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第三章
赤ちゃんたちの名前
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<sideアズール>
お腹を切られてるって感触は何もなかった。
でも赤ちゃんがお腹から出てくる感覚だけはよくわかった。
あっ……
そう思った時、赤ちゃんの大きな泣き声が聞こえた。
そして、続けて二人目の声も聞こえて……今まで動き回っていたお腹が一気に軽くなった。
赤ちゃんたち、本当に僕のお腹にいたんだ。
ずっとわかっていたはずだったけど、改めて感じた。
そして、ルーが僕の目の前に連れてきてくれた赤ちゃんはルーにそっくりの黒耳のかっこいい男の子と、僕と同じ真っ白な耳の可愛い女の子。
ああ、この子達が僕とルーの可愛い赤ちゃん。
無事に生まれてきてくれてありがとう。
ドキドキしながら指を差し出すとチュッと吸い付いてくれて可愛くて可愛くてたまらなかった。
ルーが赤ちゃんたちをお母さまたちのところに連れて行っている間に、
「アズールさま。お腹の縫合をいたしますので天井を見ていてくださいね」
とアントン先生から声をかけられる。
でも何かされている感覚もないままに、
「はい。終わりましたよ」
と教えてくれた。
麻酔のおかげかな。
何も痛くない。
同じなのは、身体がすごく疲れていることだけ。
「アズールさま、身体の調子はいかがですか?」
「ちょっと疲れているみたい」
「そうですね。少し出血量が多かったので、そのせいでしょう。でも大丈夫ですよ。すぐに治りますからね」
アントン先生が自信満々に言ってくれるから大丈夫だろうと思っていたら、赤ちゃんを預けてきたルーが帰ってきて蜜を飲ませてくれることになった。
ああ、アントン先生はこのことを言ってくれていたんだなって、わかった。
身体中が怠くて動くのもやっとだったけど、ルーのおっきなのを咥えて、蜜を飲ませてもらったら、ごくっと一口飲み込むたびに身体が軽くなっていくのを感じた。
たっぷりの甘い蜜を飲んだら、急に胸がゾワっとした。
なんだろうと思ったら、僕の胸からミルクが出ている。
ルーは僕の胸を見るなりすぐに赤ちゃんたちのところへ走って行ってしまった。
その間もじわっと溢れてくるミルクが気になって、指で掬って口に入れてみる。
わっ! 甘い!
ルーの蜜とはまた違う甘さかも。
僕はルーの蜜の方が好きだけど、でもこれも美味しい。
これなら赤ちゃんたちも飲んでくれるかな?
そう思っていると、ルーが赤ちゃんたちだけでなくお母さまを一緒に連れてきてくれた。
「アズール。お疲れ様だったわね。可愛い赤ちゃんたちをありがとう」
そして、僕が生まれてきた時に見た、あの時のお母さまと同じ優しい笑顔でそう言ってくれたんだ。
――まぁまぁ、なんて可愛いのかしら。可愛い私の息子。生まれてきてくれてありがとう。愛しているわ。
僕が生まれた時、そう言ってキスしてくれたのを今でも覚えてる。
お母さまはあの時のままずっと変わらずに僕を愛してくれているんだ。
「まだ身体が辛いだろうけど、今からアズールに大事な役目があるからね」
そう言われてミルクのことを思い出す。
あの甘いミルクを飲んでもらわなきゃ!
でもどうやって飲ませたらいいんだろう?
