、そんなに早く?」

「こういうことはあまり時間を置かない方がいいと思ってね」

そういうと直くんも絢斗さんも大きく頷いた。

「それで、二人が会う場所なんだが……我が家にきてもらおうと思っている」

「えっ? でも一花くんは……」

歩けないのにわざわざ出向いてもらうなんて……。
そう思ったけれど、

「ああ。足の怪我も考慮した上で、征哉くんが所有しているキャンピングカーの中で対面させるのはどうかという話になった」

という言葉に俺はつい鸚鵡返ししてしまった。

「キャンピングカー?」

「ああ、以前征哉くんが一花くんを連れて遠出する機会があって…………ああ、そうだ。未知子さんが我が家に来てくれた日だよ。その遠出の外出で一花くんを疲れさせないために用意したのが、そのキャンピングカーらしい。車内には一花くんがのんびりと過ごせるようにベッドも用意されているというから、それで我が家の駐車場まで来てもらう。その中なら、直くんと一花くんだけでゆっくりと話ができるだろう」

まさかの場所の提案に俺はただただ驚きしかなかったが、確かにそれなら直くんは外に出ずにすむし、一花さんものんびりと寛げる。
それなら安心かも。

「櫻葉さんの提案だが、征哉くんもおそらく了承してくれるだろうから、そこで会うことになるのはほぼ決まりだな」

「こんなふうにとんとん拍子に決まるなら、いい方向にいきそうだね。ね、直くん」

「僕は……こんなにも早く一花さんに会って謝罪ができるのが何よりも嬉しいです。パパ、ありがとうございます」

「いや、みんなが直くんと一花くんの気持ちを考慮した結果だ。さぁ、いい気分になったところで朝食にしよう。昇、準備を手伝ってくれ。絢斗と直くんは着替えておいで」

「はーい」

伯父さんはきっと話をしながらもまだパジャマ姿だった絢斗さんが気になっていたんだろう。

さっと俺をキッチンに連れていくと、

「絢斗から抱きつかれなかったか?」

と眼光鋭く問いかけられた。

こ、怖いっ!

「いや、あの……確かに抱きつかれそうにはなったけど、身体を逸らしたから大丈夫。本当だよ!」

「そうか、ならいい」

嘘をついているわけではないけれど、伯父さんにじっと目を見つめられると冷や汗が出る。
とりあえずは俺の主張を信じてくれたようで助かった。

「じゃあ、直くんと絢斗が好きなパンケーキにしようか。そのほうがすぐにできる」

そう言って作業を始めた。

伯父さんの指導でふわふわのパンケーキが焼けるようになった俺が焼いている間に、伯父さんはパンケーキに乗せるベリー系のフルーツを切り分け、それとは別に俺たち用の甘くないパンケーキのおかずであるベーコンとオムレツを焼いてくれていた。

白い器に小さなパンケーキを二枚重ねて、生クリームと切り分けたフルーツを乗せ、チョコレートソースを用意した。

俺たちの皿には大きめのパンケーキ三枚とちぎったレタスとカリカリに焼いたベーコンとオムレツを一緒に並べてなんともボリュームのあるパンケーキが出来上がった。

直くん用の甘いカフェオレと俺用のブラックを淹れて準備は整った。

同じように伯父さんもコーヒーを淹れて出来上がったようだ。
やっぱり二人で準備すると早い。

テーブルに並べていると、ちょうど直くんと絢斗さんがやってきた。

「わぁ、美味しそう!! ねぇ、直くん」

「はい。すっごく美味しそうです」

その笑顔がいつも以上に嬉しそうに見えるのはきっと一花さんとの出会いの場がもうすぐそこまで近づいているからだろう。

もちろん緊張はしているだろうし、不安もあるだろうけど、自分が決めたことをできるのが嬉しいに違いない。
話を聞いている限り、一花さんが直くんを罵ったり、怒鳴ったりしない人であるのは想像できるけれど、本当にどんな人なのか俺も正直会ってみたい。

早いうちにと言っていたけれど、いつになるんだろうな……と思っていると、朝食を終えてすぐに伯父さんのスマホに連絡が来たようだ。

「直くん、会うのは明後日の午後三時に決まったよ」

その言葉に直くんはグッと表情を引き締めた。


そして、あっという間に一花さんと会う日がやってきた。
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