62 / 114
初めての感覚※
しおりを挟む
あんな紳士的な八尋さんも興奮して反応するんだろうか……。
今は恋人いないって言っていたし一人でしたり……?
そんな下世話なことまで考えてしまう。
そういえばあれって、いつまでヤるんだろうな。
人に聞いたこともないし、何が正しいのかもわからないけれど俺はほとんどしない。
高校生の時、クラスの別グループにいた男子が週に三回はヌいてるって大声で話してて、周りの女子にドン引きされていたのを見たことがある。
もしかしたら大袈裟に言っていたのかもしれないけれど、周りにいた奴らも俺たちの年ならそれくらい当たり前だろって話していたから、本当なのかもしれない。
俺も全くしないわけでなかったけれど、なんとなく溜まったかなと感じた時に面倒だけど出してたって感じで、それが月に一度あったかどうかくらい。
両親が亡くなってからは、生きるのに必死でそんなことに時間を割いている暇もなくて、ほとんどしていなかったと思う。
住み込みで働くようになってからは、薄い壁越しに何か聞かれるのも嫌だったし、周りの声も聞くのも嫌だったから、いつも布団かぶって寝ていた。
あの会社に勤めるようになって、ようやく一人暮らしも始めたけれど毎日限界まで疲れ果てててそんな気力もなかった。
考えてみたらここ数年意識的にそんなことをした記憶がない。
それくらい性に対して無欲だったのに、八尋さんのソレを考えるだけで反応してしまっている俺って、そういうこともひっくるめて八尋さんのことが好きだってことなんだな。
もしかしたら、人として好きなだけでキスしたいとが抱かれたいとかは別物なのかも……とか思ったりもしてた。
でも現にこうして自分の身体が反応しているんだ。
信じないわけにはいかない。
――平松くん、いけない子だな。こんなに大きくして……
ほんのり首を擡げたソレを握りながら、目を瞑ると妄想の八尋さんが俺の耳元で甘く囁いてくる。
それだけで俺のささやかなソレは一気に昂りを増した。
こうなったら自分でも手の動きを止めることもできなくて、妄想の八尋さんを思い浮かべながら刺激を与え続けると、あまりの気持ちよさにあっという間に精を飛ばした。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
いつもの処理とは全然違う。
精を出すって、こんなに気持ちいいものだったんだ。
初めて知ったな。
今までのものをあまり覚えていないけれど、今出たものはかなり濃くて粘り気も強い気がする。
久しぶりだからなのかはわからないけれど、八尋さんを思い浮かべて出したのが気持ちよかったということだけはわかる。
俺の妄想の中で八尋さんを勝手に登場させてしまったことに罪悪感はあったけれど、絶対に報われることのない恋なのだからそれくらいは許してもらおう。
そう思いながら、綺麗に身体を洗い流し、湯船に浸かった。
身体がスッキリしているのは、ずっと溜まっていた欲を出したからかな。
気持ちいい疲れにそのまま眠ってしまいそうだ。
危ない、このままじゃ溺れてしまう。
必死に起きようとする自分と、このまま眠ってしまいたい自分が戦いを始める。
ああ、やばいな……。
そう思いつつも、瞼が閉じる。
だめだ、だめだ。
必死に抗おうとする俺の耳に、微かに音が聞こえてきた。
あっ!! これっ!!
スマホが鳴ってる!!
それに気づいた途端、一気に眠気がとんで行った気がした。
急いで湯船から飛び出して、脱衣所に足を踏み入れると棚の上でスマホが鳴っているのが聞こえる。
画面を覗くと八尋さんの名前が見える。
すぐにでも取りたいけれど、ここでスマホを取ろうとしたらこの前の二の舞になってしまう。
またビデオ通話にでもなったら目も当てられない。
八尋さん、待たせてごめんなさい。
心の中で謝りつつ、急いでバスタオルを広げ身体を乱雑に拭きまくった。
ある程度拭き終えて、下着と部屋着に着替えやっとスマホを手に取った。
急いだけれどやっぱりというか、当然というか、電話は切れてしまっていた。
せっかくかけてきてくれたのに申し訳ない。
しかもわざわざビデオ通話でかけてきてくれていたのに。
今からでも間に合うだろうか。
とりあえず一度かけてみて撮らなかったら今度は普通の電話でかけてみようと思い、冷蔵庫から水のペットボトルを一本とってソファーに腰をかけた。
「ふぅ……っ」
深呼吸をして気持ちを整えてからスマホを持ち上げた途端、突然スマホがなり始めて、慌てて画面をタップすると。
ー平松くん、大丈夫?
と俺を心配する八尋さんの声が聞こえた。
ーすみません、お風呂に入ってて。電話は聞こえてたんですけど、着替えている間に切れちゃって……。
慌てて伝えるとホッとしたように画面の八尋さんが笑ったのが見えた。
ーそうか、ごめんね。急がせてしまったんだね。安慶名さんと話したらもうとっくに帰ったと聞いたものだから電話したんだ。それで取らなかったからちょっと心配になって。
ーあ、いえ。すごく助かりました。湯船の中で眠りかけてたら八尋さんの電話の音が聞こえたんで目を覚ましたんです。もし電話がなかったらあのまま寝ちゃってたかも。
ーえっ、それは危ないな。これからはお風呂に入る前に電話でもメッセージでもいいから入れておいて。ある程度の時間になったら連絡入れるから。ねっ。
ーは、はい。わかりました。
あまりにも八尋さんが心配してくれるものだから、ついその勢いに押されるようにわかったと言ってしまっていた。
今は恋人いないって言っていたし一人でしたり……?