身体は軽くなったけど二人の赤ちゃんを抱っこするのはまだ難しいかも……なんて思っていたら、ルーが赤ちゃんを抱っこして、赤ちゃんたちがミルクを飲むのを支えてくれる。
そのおかげで僕は横たわっているだけでよかったんだ。
「んく、んくっ」
美味しそうに飲んでくれるのを間近で見て、もう可愛くてたまらない。
勢いよく飲んでいたのが少しずつゆっくりになって、最後には赤ちゃんの方から口を離した。
その満足そうな顔にホッとする。
よかった、たっぷり飲めたんだ。
ルーが眠ってしまった赤ちゃんたちを赤ちゃん用のベッドに寝かして、僕の隣に添い寝してくれる。
親としての初仕事を終えた後は、次は名前だ。
王族ならではの名前とか、決まりとかあるのかなって思ったら特にないみたい。
それでふと気になって<アズール>の名前の意味を聞いてみた。
「アズールは、青色。特に澄み切った青空のことを言うんだ。確か、アズールが生まれた日はとても天気が良くて綺麗な空だったからな。それからつけられたのかもしれないな」
まさかそんな意味があったなんて……。
あまりの偶然に涙が溢れてしまう。
「アズール、どうしたんだ?」
「あの、ね……びっくり、したの。ルー、蒼央のこと、覚えてる?」
「ああ、もちろんだとも。アズールから話を聞いて忘れたことは一度もないよ」
「あの名前も、青色っていう意味なんだよ。澄み切った青空よりはもっと深い色だけど、同じ意味だっていうのはすごい偶然だね」
「いや、きっと神がそうしたんだ。同じ名前で今度は幸せになるようにって。だから、アズールは幸せになれただろう?」
「ルー……」
「アズールはその幸せを今度は子どもたちに繋げていかねばな」
「うん。そうだね」
ルーの優しい言葉に心があったかくなる。
僕はずっと蒼央そのものだったんだな。
「名前、何がいい?」
「ルーに決めてほしいな。アズールを幸せにしてくれたルーの決めた名前がいい」
「そうか……なら、私が決めよう」
そう言ってルーはしばらく考えると、
「男の子の方はロルフ。女の子はルルにしよう」
と言ってくれた。
「ロルフと、ルル……すっごく可愛い!! これってどういう意味があるの?」
「ロルフは狼のことだよ。強く逞しい子になれるようにという願いをこめた。ルルは真っ白な宝石のことだ。あの宝石の様に燻む事なくアズールの様に素直に育ってほしいと願いを込めた。アズール、どうだ?」
「うん! すっごくいい!! ロルフとルル……ああ、早く名前を呼んであげたいな」
ルーが考えてくれた名前、きっと気に入ってくれるだろう。
お腹を切られてるって感触は何もなかった。
でも赤ちゃんがお腹から出てくる感覚だけはよくわかった。
あっ……
そう思った時、赤ちゃんの大きな泣き声が聞こえた。
そして、続けて二人目の声も聞こえて……今まで動き回っていたお腹が一気に軽くなった。
赤ちゃんたち、本当に僕のお腹にいたんだ。
ずっとわかっていたはずだったけど、改めて感じた。
そして、ルーが僕の目の前に連れてきてくれた赤ちゃんはルーにそっくりの黒耳のかっこいい男の子と、僕と同じ真っ白な耳の可愛い女の子。
ああ、この子達が僕とルーの可愛い赤ちゃん。
無事に生まれてきてくれてありがとう。
ドキドキしながら指を差し出すとチュッと吸い付いてくれて可愛くて可愛くてたまらなかった。
ルーが赤ちゃんたちをお母さまたちのところに連れて行っている間に、
「アズールさま。お腹の縫合をいたしますので天井を見ていてくださいね」
とアントン先生から声をかけられる。
でも何かされている感覚もないままに、
「はい。終わりましたよ」
と教えてくれた。
麻酔のおかげかな。
何も痛くない。
同じなのは、身体がすごく疲れていることだけ。
「アズールさま、身体の調子はいかがですか?」
「ちょっと疲れているみたい」
「そうですね。少し出血量が多かったので、そのせいでしょう。でも大丈夫ですよ。すぐに治りますからね」
アントン先生が自信満々に言ってくれるから大丈夫だろうと思っていたら、赤ちゃんを預けてきたルーが帰ってきて蜜を飲ませてくれることになった。
ああ、アントン先生はこのことを言ってくれていたんだなって、わかった。
身体中が怠くて動くのもやっとだったけど、ルーのおっきなのを咥えて、蜜を飲ませてもらったら、ごくっと一口飲み込むたびに身体が軽くなっていくのを感じた。
たっぷりの甘い蜜を飲んだら、急に胸がゾワっとした。
なんだろうと思ったら、僕の胸からミルクが出ている。
ルーは僕の胸を見るなりすぐに赤ちゃんたちのところへ走って行ってしまった。
その間もじわっと溢れてくるミルクが気になって、指で掬って口に入れてみる。
わっ! 甘い!
