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第四章 (王城 過去編)
花村 柊 25−2※
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「シュウから誘ってくるとはな」
「えっ……」
なに? と聞く余裕もなく、ぼくの唇は再びフレッドの唇に重なりあっていた。
顎に手を置かれ上向きにさせられたまま、今度はフレッドがぼくの下唇を柔らかく噛んでくる。
その感触の心地よさに思わず『ああ……っ』と声をあげたその隙を突いて、フレッドの肉厚な舌が入り込んできた。
ぼくの舌先に吸い付いたり、絡めたりしながらクチュクチュといやらしい音を立てて口内を動き回る。
「……んんっ、はぁ……ぅん……」
フレッドの激しい噛み付くようなキスが気持ちよくてたまらない。
ああ、やっぱりフレッドとのキス……好きだなぁ。
もっともっとして欲しい……。
フレッドの熱を感じさせて……。
そんな思いでぼくも自然とフレッドの舌に絡めていた。
「……ふぅ、んっ……んんっ」
けれど、あまりにも強く絡ませすぎて少し息苦しくなってしまったことをフレッドに気づかれてしまった。
名残惜しそうにゆっくりと唇を離されると、銀の糸がツーっと繋がったまま太陽の光を浴びキラキラと光っていた。
「キレイ……っ、あっ……」
ふとぼくから漏れた言葉に銀の糸が切れると、
「――っ! ああ、シュウはどこまで……!」
と怒ったようにぼくの唇にまた重ね合わせてきて、切れてぼくの顎についた銀の糸をぺろりと大きな舌で丁寧に舐めとった。
怒らせたのかと心配してフレッドを見上げると、
「これ以上、私を煽るな。我慢できなくなる」
と抱きしめられた。
その優しい抱き方に……なんだ、怒られたんじゃなかったのか……よかったと秘かにほっとした。
その瞬間、ぼくは大切なことを思い出した。
「あっ! フレッドの絵……」
どこに行ったんだろう?
もしかして水に落ちたり……?
あたりを見回そうとすると、
「シュウ、心配するな。ちゃんと私が持っている」
そう言って、フレッドは背中に手を回し、ズボンに差し込んだ画帳を取り出した。
「すごい!! フレッド、さすがだね!」
手放しで喜ぶとフレッドはどうだ! と言わんばかりの顔でぼくを見つめた。
その得意げな顔が可愛くて思わず『ふふっ』と笑ってしまった。
「さぁ、もう一度ゆっくり見せてくれ」
ぼくは画帳を広げて、先ほど描いたばかりのフレッドの絵を見せると、
「やっぱりシュウの絵は素晴らしいな……」
と感心したようにぼくの絵をじっくりと眺めていた。
『やはり間違いないな』
小声で何かを呟いたかと思うと、意を決した表情でぼくを見つめてからゆっくりと口を開いた。
「シュウ……大事な話があるんだ」
「えっ……大事な話?」
そのフレッドの真剣な表情に少し戸惑ってしまって、ぼくはゴクリと唾を飲み込んだ。
「シュウ……大丈夫か?」
何を言われるのか全然想像がつかないけれど、ぼくを心配してくれるその表情が優しいから、きっと大丈夫だ。
ぼくたちが離れるとか別れるとかなんていう話ではないはず。
ぼくは覚悟を決めて、フレッドを見つめた。
「うん。大丈夫。フレッドの話……聞かせて」
フレッドはふわりとした笑顔を見せ、『あっちに座ろうか』とさっきまで絵を描いていたときにフレッドが座っていた大きな岩にぼくを抱き抱えたまま胡座をかいて座った。
「おい、お前たち!」
フレッドが大きな声をあげると、4人の騎士さんたちが木々の中からさっと出てきた。
きっと他の人はさっきの人を連れて行ったのだろう。
ちょっと思ったけど、この4人の騎士さんたちにはさっきのフレッドとのキスは見られてたのかな……。
うわぁ、なんか恥ずかしい……。
ぼくは少し顔が赤くなったのを隠すようにフレッドの胸元に顔を押し当てた。
フレッドはぼくの行動に『んっ?』と不思議そうに見ていたけれど、すぐに騎士さんたちの方に目を向け
「シュウと大事な話をするから、少し離れていてくれ」
と声をかけた。
「はっ」
4人の騎士さんたちは今よりも少し離れた場所でぼくたちの警護を続けてくれるようだ。
そこなら、大声でも出さない限りぼくたちの会話は聞こえないはずだ。
「シュウ、大丈夫か? これから話すことはシュウにとってはもしかしたら辛い話になるかもしれない。
それでも、話さないといけないんだ。聞いてくれるか?」
「……うん。ちょっと怖いけど、大丈夫。……聞かせて、フレッド」
「ずっと考えていたんだ。私たちが元の時代へ戻る方法を……」
えっ……元の時代へ戻る方法……?