そんな下世話なことまで考えてしまう。
そういえばあれって、いつまでヤるんだろうな。
人に聞いたこともないし、何が正しいのかもわからないけれど俺はほとんどしない。
高校生の時、クラスの別グループにいた男子が週に三回はヌいてるって大声で話してて、周りの女子にドン引きされていたのを見たことがある。
もしかしたら大袈裟に言っていたのかもしれないけれど、周りにいた奴らも俺たちの年ならそれくらい当たり前だろって話していたから、本当なのかもしれない。
俺も全くしないわけでなかったけれど、なんとなく溜まったかなと感じた時に面倒だけど出してたって感じで、それが月に一度あったかどうかくらい。
両親が亡くなってからは、生きるのに必死でそんなことに時間を割いている暇もなくて、ほとんどしていなかったと思う。
住み込みで働くようになってからは、薄い壁越しに何か聞かれるのも嫌だったし、周りの声も聞くのも嫌だったから、いつも布団かぶって寝ていた。
あの会社に勤めるようになって、ようやく一人暮らしも始めたけれど毎日限界まで疲れ果てててそんな気力もなかった。
考えてみたらここ数年意識的にそんなことをした記憶がない。
それくらい性に対して無欲だったのに、八尋さんのソレを考えるだけで反応してしまっている俺って、そういうこともひっくるめて八尋さんのことが好きだってことなんだな。
もしかしたら、人として好きなだけでキスしたいとが抱かれたいとかは別物なのかも……とか思ったりもしてた。
でも現にこうして自分の身体が反応しているんだ。
信じないわけにはいかない。
――平松くん、いけない子だな。こんなに大きくして……
ほんのり首を擡げたソレを握りながら、目を瞑ると妄想の八尋さんが俺の耳元で甘く囁いてくる。
それだけで俺のささやかなソレは一気に昂りを増した。
こうなったら自分でも手の動きを止めることもできなくて、妄想の八尋さんを思い浮かべながら刺激を与え続けると、あまりの気持ちよさにあっという間に精を飛ばした。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」
いつもの処理とは全然違う。
精を出すって、こんなに気持ちいいものだったんだ。
初めて知ったな。
今までのものをあまり覚えていないけれど、今出たものはかなり濃くて粘り気も強い気がする。
久しぶりだからなのかはわからないけれど、八尋さんを思い浮かべて出したのが気持ちよかったということだけはわかる。
俺の妄想の中で八尋さんを勝手に登場させてしまったことに罪悪感はあったけれど、絶対に報われることのない恋なのだからそれくらいは許してもらおう。
そう思いながら、綺麗に身体を洗い流し、湯船に浸かった。
身体がスッキリしているのは、ずっと溜まっていた欲を出したからかな。
気持ちいい疲れにそのまま眠ってしまいそうだ。
危ない、このままじゃ溺れてしまう。
必死に起きようとする自分と、このまま眠ってしまいたい自分が戦いを始める。
ああ、やばいな……。
そう思いつつも、瞼が閉じる。
だめだ、だめだ。
必死に抗おうとする俺の耳に、微かに音が聞こえてきた。
あっ!! これっ!!
スマホが鳴ってる!!
それに気づいた途端、一気に眠気がとんで行った気がした。
急いで湯船から飛び出して、脱衣所に足を踏み入れると棚の上でスマホが鳴っているのが聞こえる。
画面を覗くと八尋さんの名前が見える。
すぐにでも取りたいけれど、ここでスマホを取ろうとしたらこの前の二の舞になってしまう。
またビデオ通話にでもなったら目も当てられない。
八尋さん、待たせてごめんなさい。
心の中で謝りつつ、急いでバスタオルを広げ身体を乱雑に拭きまくった。
ある程度拭き終えて、下着と部屋着に着替えやっとスマホを手に取った。
急いだけれどやっぱりというか、当然というか、電話は切れてしまっていた。
せっかくかけてきてくれたのに申し訳ない。
しかもわざわざビデオ通話でかけてきてくれていたのに。
今からでも間に合うだろうか。
とりあえず一度かけてみて撮らなかったら今度は普通の電話でかけてみようと思い、冷蔵庫から水のペットボトルを一本とってソファーに腰をかけた。
「ふぅ……っ」
深呼吸をして気持ちを整えてからスマホを持ち上げた途端、突然スマホがなり始めて、慌てて画面をタップすると。
ー平松くん、大丈夫?
と俺を心配する八尋さんの声が聞こえた。
ーすみません、お風呂に入ってて。電話は聞こえてたんですけど、着替えている間に切れちゃって……。
慌てて伝えるとホッとしたように画面の八尋さんが笑ったのが見えた。
ーそうか、ごめんね。急がせてしまったんだね。安慶名さんと話したらもうとっくに帰ったと聞いたものだから電話したんだ。それで取らなかったからちょっと心配になって。
ーあ、いえ。すごく助かりました。湯船の中で眠りかけてたら八尋さんの電話の音が聞こえたんで目を覚ましたんです。もし電話がなかったらあのまま寝ちゃってたかも。
ーえっ、それは危ないな。これからはお風呂に入る前に電話でもメッセージでもいいから入れておいて。ある程度の時間になったら連絡入れるから。ねっ。
ーは、はい。わかりました。
あまりにも八尋さんが心配してくれるものだから、ついその勢いに押されるようにわかったと言ってしまっていた。
192
お気に入りに追加
1,221
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
異世界に召喚されて失明したけど幸せです。
るて
BL
僕はシノ。
なんでか異世界に召喚されたみたいです!
でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう
あ、失明したらしいっす
うん。まー、別にいーや。
なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい!
あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘)
目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる