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まさかの答え
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「お帰りなさい! 八尋さんが帰ってくるのはてっきり夜だとばっかり思ってました」
「そうなるかなって思ってたんだけど、ちょうどいいタイミングで早い飛行機が取れたものだから急いで帰ってきたんだ」
「そうだったんですね」
ああ、目の前に八尋さんがいる。
画面越しじゃなくて本物だ。
「八尋さん、平松くんは午後はお休みにしたので、一緒に帰っていいですよ」
「あ、でも名嘉村さん……本当にいいんですか?」
「上司命令って言ったでしょう? ほら、上司に逆らっちゃダメだよ。八尋さんも長旅で疲れているみたいだから、今日は平松くんがお世話してあげて」
「――っ、はい!」
そうだ。
俺はいつもお世話になりっぱなしだ。
八尋さんを見ると、確かに疲れの色が見える。
いろいろと大変だったんだろうな。
こんな時こそいつものお礼をしなくっちゃ!
「あ、荷物持つの手伝います」
「じゃあ、これをお願いしようかな」
「これ……」
軽いものけど、手伝いになってるんだろうか……。
「大事なものだから、持ってくれると助かるんだ」
「あ、はい」
そんなに大事なものか……。
壊さないようにしないとな。
「平松くん、八尋さん。気をつけて」
「はい。お疲れさまでした」
笑顔で見送ってくれる名嘉村さんに頭を下げて、八尋さんと一緒に八尋さんの家まで歩いて行く。
「あの、どうして会社に来てくれたんですか?」
「お昼休みかなと思ったんだ。帰ってきたよって伝えたくて会いに行ったんだけど、名嘉村くんが気を利かせてくれたみたいだな」
「えっ?」
「それより、お昼はまだだよね?」
「はい。社食に行こうかと思ってて……」
「それならよかった。すぐにご飯を作るから一緒に食べよう」
「えっ、でも帰ってきたばかりでお疲れじゃ……」
「大丈夫。ずっと向こうで料理してなかったから、作りたくて仕方がないんだ」
料理人さんってそういうものなのかな。
でも、俺もずっと八尋さんの料理が食べたかった。
作り置きもすごく美味しかったし、名嘉村さんや砂川さんの家でご馳走になったものもものすごく美味しかったし、満足していたけれど、八尋さんの作ってくれたものを八尋さんと一緒に食べたかったんだ。
「俺も、八尋さんの料理が食べたかったです……」
「それは嬉しいな。腕を振るうからいっぱい食べて」
八尋さんの笑顔にドキドキが止まらない。
八尋さんのいない間に八尋さんへの想いが増えすぎて、抑えきれなくなってしまっているのかもしれない。
こんなの八尋さんにバレたら大変なのに……。
今、自分が置かれている状況だけで満足しなくっちゃ!
話をしている間にあっという間にお店の裏側にやってきた。
そこから八尋さんの自宅に上がると、
「締め切ってて空気がこもってるから換気してくるよ。平松くんはその荷物をテーブルに置いてソファーで休んでいて」
と声をかけられた。
換気なら俺が手伝うと言いたかったけれど、流石に勝手に部屋の中を動き回れないしな。
名嘉村さんには、八尋さんのお世話してあげてと言われてきたけれど、今のところ何の手伝いもできていない気がする。
何か俺にできることはないかな……と考えている間に、八尋さんが換気を終えて戻ってきてしまった。
そのまま流れるような動きでキッチンに向かい、お米を研ぎ始める。
俺は何をしたらいいだろう……?
「八尋さん、俺も何か手伝います」
「ああ、じゃあ一つ頼んでもいいかな? そこに置いてるスーツケースの中を開けて、茶色のファスナー付きのバッグを取り出して欲しいんだ」
「えっ、俺が開けていいんですか?」
「ああ、平松くんなら構わないよ」
そう言われてドキッとするけど、きっと男同士だからってことなんだろう。
過剰に反応しちゃダメだ!
「そのバッグに洗濯物が入っているから、洗濯機に入れてきて欲しいんだよ。汚れ物を触らせて申し訳ないんだけど」
「あ、いえ。そんな大丈夫です」
八尋さんの洗濯物なら汚いなんて全然思わないし。
「ありがとう。スーツケースの番号は××××だから」
そういうと、八尋さんは料理に戻ってしまった。
ドキドキしながら教えてもらった暗証番号を入れると、カチッと音がしてスーツケースが開いた。
すみません、開けまーす
心の中で声をかけながらスーツケースに傷をつけないように丁寧に開けると、綺麗にまとめられた荷物の左上に茶色の大きめのファスナーバッグが置かれているのが見えた。
これだな。
スーツケースから取り出し、それを脱衣所に持っていく。
これってこのまま洗うんだろうか?
それともこのバッグから取り出す?
わざわざ聞きに行くのも申し訳なくて、そっとファスナーを開けてみた。
その瞬間、ふわっといつも感じるあの匂いがして、まるで八尋さんがそばにいるような感覚がした。
これって……。
もしかして……八尋さん自身の匂い、ってこと?
