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第三章
新しい家族
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ヴェルナーとマクシミリアンの話は独立させたので、その続きから再開しています。
ヴェルナーとマクシミリアンのお話
『最強の黒豹騎士団長は新人熊騎士にロックオンされちゃいました』は9時に更新予定です。
* * *
<sideルーディー>
私たちの部屋に戻ると、アズールが私が戻ってきたのにも気づかずにヴェルナーと話し込んでいるのが見える。
「それで、どうなったの?」
「楽しそうだな」
「わっ!」
「王子!」
そっと近づいて声をかけると、アズールだけでなくヴェルナーまでもが驚きの声をあげた。
ヴェルナーまで私が来ていることに気づいていないとは……。
「私が来ていることに気づかないほど一体何の話をしていたのだ?」
「あのね、今ヴェルとマックスのお話を聞いていたの」
「ヴェルナーとマクシミリアンの?」
そう聞き返すと、ヴェルナーは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
ああ、なるほど。
そういうことか。
アズールにせがまれて、マクシミリアンとの馴れ初めや初夜のことでも語っていたのか。
それなら私が来ていたことに気づかないのも無理はない。
「うん。とっても素敵でね……」
「そうか。それはアズールと、ヴェルナーの二人だけの秘密にするが良い」
「えっ? ルーは聞かないの?」
「私はマクシミリアンから聞くとしよう」
そう言ってヴェルナーを見ると、恥ずかしそうにしながらも少しホッとしているように見えた。
もちろん、マクシミリアンからわざわざ聞くつもりはない。
だが、そう言わなければアズールはきっと私にもマクシミリアンとヴェルナーとのことを教えてくれただろう。
アズールに悪気がないのはわかっているが、ヴェルナーはきっとアズールだから聞かせたのだ。
それを私が聞いてしまうのは本意ではないだろう。
だから、そう返したのだ。
けれど、アズールは私の言葉を素直に聞き入れ、
「そっか、そうだね。それは楽しそう! ねぇ、じゃあお兄さまともお話しするの?」
と尋ねてきた。
「んっ? ああ、そうだな。クレイからも聞いてみるのも楽しいかもしれないな」
アズールに話を合わせて言ってみると、
「ふふっ。じゃあ、アズールはティオとヴェルと三人でお話しする!」
と嬉しそうに宣言した。
あれほど、ティオと話したがっていたアズールだ。
ティオがクレイと共に部屋から出てきたら、きっとすぐに話を聞くに違いない。
これはもう止められないだろうな。
まぁ、ティオも無事に初夜を終えて、ヴェルナーやアズールに聞きたいこともできたかもしれない。
意外とこのような時間を作るのもいいことなのかもしれないな。
「じゃあ、クレイとティオが出てきたら、その時間を作るように話をしてみよう」
「わぁー! ヴェル、楽しみだね」
無邪気に喜ぶアズールの隣で、ヴェルナーは若干戸惑い気味の様子だったが、何か思うところがあったのか
「そうですね、楽しみですね」
と笑顔を見せていた。
<sideクレイ>
「ティオ……」
「クレイさま……」
たっぷりと存分に愛し合い、この部屋にいる間ほとんどティオの中に挿入ったまま幸せな時間を過ごした。
このまま一ヶ月でも二ヶ月でもティオと全ての時間をベッドで過ごしたいが、そうも言っていられない。
いつまでも王家の客間に居続けるわけにもいかないし、日常に戻らなければいけない。
それでもティオとはこの部屋に入る前とは確実に違う関係になった。
一生愛し続ける大切な存在ができるのはこんなにも幸せなことなのだと、ティオが教えてくれた。
「これからティオは、私の伴侶としてヴォルフ公爵家で共に生活をすることになるが構わないか? もし、二人で暮らすことを望むなら、父上に話をして家を出ても構わないがティオはどうしたい? 遠慮せずに話してほしい」
「私はお義父さまとお義母さまと一緒に暮らしたいです」
「本当か? 無理をしていないか?」
「無理だなんて! 私は両親をすでに亡くしましたし、家族で過ごすことに憧れがあります。クレイさまがお育ちになったあの家でクレイさまとお義父さまとお義母さまと一緒に暮らすことができたら、これ以上幸せなことはありません」
「ティオ……ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。父も母もアズールが王子の元に嫁いで毎日が寂しそうにしていたから、ティオが一緒に住んでくれたらまた我が家に明るさが戻るよ」
「そんな……っ、私がアズールさまの代わりになんて……到底なれません」
「ティオ、違うよ。アズールの代わりなんかじゃない。ティオはティオだ。ティオがいてくれるだけで幸せになれるんだよ」
「クレイさま……」
「これから家族で幸せに暮らそう」
「はい」
ティオは目にうっすらと涙を浮かべながら私に抱きついてくれた。
ああ、ティオは本当に可愛い。
名残惜しく思いつつも、二人で客間から出ると執事のフィデリオ殿がやってきた。
「無事に初夜を過ごされましておめでとうございます」
「ああ、ありがとう。いろいろと世話になった」
「いいえ、滅相もございません。お二人のお世話ができまして光栄にございます」
フィデリオ殿は笑顔でそう言いながら、話を続ける。