ルーの蜜とはまた違う甘さかも。
僕はルーの蜜の方が好きだけど、でもこれも美味しい。
これなら赤ちゃんたちも飲んでくれるかな?
そう思っていると、ルーが赤ちゃんたちだけでなくお母さまを一緒に連れてきてくれた。
「アズール。お疲れ様だったわね。可愛い赤ちゃんたちをありがとう」
そして、僕が生まれてきた時に見た、あの時のお母さまと同じ優しい笑顔でそう言ってくれたんだ。
――まぁまぁ、なんて可愛いのかしら。可愛い私の息子。生まれてきてくれてありがとう。愛しているわ。
僕が生まれた時、そう言ってキスしてくれたのを今でも覚えてる。
お母さまはあの時のままずっと変わらずに僕を愛してくれているんだ。
「まだ身体が辛いだろうけど、今からアズールに大事な役目があるからね」
そう言われてミルクのことを思い出す。
あの甘いミルクを飲んでもらわなきゃ!
でもどうやって飲ませたらいいんだろう?
身体は軽くなったけど二人の赤ちゃんを抱っこするのはまだ難しいかも……なんて思っていたら、ルーが赤ちゃんを抱っこして、赤ちゃんたちがミルクを飲むのを支えてくれる。
そのおかげで僕は横たわっているだけでよかったんだ。
「んく、んくっ」
美味しそうに飲んでくれるのを間近で見て、もう可愛くてたまらない。
勢いよく飲んでいたのが少しずつゆっくりになって、最後には赤ちゃんの方から口を離した。
その満足そうな顔にホッとする。
よかった、たっぷり飲めたんだ。
ルーが眠ってしまった赤ちゃんたちを赤ちゃん用のベッドに寝かして、僕の隣に添い寝してくれる。
親としての初仕事を終えた後は、次は名前だ。
王族ならではの名前とか、決まりとかあるのかなって思ったら特にないみたい。
それでふと気になって<アズール>の名前の意味を聞いてみた。
「アズールは、青色。特に澄み切った青空のことを言うんだ。確か、アズールが生まれた日はとても天気が良くて綺麗な空だったからな。それからつけられたのかもしれないな」
まさかそんな意味があったなんて……。
あまりの偶然に涙が溢れてしまう。
「アズール、どうしたんだ?」
「あの、ね……びっくり、したの。ルー、蒼央のこと、覚えてる?」
「ああ、もちろんだとも。アズールから話を聞いて忘れたことは一度もないよ」
「あの名前も、青色っていう意味なんだよ。澄み切った青空よりはもっと深い色だけど、同じ意味だっていうのはすごい偶然だね」
「いや、きっと神がそうしたんだ。同じ名前で今度は幸せになるようにって。だから、アズールは幸せになれただろう?」
「ルー……」
「アズールはその幸せを今度は子どもたちに繋げていかねばな」
「うん。そうだね」
ルーの優しい言葉に心があったかくなる。
僕はずっと蒼央そのものだったんだな。
「名前、何がいい?」
「ルーに決めてほしいな。アズールを幸せにしてくれたルーの決めた名前がいい」
「そうか……なら、私が決めよう」
そう言ってルーはしばらく考えると、
「男の子の方はロルフ。女の子はルルにしよう」
と言ってくれた。
「ロルフと、ルル……すっごく可愛い!! これってどういう意味があるの?」
「ロルフは狼のことだよ。強く逞しい子になれるようにという願いをこめた。ルルは真っ白な宝石のことだ。あの宝石の様に燻む事なくアズールの様に素直に育ってほしいと願いを込めた。アズール、どうだ?」
「うん! すっごくいい!! ロルフとルル……ああ、早く名前を呼んであげたいな」
ルーが考えてくれた名前、きっと気に入ってくれるだろう。
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