「そうなるかなって思ってたんだけど、ちょうどいいタイミングで早い飛行機が取れたものだから急いで帰ってきたんだ」
「そうだったんですね」
ああ、目の前に八尋さんがいる。
画面越しじゃなくて本物だ。
「八尋さん、平松くんは午後はお休みにしたので、一緒に帰っていいですよ」
「あ、でも名嘉村さん……本当にいいんですか?」
「上司命令って言ったでしょう? ほら、上司に逆らっちゃダメだよ。八尋さんも長旅で疲れているみたいだから、今日は平松くんがお世話してあげて」
「――っ、はい!」
そうだ。
俺はいつもお世話になりっぱなしだ。
八尋さんを見ると、確かに疲れの色が見える。
いろいろと大変だったんだろうな。
こんな時こそいつものお礼をしなくっちゃ!
「あ、荷物持つの手伝います」
「じゃあ、これをお願いしようかな」
「これ……」
軽いものけど、手伝いになってるんだろうか……。
「大事なものだから、持ってくれると助かるんだ」
「あ、はい」
そんなに大事なものか……。
壊さないようにしないとな。
「平松くん、八尋さん。気をつけて」
「はい。お疲れさまでした」
笑顔で見送ってくれる名嘉村さんに頭を下げて、八尋さんと一緒に八尋さんの家まで歩いて行く。
「あの、どうして会社に来てくれたんですか?」
「お昼休みかなと思ったんだ。帰ってきたよって伝えたくて会いに行ったんだけど、名嘉村くんが気を利かせてくれたみたいだな」
「えっ?」
「それより、お昼はまだだよね?」
「はい。社食に行こうかと思ってて……」
「それならよかった。すぐにご飯を作るから一緒に食べよう」
「えっ、でも帰ってきたばかりでお疲れじゃ……」
「大丈夫。ずっと向こうで料理してなかったから、作りたくて仕方がないんだ」
料理人さんってそういうものなのかな。
でも、俺もずっと八尋さんの料理が食べたかった。
作り置きもすごく美味しかったし、名嘉村さんや砂川さんの家でご馳走になったものもものすごく美味しかったし、満足していたけれど、八尋さんの作ってくれたものを八尋さんと一緒に食べたかったんだ。
「俺も、八尋さんの料理が食べたかったです……」
「それは嬉しいな。腕を振るうからいっぱい食べて」
八尋さんの笑顔にドキドキが止まらない。
八尋さんのいない間に八尋さんへの想いが増えすぎて、抑えきれなくなってしまっているのかもしれない。
こんなの八尋さんにバレたら大変なのに……。
今、自分が置かれている状況だけで満足しなくっちゃ!
話をしている間にあっという間にお店の裏側にやってきた。
そこから八尋さんの自宅に上がると、
「締め切ってて空気がこもってるから換気してくるよ。平松くんはその荷物をテーブルに置いてソファーで休んでいて」
と声をかけられた。
換気なら俺が手伝うと言いたかったけれど、流石に勝手に部屋の中を動き回れないしな。
名嘉村さんには、八尋さんのお世話してあげてと言われてきたけれど、今のところ何の手伝いもできていない気がする。
何か俺にできることはないかな……と考えている間に、八尋さんが換気を終えて戻ってきてしまった。
そのまま流れるような動きでキッチンに向かい、お米を研ぎ始める。
俺は何をしたらいいだろう……?
「八尋さん、俺も何か手伝います」
「ああ、じゃあ一つ頼んでもいいかな? そこに置いてるスーツケースの中を開けて、茶色のファスナー付きのバッグを取り出して欲しいんだ」
「えっ、俺が開けていいんですか?」
「ああ、平松くんなら構わないよ」
そう言われてドキッとするけど、きっと男同士だからってことなんだろう。
過剰に反応しちゃダメだ!
「そのバッグに洗濯物が入っているから、洗濯機に入れてきて欲しいんだよ。汚れ物を触らせて申し訳ないんだけど」
「あ、いえ。そんな大丈夫です」
八尋さんの洗濯物なら汚いなんて全然思わないし。
「ありがとう。スーツケースの番号は××××だから」
そういうと、八尋さんは料理に戻ってしまった。
ドキドキしながら教えてもらった暗証番号を入れると、カチッと音がしてスーツケースが開いた。
すみません、開けまーす
心の中で声をかけながらスーツケースに傷をつけないように丁寧に開けると、綺麗にまとめられた荷物の左上に茶色の大きめのファスナーバッグが置かれているのが見えた。
これだな。
スーツケースから取り出し、それを脱衣所に持っていく。
これってこのまま洗うんだろうか?
それともこのバッグから取り出す?
わざわざ聞きに行くのも申し訳なくて、そっとファスナーを開けてみた。
その瞬間、ふわっといつも感じるあの匂いがして、まるで八尋さんがそばにいるような感覚がした。
これって……。
もしかして……八尋さん自身の匂い、ってこと?
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