まさか、そんな話とは思わなかったけど……フレッドは何を知ってるんだろう?
ぼくはコクリと頷き、ドキドキしながらフレッドの言葉を待った。
「私たちがこの時代に来たのは、あの部屋のおふたりのあの絵に触れたからだと思う。
シュウもそれは気づいているだろう?
私たちがこの世界に来るきっかけになったあの肖像画は、実は……今はまだ描かれていない。
それで先日、陛下の元に絵師を決めて欲しいと文書が届いていたのを見かけてふと思ったのだ。
あの絵が完成した時に我々は元の時代に戻るんじゃないかとな」
なるほど。それは一理あるかも。
あの絵がぼくたちをこの世界に連れてくるための鍵だったとしたら、それに触れたらまた、元の時代に戻る鍵になるかもしれないってことだもんね。
「まぁ、それはあくまでも私の推測だ。それが本当かどうかはわからない。
ただな、本題はそこじゃないんだ。
私は、元の時代に戻る鍵は……シュウ自身だと思ってるんだ」
「えっ? ぼく?」
「ああ。そう思ったのは、あのシュウの絵を見たとき。ほら、馬車の絵を描いたときだよ」
「あの馬車の?」
今回の視察旅行のために馬車を改良するときにバーナードさんたちにわかりやすいようにと思って描いた、あのただの落書きのような絵。
あれとどういう関係があるんだろう?
「そうだ、私はシュウが描いたあの馬車の絵の画風や筆触が、あの部屋で見た肖像画のそれに似ていると感じたんだ。
私は絵画への造形に深くはない。しかし、ただの素人だからこそシュウの絵を見て感じるものがあったんだ。
あれはシュウの描いたものだったんじゃないかってそう感じたんだ」
「……あの肖像画をぼくが?」
まさか……。
でも、あの肖像画を見たとき、周りの王さまや王妃さまの肖像画と違って、絵の中の2人が優しい雰囲気を纏ってすごく幸せそうな表情をしているなとは思った。
あの2人が幸せそうに見えたのはぼくが2人を描いていたから?
ぼくに向けた表情だったってことなのかな?
「ああ。さっき、描いてもらった私の絵を見て確信した。あれは間違いなくシュウの絵だ」
そっか。フレッドはそれを確かめるためにぼくに絵を描かせたっていうことか……。
フレッドが言うことが正しいとしたら、ぼくは自分自身の手でこの時代から、お父さんたちから離れるものを作り上げるということだ。
じゃあお父さんと過ごせるのも、肖像画が完成するまでってこと……?
