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第三章
幸せな目覚め
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「ルーディーとアズールのことだから、ロルフとルルがミルクを必要としなくなったら、すぐに次の子どもを妊娠すると思うの。ウサギ族にとっても妊娠はあまり間を空けない方がいいと言われているから、遅くてもロルフとルルが三歳になる頃までに次の子が生まれるはずだわ。次の子がルーディーと同じ、『神の御意志』なら、神託通りにその子が次期国王になるから、ロルフはあなたたちの養子として迎えるように話をしましょう。もし、『神の御意志』が生まれなかったら、その時はルーディーやアズール、それに陛下も一緒に話をしましょう。その時には、ティオと子どもたちとの相性も大切になってくるから、もし、ティオがロルフにしか愛情を感じられない時には、ロルフを養子として迎えられるように私が話をするわ。それまではロルフとルルにとって、あなたたちは第二の親という形でいましょう。それでどうかしら?」
狼獣人とウサギ族だからといって必ず『神の御意志』が生まれるわけではない。
ただ他よりは可能性が高いというだけ。
それでも私は、あの二人には『神の御意志』が生まれる……そんな気がする。
なんていったってアズールは神に愛されて『あお』という子の記憶を持ったまま、この世界に誕生したのだから。
「そうですね。母上の仰る通りにします。ロルフのためにも早いうちに両親が決まったほうがいいかと焦っていましたが、両親という形に拘らずとも、ロルフとルルに寄り添って世話をすることはできますからね。ロルフがもし、私たちの元に来てくれることになっても混乱することがないように愛情をかけておくだけで十分ですね。ティオもそう思うだろう?」
「はい。今はこうしてロルフくんとの時間を大切に過ごすことが大事ですね」
「ええ。そうよ。ほら、みてごらんなさい。ロルフのこの安心しきった顔。ティオのことを信頼している証拠だわ。猫族だからとか種族を心配することはないのかもしれないわね」
そういうと、ティオはホッとしたように頷いた。
「じゃあ、そろそろロルフをアズールの元に連れて行くわ。朝のミルクを飲ませないとね」
ティオからロルフを受け取ると、目を覚ましたロルフが
「ふぇ……っ、ふぇ……っ」
とすぐに気づいて泣き声を上げる。
本当にこの二人には親子の情のようなものが芽生えているのかもしれないわね。
トントンと背中を優しく叩きあやしながらクレイたちの部屋を出て、私はルーディーたちの部屋に向かった。
<sideルーディー>
アズールの狼姿に興奮して、久しぶりにアズールの中にたっぷりと蜜を注ぎ込んだ。
ずっとアズールに舐めてもらってそれだけでも十分気持ちがいいと思っていたが、やはりアズールの身体の奥に注ぐのは格別だ。
アズールと初夜を迎えてからアズールの妊娠がわかるまで、一日たりとも愛し合わなかった日がなかったから、この半年以上の日々は自分との戦いだった。
ある意味、アズールとの初夜を迎える18年よりも我慢を強いられる日々だったといえよう。
なんせ、アズールの最奥に蜜を注ぐ快感を知ってしまっているのだから。
何も知らない時ならば我慢できたことも、知ってしまった後は抑えつけるのはかなり苦しかった。
それでも今日のこの日を迎えるまで我慢できたのは、愛しいアズールと子どもたちのことが心配だったからだ。
だから、主治医であるアントンから許可が出て、アズールと愛し合うことができたのは本当に幸せなことだった。
ただでさえそんな状況なのに、アズールが狼の姿になって可愛らしく私を誘ってくれたのだから、あの姿を目にした時に私の理性はどこかに飛んでいってしまった。
ずっと飲んでみたかったロルフとルルのためのミルクをたっぷりと味わい、アズールの最奥に蜜を注いだが、たった一度蜜を注ぐだけで満足できなかったのは、私だけではなかったということも私の興奮に拍車をかけた。
アズールから、中にいてというおねだりに応えるように、それからも何度も何度も蜜を注いだ。
いつの間にかアズールは私の下で意識を失ってしまっていたが体を清め、抱きしめると幸せそうに私の名を呼んだ。
ああ、アズール。
私は最高に幸せだ。
アズールとの濃厚な一夜を過ごして、幸せな目覚めを迎える。
夜中までアズールをたっぷりと味わっていたのに、こんなにも目覚めがいいのはおそらくアズールのミルクを飲んだからだろう。
半年以上ご無沙汰で干からびていた私の身体の隅々に、アズールのミルクが行き渡り、艶やかな肌を取り戻してくれた。
ミルクを飲んだ時に感じた、身体中に力が漲る感覚は勘違いではなかったということだな。
