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番外編
僕の大事なお友達
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新作『初めて恋したイケメン社長のお相手は童顔の美少年でした』で面白い感想をいただいたので、本当にこういうお友達がいるかも……と思って書いてしまいました。
面白いと言っていただけたら続いたりするかも……(笑)
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideミシェル>
『ミシェル、Millyから次回のコンサートの伴奏について承諾のメッセージが届いているよ』
『わぁ! 良かったぁ!』
『ふふっ。ミシェルはMillyとの二重奏が好きだからな』
『うん。だって、僕がその時の気分で勝手にアレンジ入れても必ず合わせてくれるんだよ。Millyだけだよ、あんなに伸び伸びと気持ちよく演奏ができるのは』
『確かに。Millyと一緒の時は音がいつも以上に生きている感じがするな』
『もうずっと専属でお願いしたいくらいだけど、Millyはソロでもコンサートやって世界中を飛び回ってるから、なかなかスケジュールが合わないんだよね』
『それくらいみんなから求められているってことだよ。年に一度は必ずミシェルの伴奏を承諾してくれているからラッキーな方だよ』
『うん。そうだね』
『今回はフランスでのコンサートだろう? 私とエヴァンさまは日本出張に出かけているけどMillyにはいつものようにここで泊まってもらったらいいよ。その方が私も安心だ』
『わぁー! ありがとう! じゃあ、Millyにそう言っておくね』
初めてMillyというピアニストの存在を知ったのは、6年前。
セルジュに素晴らしい演奏をするピアニストがいると教えてもらったのがきっかけだった。
エヴァンさんとのアメリカ出張の際に、取引先の人に招待されたある歌手のコンサートで伴奏をしていたのがMillyで、歌手よりもそのピアノの演奏に心を打たれたらしく、僕との二重奏を提案してくれたんだ。
Millyはどこにも所属していないフリーのピアニストで、仕事を受ければ世界中どこでも来てくれるという話だったけれど、ものすごく人気があって、Millyと一緒に演奏したいというアーティストは五万といる。
なかなか共演の機会もなくて残念がっていたら、セルジュがMillyのドイツでのコンサートチケットを手に入れてくれた。
このコンサートはMillyのソロコンサートだったから、Millyの演奏がたっぷりと堪能できると思って、ワクワクしていた。
そして、待ちに待ったコンサート当日。
僕はMillyのピアノに深い衝撃を受けたんだ。
一曲目を聞いただけでMillyとなら素晴らしい演奏ができると直感した。
それからは毎日のようにMillyにメッセージを送りまくって、ようやくフランスでのコンサートの伴奏を弾く受けてくれたんだ。
その時のコンサートの盛況ぶりは凄まじかった。
それ以来、年に一度は必ず僕のためにスケジュール空けてくれる様になって、基本的にフランス開催が多いけれど、ドイツやイタリア、イギリスにも行く事がある。
その時は旅行気分で楽しいんだ。
そして、今年もフランスでの僕のコンサートでの伴奏を引き受けてくれた。
ああ、まだ三ヶ月も先だけど楽しみ!
演奏会の二日前からここにお泊まりだっていうから、いっぱいおしゃべりもできる。
実はそれもMillyとの楽しみのひとつなんだ。
そして、コンサートの二日前。
Millyがうちに来てくれた。
ちょうど同じタイミングでセルジュとエヴァンさんは日本に向けて出発した。
いつもなら寂しいけれど、今回はMillyが来るから少しウキウキしていたら、昨日の夜はセルジュにお仕置きだって激しくされちゃった。
だけど、そういうところも可愛いんだよね。
『ケイ! よく来てくれたね。空港では騒ぎにならなかった?』
空港まで迎えに行きたかったけど、セルジュから絶対にダメだと言われていたから家で大人しく待っていた。
「大丈夫だよ。演奏している時とは別人だから、僕がMillyだって誰にも気づかれないよ』
そう、Millyは実は男性。
だけど、華奢で小柄なせいかタキシードが似合わないと言われたそうで、ウィッグと女性用のドレスを着て演奏しているから、世間的には女性だと思われてるらしい。
Millyももちろん芸名。
だから、二人っきりでいるときや、素顔の時は本名のケイと呼ばせてもらってる。
僕も演奏の時はセルジュの作ってくれたドレスを着て演奏しているから、お互いに男性の時も女性の時も違和感なく話せるんだ。
『セルジュさんたちは今回はいないの?』
『うん。ケイが帰った後に帰ってくるから今回は会わないかな』
『そうなんだ。じゃあ、ゆっくりおしゃべりできるね。またいろいろ聞かせてよ。セルジュさんとの夜のこと』
『ふふっ。いいよ』
ケイはまだ人を好きになった事がないらしい。
だからかな、僕の相手が男性だってことにも何も気にしなかったばかりか、羨ましいとさえ言われてしまった。
ケイにとっては愛せる相手ができるだけで羨ましいことなんだって。
女性にも惹かれたこともないし、男性にもまだ惹かれたことはないらしいけど、女性相手の愛し合う方法は割と調べればわかるけれど、男同士のことはなかなか調べにくいらしく、将来役に立つかもしれないからと言って、僕とセルジュの愛し合う話を楽しそうに聞いてくれるんだ。
僕もこんなことを大っぴらに話せる相手はいないから、ケイと話せるのは楽しくて仕方がない。
今夜もまたケイとの楽しいおしゃべりの夜がやってくる。
面白いと言っていただけたら続いたりするかも……(笑)
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<sideミシェル>
『ミシェル、Millyから次回のコンサートの伴奏について承諾のメッセージが届いているよ』