だからフレッドはぼくにとって辛い話かもって……そう言ったんだ。
お父さん……アンドリューさま……そしてブルーノさんたち。
離れるのはいやだ。
この数ヶ月、お父さんたちと過ごす日々が楽しくてこのままずっとここにいられたらって思ってた。
でも、いつかは戻らなきゃ! って考えている自分もいたんだ。
そう。覚悟していたはずなのに……どうしよう。
帰ることが現実味を帯びてきたら途端に怖くなってきた。
フレッドになんて言ったらいいのかわからない。
だって、ぼくが自分でお父さんたちから離れるためのものを作り上げる……。
そんなのって……辛すぎるよ。
「フレッド……ぼくがあれを描かなかったらずっとここにいられるの?」
「……シュウはそうしたいのか?」
「わからない。どうしたらいいのか、わからないんだ」
ぼくはフレッドの胸にしがみつきながら、頭の中でお父さんと過ごした日々を思い出していた。
「シュウ……悩ませてしまって悪い。でも、どうしても言わなければと思ってな……」
フレッドの声が震えている。
ぼくは自分のことばかり思っていたけど、フレッドの気持ちはどうなんだろう……。
「……フレッドはどう思ってるの?」
フレッドの胸元に押し付けていた顔をあげフレッドに尋ねた。
「えっ?」
「フレッドは元の時代に戻りたい?」
フレッドはここに来てすごく幸せそうだった。
あっちでは周りからの反応を気にして卑屈になっているところもあったけれど、ここでは素の自分を曝け出し自信にみなぎっているように見えた。
またあの時代に戻ることは一度この幸せな時を過ごした分、前よりもずっと辛く感じるのではないか……そう思ったんだ。
「……正直な気持ちを言うと、元の時代に戻るのは……怖い。またあの嫌悪に満ちたあの視線を受けるのかと思うと自分で自分が嫌になるんだ。だが、私が帰らなければサヴァンスタックの領民たちはどうなる? 歴史が変わってあの時代に私が存在しなければ、あの領地を開拓するものはいない。あそこは荒れ果てた土地のまま、誰も移住することなく、他所で困窮した日々を過ごするだろうかと思うと心が痛い。自分自身の幸せのために多くの領民たちのことを犠牲にしてもいいのだろうか……。私は公爵としての責務を捨てていいのだろうか……」
苦しそうに話すフレッドの表情が1人でずっと悩んできたんだろうと思わされる。
フレッドの葛藤が心に響く。
普通なら、他人の幸せより自分の幸せを願うことだろう。
でもフレッドは自分の幸せと引き換えに不幸になる人がいることを望んでいない。
ぼくはそんなフレッドを愛しいと思った。
フレッドのことをずっと隣で支えるって決めたじゃないか。
それなのに、ぼくはお父さんと離れたくない、このままずっとここにいたいって、自分の気持ちばかり突き通そうとして……。ぼくはなんて子どもなんだろう。
もっときちんと自分の未来に向き合わないといけないんだ。
ぼくはフレッドとずっと一緒にいたいから。
「フレッド……。ぼくは、お父さんやアンドリューさまと離れたくない」
ぼくはフレッドの目を見ながら、はっきりと言い切った。
これは紛れもないぼくの本心だ。
「じゃあ……」
「でも、ぼくはフレッドと頑張るって決めたから」
「えっ?」
「ぼく、お父さんたちの絵を描くよ。そして、戻ろう。ぼくたちの時代に……」
「だが……」
フレッドの顔が曇っていく。
きっと元の時代で侮蔑されていたことを思い出しているんだろう。
それほどまでに辛い思いをしたというのに、フレッドはそれでも領民さんたちのために帰ろうと考えていたんだ。
もう1人で辛い思いなんてさせない!
ずっと我慢してきたフレッドを今度はぼくが守るんだ!