アズールの体調を整えるのに私の蜜が必要なように、私の身体にもアズールの蜜やミルクが必要だということなのだろう。
これからはロルフとルルが飲んだ後でもいい。
私にもミルクを飲ませてもらうことにしよう。
それか、アズールの蜜を毎日飲ませてもらうか。
ああ、それがアズールにとっても幸せなことかもしれないな。
そんなことを考えながら、幸せそうに眠るアズールの寝顔を堪能していると、扉の向こうに義母上の気配を感じた。
狼獣人とウサギ族だからといって必ず『神の御意志』が生まれるわけではない。
ただ他よりは可能性が高いというだけ。
それでも私は、あの二人には『神の御意志』が生まれる……そんな気がする。
なんていったってアズールは神に愛されて『あお』という子の記憶を持ったまま、この世界に誕生したのだから。
「そうですね。母上の仰る通りにします。ロルフのためにも早いうちに両親が決まったほうがいいかと焦っていましたが、両親という形に拘らずとも、ロルフとルルに寄り添って世話をすることはできますからね。ロルフがもし、私たちの元に来てくれることになっても混乱することがないように愛情をかけておくだけで十分ですね。ティオもそう思うだろう?」
「はい。今はこうしてロルフくんとの時間を大切に過ごすことが大事ですね」
「ええ。そうよ。ほら、みてごらんなさい。ロルフのこの安心しきった顔。ティオのことを信頼している証拠だわ。猫族だからとか種族を心配することはないのかもしれないわね」
そういうと、ティオはホッとしたように頷いた。
「じゃあ、そろそろロルフをアズールの元に連れて行くわ。朝のミルクを飲ませないとね」
ティオからロルフを受け取ると、目を覚ましたロルフが
「ふぇ……っ、ふぇ……っ」
とすぐに気づいて泣き声を上げる。
本当にこの二人には親子の情のようなものが芽生えているのかもしれないわね。
トントンと背中を優しく叩きあやしながらクレイたちの部屋を出て、私はルーディーたちの部屋に向かった。
<sideルーディー>
アズールの狼姿に興奮して、久しぶりにアズールの中にたっぷりと蜜を注ぎ込んだ。
ずっとアズールに舐めてもらってそれだけでも十分気持ちがいいと思っていたが、やはりアズールの身体の奥に注ぐのは格別だ。
アズールと初夜を迎えてからアズールの妊娠がわかるまで、一日たりとも愛し合わなかった日がなかったから、この半年以上の日々は自分との戦いだった。
ある意味、アズールとの初夜を迎える18年よりも我慢を強いられる日々だったといえよう。
なんせ、アズールの最奥に蜜を注ぐ快感を知ってしまっているのだから。
何も知らない時ならば我慢できたことも、知ってしまった後は抑えつけるのはかなり苦しかった。
それでも今日のこの日を迎えるまで我慢できたのは、愛しいアズールと子どもたちのことが心配だったからだ。
だから、主治医であるアントンから許可が出て、アズールと愛し合うことができたのは本当に幸せなことだった。
ただでさえそんな状況なのに、アズールが狼の姿になって可愛らしく私を誘ってくれたのだから、あの姿を目にした時に私の理性はどこかに飛んでいってしまった。
ずっと飲んでみたかったロルフとルルのためのミルクをたっぷりと味わい、アズールの最奥に蜜を注いだが、たった一度蜜を注ぐだけで満足できなかったのは、私だけではなかったということも私の興奮に拍車をかけた。
アズールから、中にいてというおねだりに応えるように、それからも何度も何度も蜜を注いだ。
いつの間にかアズールは私の下で意識を失ってしまっていたが体を清め、抱きしめると幸せそうに私の名を呼んだ。
ああ、アズール。
私は最高に幸せだ。
アズールとの濃厚な一夜を過ごして、幸せな目覚めを迎える。
夜中までアズールをたっぷりと味わっていたのに、こんなにも目覚めがいいのはおそらくアズールのミルクを飲んだからだろう。
半年以上ご無沙汰で干からびていた私の身体の隅々に、アズールのミルクが行き渡り、艶やかな肌を取り戻してくれた。
ミルクを飲んだ時に感じた、身体中に力が漲る感覚は勘違いではなかったということだな。
アズールの体調を整えるのに私の蜜が必要なように、私の身体にもアズールの蜜やミルクが必要だということなのだろう。
これからはロルフとルルが飲んだ後でもいい。
私にもミルクを飲ませてもらうことにしよう。
それか、アズールの蜜を毎日飲ませてもらうか。
ああ、それがアズールにとっても幸せなことかもしれないな。
そんなことを考えながら、幸せそうに眠るアズールの寝顔を堪能していると、扉の向こうに義母上の気配を感じた。
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