『わぁ! 良かったぁ!』
『ふふっ。ミシェルはMillyとの二重奏が好きだからな』
『うん。だって、僕がその時の気分で勝手にアレンジ入れても必ず合わせてくれるんだよ。Millyだけだよ、あんなに伸び伸びと気持ちよく演奏ができるのは』
『確かに。Millyと一緒の時は音がいつも以上に生きている感じがするな』
『もうずっと専属でお願いしたいくらいだけど、Millyはソロでもコンサートやって世界中を飛び回ってるから、なかなかスケジュールが合わないんだよね』
『それくらいみんなから求められているってことだよ。年に一度は必ずミシェルの伴奏を承諾してくれているからラッキーな方だよ』
『うん。そうだね』
『今回はフランスでのコンサートだろう? 私とエヴァンさまは日本出張に出かけているけどMillyにはいつものようにここで泊まってもらったらいいよ。その方が私も安心だ』
『わぁー! ありがとう! じゃあ、Millyにそう言っておくね』
初めてMillyというピアニストの存在を知ったのは、6年前。
セルジュに素晴らしい演奏をするピアニストがいると教えてもらったのがきっかけだった。
エヴァンさんとのアメリカ出張の際に、取引先の人に招待されたある歌手のコンサートで伴奏をしていたのがMillyで、歌手よりもそのピアノの演奏に心を打たれたらしく、僕との二重奏を提案してくれたんだ。
Millyはどこにも所属していないフリーのピアニストで、仕事を受ければ世界中どこでも来てくれるという話だったけれど、ものすごく人気があって、Millyと一緒に演奏したいというアーティストは五万といる。
なかなか共演の機会もなくて残念がっていたら、セルジュがMillyのドイツでのコンサートチケットを手に入れてくれた。
このコンサートはMillyのソロコンサートだったから、Millyの演奏がたっぷりと堪能できると思って、ワクワクしていた。
そして、待ちに待ったコンサート当日。
僕はMillyのピアノに深い衝撃を受けたんだ。
一曲目を聞いただけでMillyとなら素晴らしい演奏ができると直感した。
それからは毎日のようにMillyにメッセージを送りまくって、ようやくフランスでのコンサートの伴奏を弾く受けてくれたんだ。
その時のコンサートの盛況ぶりは凄まじかった。
それ以来、年に一度は必ず僕のためにスケジュール空けてくれる様になって、基本的にフランス開催が多いけれど、ドイツやイタリア、イギリスにも行く事がある。
その時は旅行気分で楽しいんだ。
そして、今年もフランスでの僕のコンサートでの伴奏を引き受けてくれた。
ああ、まだ三ヶ月も先だけど楽しみ!
演奏会の二日前からここにお泊まりだっていうから、いっぱいおしゃべりもできる。
実はそれもMillyとの楽しみのひとつなんだ。
そして、コンサートの二日前。
Millyがうちに来てくれた。
ちょうど同じタイミングでセルジュとエヴァンさんは日本に向けて出発した。
いつもなら寂しいけれど、今回はMillyが来るから少しウキウキしていたら、昨日の夜はセルジュにお仕置きだって激しくされちゃった。
だけど、そういうところも可愛いんだよね。
『ケイ! よく来てくれたね。空港では騒ぎにならなかった?』
空港まで迎えに行きたかったけど、セルジュから絶対にダメだと言われていたから家で大人しく待っていた。
「大丈夫だよ。演奏している時とは別人だから、僕がMillyだって誰にも気づかれないよ』
そう、Millyは実は男性。
だけど、華奢で小柄なせいかタキシードが似合わないと言われたそうで、ウィッグと女性用のドレスを着て演奏しているから、世間的には女性だと思われてるらしい。
Millyももちろん芸名。
だから、二人っきりでいるときや、素顔の時は本名のケイと呼ばせてもらってる。
僕も演奏の時はセルジュの作ってくれたドレスを着て演奏しているから、お互いに男性の時も女性の時も違和感なく話せるんだ。
『セルジュさんたちは今回はいないの?』
『うん。ケイが帰った後に帰ってくるから今回は会わないかな』
『そうなんだ。じゃあ、ゆっくりおしゃべりできるね。またいろいろ聞かせてよ。セルジュさんとの夜のこと』
『ふふっ。いいよ』
ケイはまだ人を好きになった事がないらしい。
だからかな、僕の相手が男性だってことにも何も気にしなかったばかりか、羨ましいとさえ言われてしまった。
ケイにとっては愛せる相手ができるだけで羨ましいことなんだって。
女性にも惹かれたこともないし、男性にもまだ惹かれたことはないらしいけど、女性相手の愛し合う方法は割と調べればわかるけれど、男同士のことはなかなか調べにくいらしく、将来役に立つかもしれないからと言って、僕とセルジュの愛し合う話を楽しそうに聞いてくれるんだ。
僕もこんなことを大っぴらに話せる相手はいないから、ケイと話せるのは楽しくて仕方がない。
今夜もまたケイとの楽しいおしゃべりの夜がやってくる。
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みんなの感想(2件)
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にゃんこさま。コメントありがとうございます!
全作品一気読み✨めっちゃ嬉しいです❤️
ありがとうございます!
そうですね、また共演もあるかも。
いろんなところで(笑)
きっと近いうちに帰ると思います、続きも書く予定なのでどうぞお楽しみに❤️
四葩さま。コメントありがとうございます!
確実にニコラのヴァイオリンだと気づいていましたね。
しかもそれを大切に使っていて、美しい音に惹かれたんですね。
そう、ミシェルじゃなくて音に。そこ重要ですよ(笑)
ニコラが呼んだのかもですね。
あの音に導かれなければ、ミシェルとセルジュの出会いもなかったと考えるとこのヴァイオリンがキューピッドですね。
これもニコラがヴァイオリンを盗まれた時にそのままにしてくれたおかげ(笑)かな。