「ぼくがずっとフレッドの傍にいるから。フレッドに辛い思いなんて絶対にさせないよ」
「……シュウ」
フレッドはポロッと大粒の涙を流しながら、ぼくをぎゅっと抱きしめて
「ありがとう、ありがとう」
と何度もお礼を言い続けた。
「視察旅行から帰ったらぼく、お父さんたちの絵を描き始めるよ。
お父さんたちへの想いを込めて一生懸命描く。フレッドも手伝ってくれる?」
「ああ。戦力にはならんかもしれんがな」
「ふふっ。一緒にいてくれたらいいんだよ」
ぼくの心はなんだかとても晴れやかで清々しい気持ちになっていた。
お父さんと離れるのは寂しいけれど、本当だったら会えるはずのない人と出会うことができて、一緒の時を過ごせただけでぼくは幸せなんだ。
その奇跡を与えてくれた神さまにこれ以上望むなんて我が儘以外の何物でもない。
だから、ぼくにできることを頑張ろう。
一生懸命描いて、お父さんにぼくが同じ時を過ごしていたことを忘れずにいてもらえるように……。
「クシュン」
「シュウ冷えたんじゃないか? 気づかなくて悪かった。そろそろ宿へ戻ろう」
気づけば、木漏れ日が差し込んでいた小川は夕日で赤く染まってきていた。
そういえば、お父さんたちは無事に『神の泉』に辿り着けただろうか。
お父さんの話を聞くのが楽しみだな。
そんなことを思っていると、フレッドはさっとジャケットを脱ぎぼくにかけてくれた。
「フレッドが寒くなっちゃうよ」
「いいんだ。シュウを抱いていれば温かいしな。ふふっ」
そう言われたら断る理由もない。
だって、本当に温かいんだもん。
「ありがとう」
フレッドに抱きかかえられながら岩を下りると、さっと騎士さんたちが近づいてきた。
今日はゆっくりしてもらえるといいなぁ……なんて思っていたのに結局長い間、警護してもらってなんだか申し訳ない気がする。
「長い時間お待たせしてごめんなさい」
一番近くにいた騎士さんに笑顔で声をかけると、
「そ、そんな……も、勿体のうございます」
と真っ赤な顔で焦ったようにそう返された。
もう一度声をかけようとすると、フレッドはさっとその人の前から離れ
「騎士たちはこんな短時間で疲れるほど柔な身体はしていない。シュウが心配などすることはないぞ」
と言われてしまった。
足早にその場から立ち去ろうとするフレッドの行動がなんだか面白くて、ぼくはフレッドに抱きかかえられたまま
『ふふっ』と笑ってしまった。
「どうした?」
「ううん、なんでもない。フレッドが可愛いなって思っただけ」
「そうか」
フレッドは微笑みながら、ぼくを馬車まで連れて行ってくれた。
宿に着くとブルーノさんが迎えてくれた。
前もって部屋の準備を整えてくれていたらしい。
一応お父さんたちが着いているかを聞いてみたけれど、やはりまだ着いていないみたい。
「シュウ、陛下とトーマ王妃がお戻りになるまでに食事を済ませておこうか」
フレッドの提案でぼくたちは部屋に食事を用意してもらって、久しぶりに2人だけでの食事を楽しんだ。
みんなでワイワイおしゃべりをしながら食べるのも楽しいけれど、侯爵家での食事はやっぱりどこか緊張しちゃうところがあって、フレッドと2人はほっとする。
食事とシャワーを済ませてもまだお父さんたちは宿に着くことはなかった。
逆をいえば、これだけ遅いのならきっと『神の泉』に辿り着けたんだろう。
きっと神さまとの時間を楽しんでいるんだ。
「シュウ、もしかしたら陛下たちはもう遅くなってあちらの宿で休んでいるかもしれないな。
シュウが疲れているなら、先に休んでおくか?」
「ううん。大丈夫。もう少しだけ待ってる。いい?」
「ああ。そうしよう」
今日フレッドが買ってくれた画帳を広げながら、2人で絵を描いて遊んでいると部屋の扉が叩かれた。
「アルフレッドさま、シュウさま。アンドリューさまとトーマさまが到着されました」
そう声をかけられ数分後、
「柊ちゃん、ただいまー!!」
すごく嬉しそうにお父さんが飛びついてきた。
その喜びに満ちた表情で『神の泉』が大成功だったのだと悟った。
お父さんと離れる前に無事に見届けることができて本当によかった。
これでなんの憂いもなく、元の時代に戻ることができる。
そのことを泣かずに話せるか心配だけど、きっとお父さんならわかってくれるよね。
「えっ……」
