ある教授夫夫の甘い思い出 〜右手がくれた奇跡シリーズ

波木真帆

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お茶会の準備

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<side皐月>

やっと、待ちに待っていた直くんに会える!
初めて絢斗に話を聞いてから長かったなぁ。

だから本当は、うちに泊まってもらおうかなと思っていた。
だって昼間の数時間じゃ、全然足りないから。

でも直くんは桜守の中等部の編入試験を受けることになっているらしく、その試験日が餃子パーティーの日からそんなに離れていない。

初めての場所で無理をさせて体調を崩してしまったら本来の実力が出せなくなるかもしれない。
直くん自身がそこまで体力があるわけではないからその日は半日だけにしておこう。
宗一郎さんにそう言われて納得した。

もちろん、試験が終わったらリベンジする予定だけど。

直くんが来てくれるのは、朝十時から夕食を食べて帰るまで。
間に必ずお昼寝の時間が必要だといっていたから、あれもこれもする時間はない。

だから、とりあえず一番やりたいことを優先させよう。

となればやりたいことはただ一つ。
その日は悠真くんと真琴くんもいるから直くんも付き合ってくれるだろう。

それは、もちろん可愛いお姫さまに変身させてのお茶会。

結婚式で敬介くんと周平くんのところの着物とドレスに可愛くお着替えしたのを聞いていたから絶対にやりたいと思っていた。

ということで宗一郎さんに相談してみた。

「ドレスでもなんでも好きなものを買うといい。私が皐月の願いを全て叶えよう」

「いいの?」

「もちろんだよ。磯山たちが我が家に来るまでに全ての準備を整えよう。浅香くんと周平くんにも連絡を早めに連絡したほうがいいな」

頼もしい宗一郎さんに促されて、私はすぐに敬介くんに連絡を入れた。

ーもしもし、鳴宮教授。どうかされましたか?

ー敬介くん。鳴宮教授、って誰?

ーあ、すみません。皐月先生。

卒業してからもずっと私のことを鳴宮教授と呼び続けてきた敬介くんだったけれど、周平くんとのお付き合いが始まったおかげで今まで以上にプライベートで親しく会うようになったから、いい加減教授と呼ぶのはやめてほしいとお願いした。
本当は悠真くんと同じく『皐月さん』でよかったんだけど、流石にそこまでフランクにはいえないということで、『皐月先生』呼びで落ち着いた。
気にしないで『皐月さん』と呼んでくれていいんだけど、やっぱりそこはいつまで経っても教え子という気持ちが強いから難しいのかもしれない。
真琴くんも卒業後も『皐月先生』と呼んでいるし、それはそれで可愛いからいいかなと思っている。

でも悠真くんは伊織の大事なパートナーだから私たちにとっても大事な息子。
流石に息子には『皐月さん』と呼んでもらっている。
悠真くんは教え子でもないからそこのところは抵抗が少なくて良かったのかもしれない。

ーふふ。いいよ。それで、早速だけど敬介くんと周平くんにちょっと相談したいことがあって……

私は今度絢斗たち家族が我が家に遊びにきてくれることになって、その時に絢斗たちの息子になった直くんを連れてきてもらえることになったこと、その子に可愛いドレスを着てもらいたいから、その服を周平くんのところで購入したいことをつげた。

ー直くんならサイズもわかっているのでうちにあるドレスの中から可愛いものを用意できますよ。周平さんも新作を出してくれると言ってますし、問題ないです。

ー敬介くんと周平くんも直くんとは貴船くんのところの結婚式で会ったんだったよね?

ーはい。あの時、ドレスを可愛く着こなしてくれていたので、あの子のサイズの服を周平さんのところで増やしていたところだったんです。

ーあの青山のところ?

ーはい。近々直くんの冬服を選びに来るって話してたので、早速作っていたんですよ。

ーさすが周平くん。用意がいいね。じゃあ、近いうちに宗一郎さんと一緒に買い物に行かせてもらうね。

ー日程が決まったらうちのホテルに全部揃えておきますよ。執事用の燕尾服も必要ですよね?

ー敬介くんもさすがだな。私がほしいものを先に考えてくれるんだから。

ー皐月先生の教え子ですから。

ーふふ、じゃあ、明後日午後はお休みだから宗一郎さんと銀座のイリゼホテルに向かうよ。その時は一緒にお茶でもしよう。

ーええ、皐月先生と志良堂教授とお会いできるのを楽しみにしてます。周平さんにも伝えておきますね。

可愛い教え子のおかげで楽しいパーティーになりそうだ。
ああ、もう! 待ち遠しくてたまらない!
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