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俺が絶対に守る!

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<side昇>

今日も可愛い直くんを腕に抱いたまま、朝を迎えられた。

いつもより表情が柔らかく見えるのは、昨日谷垣さんと話をして自分の思いを伝えられたからかもしれない。

やっぱり直くんにはいつだって幸せを感じてもらいたい。
今までがずっと辛い人生だったのだから。

直くんが起きるまでそばにいてやりたいが、あまりの可愛さと朝の生理現象も重なってとんでもないことになっているから直くんが目を覚ますまでに処理をしておかないとな。

その間だけだぞと言い聞かせながら、俺によく似たクマのぬいぐるみと交代して急いでトイレに向かった。

さっと処理を済ませて、手を洗い、直くんの元に戻ると、直くんはまだ眠ってくれていて助かった。
直くんの隣にそっと身体を滑り込ませて、直くんの寝顔でも堪能しようと思っていると、突然部屋の扉をノックする音が聞こえた。

伯父さんが朝食のことでも聞きにきたのかと思って、起きあがろうとすると

「んっ……」

直くんが起きてしまった。

「の、ぼるさん……?」

「ああ、ごめん。起こしちゃったね。伯父さんが来たみたいだからちょっと行ってくるね」

「はい……」

まだ寝ぼけたままの直くんにそう告げて、俺は扉に向かった。

「伯父さん、ごめ――えっ? 絢斗さんっ、なんで……?」

てっきり伯父さんだとばかり思っていたのに、俺の目の前にいるのは、薄手のパジャマに薄手のカーディガンを羽織っただけの寝起きの絢斗さん。
しかも目が潤んでいて頬もほんのりと赤らめている。

これ……絶対に見ちゃいけない状態じゃないか?

できるだけ目以外に視覚に入らないように気をつけて

「どうしたんですか?」

と尋ねると、

「昇くんっ、よかったよー!!」

と叫びながら俺に抱きついてきた。

「えっ、ちょ――っ、まっ」

これは絶対にヤバイ!
一瞬で理解した俺はさっと絢斗さんの肩に手を置いてさっと身体を離しながら、

「ちょっと落ち着いてくださいっ」

と声をかけるとようやく絢斗さんは

「あ、ごめん。つい嬉しくて」

と我に返った。

「そ、それでどうしたんですか?」

「うん、ちょっと入るね! 直くんっ、おはよう!!」

そう言いながら、スタスタと部屋の中に入っていく絢斗さんを見ていると、絢斗さんはそのままベッドにいる直くんのところに歩いて行って、今度は直くんをぎゅっと抱きしめた。

「――っ!!」

慌てて止めに行こうと思って近づいたけれど、

「直くん、聞いて! 一花くんがね、直くんと会ってくれるって」

そんな絢斗さんの嬉しそうな声が聞こえてきて、俺の足が止まってしまった。

「えっ……本当、ですか?」

「うん。たった今、櫻葉さんから連絡が来て、一花くんが直くんに会って話がしたいって言ってるって教えてくれたんだ」

「――っ!!! 嬉しいっ!!」

「うん、嬉しいよね。私もすごく嬉しい」

そう言いながら抱き合う二人を見ても、もう俺は引き離そうという気にはなれなかった。

「あの、それで絢斗さん。いつ会えるんですか?」

「それはまだ決まってなかったけど、近々って言ってたから結構早いんじゃないかな。卓さん、まだ櫻葉さんとお話し中だからきっと終わったら教えてくれるよ」

「でも、その時はやっぱり直くんがあっちの家に行くんですよね?」

「そうかもね。一花くんはまだ歩けないわけだし……」

確かにそうだ。
怪我人にこっちに来てもらうなんてできるわけない。
しかもこっちが謝罪をする方なんだから尚更そんなことできるわけない。

だけど、直くんだけを行かせるのだけは絶対にダメだ。
なんて言われたって、俺が一緒についていく!
それだけは、俺が直接貴船会長や櫻葉会長に交渉したっていい。
決して直くんを一人にはしない!

伯父さんにもそれを伝えておこう。

ここは絢斗さんに直くんを任せて、俺は伯父さんたちの部屋の前で待機しておこうと思って、部屋を出ると

「わっ!」

目の前に突然伯父さんが現れた。

「昇、朝食ならもう少し待ってくれ」

「いや、伯父さんのところに行こうとしたんだ。櫻葉さんから連絡あったんでしょう?」

「ああ。早ければ今週中には会えそうだ」

「えっ? もうそんなに決まったの?」

「こういうことは早い方がいいだろうということになってな」

「でも、会う場所は? やっぱり貴船会長の家?」

「いや、それも含めて直くんにも話そう。昇も来なさい」

そういうと、伯父さんは部屋の中に入って行った。
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