なに? と聞く余裕もなく、ぼくの唇は再びフレッドの唇に重なりあっていた。
顎に手を置かれ上向きにさせられたまま、今度はフレッドがぼくの下唇を柔らかく噛んでくる。
その感触の心地よさに思わず『ああ……っ』と声をあげたその隙を突いて、フレッドの肉厚な舌が入り込んできた。
ぼくの舌先に吸い付いたり、絡めたりしながらクチュクチュといやらしい音を立てて口内を動き回る。
「……んんっ、はぁ……ぅん……」
フレッドの激しい噛み付くようなキスが気持ちよくてたまらない。
ああ、やっぱりフレッドとのキス……好きだなぁ。
もっともっとして欲しい……。
フレッドの熱を感じさせて……。
そんな思いでぼくも自然とフレッドの舌に絡めていた。
「……ふぅ、んっ……んんっ」
けれど、あまりにも強く絡ませすぎて少し息苦しくなってしまったことをフレッドに気づかれてしまった。
名残惜しそうにゆっくりと唇を離されると、銀の糸がツーっと繋がったまま太陽の光を浴びキラキラと光っていた。
「キレイ……っ、あっ……」
ふとぼくから漏れた言葉に銀の糸が切れると、
「――っ! ああ、シュウはどこまで……!」
と怒ったようにぼくの唇にまた重ね合わせてきて、切れてぼくの顎についた銀の糸をぺろりと大きな舌で丁寧に舐めとった。
怒らせたのかと心配してフレッドを見上げると、
「これ以上、私を煽るな。我慢できなくなる」
と抱きしめられた。
その優しい抱き方に……なんだ、怒られたんじゃなかったのか……よかったと秘かにほっとした。
その瞬間、ぼくは大切なことを思い出した。
「あっ! フレッドの絵……」
どこに行ったんだろう?
もしかして水に落ちたり……?
あたりを見回そうとすると、
「シュウ、心配するな。ちゃんと私が持っている」
そう言って、フレッドは背中に手を回し、ズボンに差し込んだ画帳を取り出した。
「すごい!! フレッド、さすがだね!」
手放しで喜ぶとフレッドはどうだ! と言わんばかりの顔でぼくを見つめた。
その得意げな顔が可愛くて思わず『ふふっ』と笑ってしまった。
「さぁ、もう一度ゆっくり見せてくれ」
ぼくは画帳を広げて、先ほど描いたばかりのフレッドの絵を見せると、
「やっぱりシュウの絵は素晴らしいな……」
と感心したようにぼくの絵をじっくりと眺めていた。
『やはり間違いないな』
小声で何かを呟いたかと思うと、意を決した表情でぼくを見つめてからゆっくりと口を開いた。
「シュウ……大事な話があるんだ」
「えっ……大事な話?」
そのフレッドの真剣な表情に少し戸惑ってしまって、ぼくはゴクリと唾を飲み込んだ。
「シュウ……大丈夫か?」
何を言われるのか全然想像がつかないけれど、ぼくを心配してくれるその表情が優しいから、きっと大丈夫だ。
ぼくたちが離れるとか別れるとかなんていう話ではないはず。
ぼくは覚悟を決めて、フレッドを見つめた。
「うん。大丈夫。フレッドの話……聞かせて」
フレッドはふわりとした笑顔を見せ、『あっちに座ろうか』とさっきまで絵を描いていたときにフレッドが座っていた大きな岩にぼくを抱き抱えたまま胡座をかいて座った。
「おい、お前たち!」
フレッドが大きな声をあげると、4人の騎士さんたちが木々の中からさっと出てきた。
きっと他の人はさっきの人を連れて行ったのだろう。
ちょっと思ったけど、この4人の騎士さんたちにはさっきのフレッドとのキスは見られてたのかな……。
うわぁ、なんか恥ずかしい……。
ぼくは少し顔が赤くなったのを隠すようにフレッドの胸元に顔を押し当てた。
フレッドはぼくの行動に『んっ?』と不思議そうに見ていたけれど、すぐに騎士さんたちの方に目を向け
「シュウと大事な話をするから、少し離れていてくれ」
と声をかけた。
「はっ」
4人の騎士さんたちは今よりも少し離れた場所でぼくたちの警護を続けてくれるようだ。
そこなら、大声でも出さない限りぼくたちの会話は聞こえないはずだ。
「シュウ、大丈夫か? これから話すことはシュウにとってはもしかしたら辛い話になるかもしれない。
それでも、話さないといけないんだ。聞いてくれるか?」
「……うん。ちょっと怖いけど、大丈夫。……聞かせて、フレッド」
「ずっと考えていたんだ。私たちが元の時代へ戻る方法を……」
えっ……元の時代へ戻る方法……?
まさか、そんな話とは思わなかったけど……フレッドは何を知ってるんだろう?
ぼくはコクリと頷き、ドキドキしながらフレッドの言葉を待った。
「私たちがこの時代に来たのは、あの部屋のおふたりのあの絵に触れたからだと思う。
シュウもそれは気づいているだろう?
私たちがこの世界に来るきっかけになったあの肖像画は、実は……今はまだ描かれていない。
それで先日、陛下の元に絵師を決めて欲しいと文書が届いていたのを見かけてふと思ったのだ。
あの絵が完成した時に我々は元の時代に戻るんじゃないかとな」
なるほど。それは一理あるかも。
あの絵がぼくたちをこの世界に連れてくるための鍵だったとしたら、それに触れたらまた、元の時代に戻る鍵になるかもしれないってことだもんね。
「まぁ、それはあくまでも私の推測だ。それが本当かどうかはわからない。
ただな、本題はそこじゃないんだ。
私は、元の時代に戻る鍵は……シュウ自身だと思ってるんだ」
「えっ? ぼく?」
「ああ。そう思ったのは、あのシュウの絵を見たとき。ほら、馬車の絵を描いたときだよ」
「あの馬車の?」
今回の視察旅行のために馬車を改良するときにバーナードさんたちにわかりやすいようにと思って描いた、あのただの落書きのような絵。
あれとどういう関係があるんだろう?
「そうだ、私はシュウが描いたあの馬車の絵の画風や筆触が、あの部屋で見た肖像画のそれに似ていると感じたんだ。
私は絵画への造形に深くはない。しかし、ただの素人だからこそシュウの絵を見て感じるものがあったんだ。
あれはシュウの描いたものだったんじゃないかってそう感じたんだ」
「……あの肖像画をぼくが?」
まさか……。
でも、あの肖像画を見たとき、周りの王さまや王妃さまの肖像画と違って、絵の中の2人が優しい雰囲気を纏ってすごく幸せそうな表情をしているなとは思った。
あの2人が幸せそうに見えたのはぼくが2人を描いていたから?
ぼくに向けた表情だったってことなのかな?
「ああ。さっき、描いてもらった私の絵を見て確信した。あれは間違いなくシュウの絵だ」
そっか。フレッドはそれを確かめるためにぼくに絵を描かせたっていうことか……。
フレッドが言うことが正しいとしたら、ぼくは自分自身の手でこの時代から、お父さんたちから離れるものを作り上げるということだ。
じゃあお父さんと過ごせるのも、肖像画が完成するまでってこと……?
だからフレッドはぼくにとって辛い話かもって……そう言ったんだ。
お父さん……アンドリューさま……そしてブルーノさんたち。
離れるのはいやだ。
この数ヶ月、お父さんたちと過ごす日々が楽しくてこのままずっとここにいられたらって思ってた。
でも、いつかは戻らなきゃ! って考えている自分もいたんだ。
そう。覚悟していたはずなのに……どうしよう。
帰ることが現実味を帯びてきたら途端に怖くなってきた。
フレッドになんて言ったらいいのかわからない。
だって、ぼくが自分でお父さんたちから離れるためのものを作り上げる……。
そんなのって……辛すぎるよ。
「フレッド……ぼくがあれを描かなかったらずっとここにいられるの?」
「……シュウはそうしたいのか?」
「わからない。どうしたらいいのか、わからないんだ」
ぼくはフレッドの胸にしがみつきながら、頭の中でお父さんと過ごした日々を思い出していた。
「シュウ……悩ませてしまって悪い。でも、どうしても言わなければと思ってな……」
フレッドの声が震えている。
ぼくは自分のことばかり思っていたけど、フレッドの気持ちはどうなんだろう……。
「……フレッドはどう思ってるの?」
フレッドの胸元に押し付けていた顔をあげフレッドに尋ねた。
「えっ?」
「フレッドは元の時代に戻りたい?」
フレッドはここに来てすごく幸せそうだった。
あっちでは周りからの反応を気にして卑屈になっているところもあったけれど、ここでは素の自分を曝け出し自信にみなぎっているように見えた。
またあの時代に戻ることは一度この幸せな時を過ごした分、前よりもずっと辛く感じるのではないか……そう思ったんだ。
「……正直な気持ちを言うと、元の時代に戻るのは……怖い。またあの嫌悪に満ちたあの視線を受けるのかと思うと自分で自分が嫌になるんだ。だが、私が帰らなければサヴァンスタックの領民たちはどうなる? 歴史が変わってあの時代に私が存在しなければ、あの領地を開拓するものはいない。あそこは荒れ果てた土地のまま、誰も移住することなく、他所で困窮した日々を過ごするだろうかと思うと心が痛い。自分自身の幸せのために多くの領民たちのことを犠牲にしてもいいのだろうか……。私は公爵としての責務を捨てていいのだろうか……」
苦しそうに話すフレッドの表情が1人でずっと悩んできたんだろうと思わされる。
フレッドの葛藤が心に響く。
普通なら、他人の幸せより自分の幸せを願うことだろう。
でもフレッドは自分の幸せと引き換えに不幸になる人がいることを望んでいない。
ぼくはそんなフレッドを愛しいと思った。
フレッドのことをずっと隣で支えるって決めたじゃないか。
それなのに、ぼくはお父さんと離れたくない、このままずっとここにいたいって、自分の気持ちばかり突き通そうとして……。ぼくはなんて子どもなんだろう。
もっときちんと自分の未来に向き合わないといけないんだ。
ぼくはフレッドとずっと一緒にいたいから。
「フレッド……。ぼくは、お父さんやアンドリューさまと離れたくない」
ぼくはフレッドの目を見ながら、はっきりと言い切った。
これは紛れもないぼくの本心だ。
「じゃあ……」
「でも、ぼくはフレッドと頑張るって決めたから」
「えっ?」
「ぼく、お父さんたちの絵を描くよ。そして、戻ろう。ぼくたちの時代に……」
「だが……」
フレッドの顔が曇っていく。
きっと元の時代で侮蔑されていたことを思い出しているんだろう。
それほどまでに辛い思いをしたというのに、フレッドはそれでも領民さんたちのために帰ろうと考えていたんだ。
もう1人で辛い思いなんてさせない!
ずっと我慢してきたフレッドを今度はぼくが守るんだ!
「ぼくがずっとフレッドの傍にいるから。フレッドに辛い思いなんて絶対にさせないよ」
「……シュウ」
フレッドはポロッと大粒の涙を流しながら、ぼくをぎゅっと抱きしめて
「ありがとう、ありがとう」
と何度もお礼を言い続けた。
「視察旅行から帰ったらぼく、お父さんたちの絵を描き始めるよ。
お父さんたちへの想いを込めて一生懸命描く。フレッドも手伝ってくれる?」
「ああ。戦力にはならんかもしれんがな」
「ふふっ。一緒にいてくれたらいいんだよ」
ぼくの心はなんだかとても晴れやかで清々しい気持ちになっていた。
お父さんと離れるのは寂しいけれど、本当だったら会えるはずのない人と出会うことができて、一緒の時を過ごせただけでぼくは幸せなんだ。
その奇跡を与えてくれた神さまにこれ以上望むなんて我が儘以外の何物でもない。
だから、ぼくにできることを頑張ろう。
一生懸命描いて、お父さんにぼくが同じ時を過ごしていたことを忘れずにいてもらえるように……。
「クシュン」
「シュウ冷えたんじゃないか? 気づかなくて悪かった。そろそろ宿へ戻ろう」
気づけば、木漏れ日が差し込んでいた小川は夕日で赤く染まってきていた。
そういえば、お父さんたちは無事に『神の泉』に辿り着けただろうか。
お父さんの話を聞くのが楽しみだな。
そんなことを思っていると、フレッドはさっとジャケットを脱ぎぼくにかけてくれた。
「フレッドが寒くなっちゃうよ」
「いいんだ。シュウを抱いていれば温かいしな。ふふっ」
そう言われたら断る理由もない。
だって、本当に温かいんだもん。
「ありがとう」
フレッドに抱きかかえられながら岩を下りると、さっと騎士さんたちが近づいてきた。
今日はゆっくりしてもらえるといいなぁ……なんて思っていたのに結局長い間、警護してもらってなんだか申し訳ない気がする。
「長い時間お待たせしてごめんなさい」
一番近くにいた騎士さんに笑顔で声をかけると、
「そ、そんな……も、勿体のうございます」
と真っ赤な顔で焦ったようにそう返された。
もう一度声をかけようとすると、フレッドはさっとその人の前から離れ
「騎士たちはこんな短時間で疲れるほど柔な身体はしていない。シュウが心配などすることはないぞ」
と言われてしまった。
足早にその場から立ち去ろうとするフレッドの行動がなんだか面白くて、ぼくはフレッドに抱きかかえられたまま
『ふふっ』と笑ってしまった。
「どうした?」
「ううん、なんでもない。フレッドが可愛いなって思っただけ」
「そうか」
フレッドは微笑みながら、ぼくを馬車まで連れて行ってくれた。
宿に着くとブルーノさんが迎えてくれた。
前もって部屋の準備を整えてくれていたらしい。
一応お父さんたちが着いているかを聞いてみたけれど、やはりまだ着いていないみたい。
「シュウ、陛下とトーマ王妃がお戻りになるまでに食事を済ませておこうか」
フレッドの提案でぼくたちは部屋に食事を用意してもらって、久しぶりに2人だけでの食事を楽しんだ。
みんなでワイワイおしゃべりをしながら食べるのも楽しいけれど、侯爵家での食事はやっぱりどこか緊張しちゃうところがあって、フレッドと2人はほっとする。
食事とシャワーを済ませてもまだお父さんたちは宿に着くことはなかった。
逆をいえば、これだけ遅いのならきっと『神の泉』に辿り着けたんだろう。
きっと神さまとの時間を楽しんでいるんだ。
「シュウ、もしかしたら陛下たちはもう遅くなってあちらの宿で休んでいるかもしれないな。
シュウが疲れているなら、先に休んでおくか?」
「ううん。大丈夫。もう少しだけ待ってる。いい?」
「ああ。そうしよう」
今日フレッドが買ってくれた画帳を広げながら、2人で絵を描いて遊んでいると部屋の扉が叩かれた。
「アルフレッドさま、シュウさま。アンドリューさまとトーマさまが到着されました」
そう声をかけられ数分後、
「柊ちゃん、ただいまー!!」
すごく嬉しそうにお父さんが飛びついてきた。
その喜びに満ちた表情で『神の泉』が大成功だったのだと悟った。
お父さんと離れる前に無事に見届けることができて本当によかった。
これでなんの憂いもなく、元の時代に戻ることができる。
そのことを泣かずに話せるか心配だけど、きっとお父さんならわかってくれるよね。
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しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
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これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
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