「クレイさま、ティオさま。陛下と王子がお待ちでございますのでご案内いたします」
「えっ? 陛下と義兄上が?」
「はい。初夜を恙無く終えられましたご報告を」
「ああ、そういうことか。わかった」
私とティオはフィデリオ殿に案内され、陛下と義兄上がいらっしゃる部屋に向かった。
ヴェルナーとマクシミリアンのお話
『最強の黒豹騎士団長は新人熊騎士にロックオンされちゃいました』は9時に更新予定です。
* * *
<sideルーディー>
私たちの部屋に戻ると、アズールが私が戻ってきたのにも気づかずにヴェルナーと話し込んでいるのが見える。
「それで、どうなったの?」
「楽しそうだな」
「わっ!」
「王子!」
そっと近づいて声をかけると、アズールだけでなくヴェルナーまでもが驚きの声をあげた。
ヴェルナーまで私が来ていることに気づいていないとは……。
「私が来ていることに気づかないほど一体何の話をしていたのだ?」
「あのね、今ヴェルとマックスのお話を聞いていたの」
「ヴェルナーとマクシミリアンの?」
そう聞き返すと、ヴェルナーは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。
ああ、なるほど。
そういうことか。
アズールにせがまれて、マクシミリアンとの馴れ初めや初夜のことでも語っていたのか。
それなら私が来ていたことに気づかないのも無理はない。
「うん。とっても素敵でね……」
「そうか。それはアズールと、ヴェルナーの二人だけの秘密にするが良い」
「えっ? ルーは聞かないの?」
「私はマクシミリアンから聞くとしよう」
そう言ってヴェルナーを見ると、恥ずかしそうにしながらも少しホッとしているように見えた。
もちろん、マクシミリアンからわざわざ聞くつもりはない。
だが、そう言わなければアズールはきっと私にもマクシミリアンとヴェルナーとのことを教えてくれただろう。
アズールに悪気がないのはわかっているが、ヴェルナーはきっとアズールだから聞かせたのだ。
それを私が聞いてしまうのは本意ではないだろう。
だから、そう返したのだ。
けれど、アズールは私の言葉を素直に聞き入れ、
「そっか、そうだね。それは楽しそう! ねぇ、じゃあお兄さまともお話しするの?」
と尋ねてきた。
「んっ? ああ、そうだな。クレイからも聞いてみるのも楽しいかもしれないな」
アズールに話を合わせて言ってみると、
「ふふっ。じゃあ、アズールはティオとヴェルと三人でお話しする!」
と嬉しそうに宣言した。
あれほど、ティオと話したがっていたアズールだ。
ティオがクレイと共に部屋から出てきたら、きっとすぐに話を聞くに違いない。
これはもう止められないだろうな。
まぁ、ティオも無事に初夜を終えて、ヴェルナーやアズールに聞きたいこともできたかもしれない。
意外とこのような時間を作るのもいいことなのかもしれないな。
「じゃあ、クレイとティオが出てきたら、その時間を作るように話をしてみよう」
「わぁー! ヴェル、楽しみだね」
無邪気に喜ぶアズールの隣で、ヴェルナーは若干戸惑い気味の様子だったが、何か思うところがあったのか
「そうですね、楽しみですね」
と笑顔を見せていた。
<sideクレイ>
「ティオ……」
「クレイさま……」
たっぷりと存分に愛し合い、この部屋にいる間ほとんどティオの中に挿入ったまま幸せな時間を過ごした。
このまま一ヶ月でも二ヶ月でもティオと全ての時間をベッドで過ごしたいが、そうも言っていられない。
いつまでも王家の客間に居続けるわけにもいかないし、日常に戻らなければいけない。
それでもティオとはこの部屋に入る前とは確実に違う関係になった。
一生愛し続ける大切な存在ができるのはこんなにも幸せなことなのだと、ティオが教えてくれた。
「これからティオは、私の伴侶としてヴォルフ公爵家で共に生活をすることになるが構わないか? もし、二人で暮らすことを望むなら、父上に話をして家を出ても構わないがティオはどうしたい? 遠慮せずに話してほしい」
「私はお義父さまとお義母さまと一緒に暮らしたいです」
「本当か? 無理をしていないか?」
「無理だなんて! 私は両親をすでに亡くしましたし、家族で過ごすことに憧れがあります。クレイさまがお育ちになったあの家でクレイさまとお義父さまとお義母さまと一緒に暮らすことができたら、これ以上幸せなことはありません」
「ティオ……ありがとう。そう言ってくれて嬉しいよ。父も母もアズールが王子の元に嫁いで毎日が寂しそうにしていたから、ティオが一緒に住んでくれたらまた我が家に明るさが戻るよ」
「そんな……っ、私がアズールさまの代わりになんて……到底なれません」
「ティオ、違うよ。アズールの代わりなんかじゃない。ティオはティオだ。ティオがいてくれるだけで幸せになれるんだよ」
「クレイさま……」
「これから家族で幸せに暮らそう」
「はい」
ティオは目にうっすらと涙を浮かべながら私に抱きついてくれた。
ああ、ティオは本当に可愛い。
名残惜しく思いつつも、二人で客間から出ると執事のフィデリオ殿がやってきた。
「無事に初夜を過ごされましておめでとうございます」
「ああ、ありがとう。いろいろと世話になった」
「いいえ、滅相もございません。お二人のお世話ができまして光栄にございます」
フィデリオ殿は笑顔でそう言いながら、話を続ける。
「クレイさま、ティオさま。陛下と王子がお待ちでございますのでご案内いたします」
「えっ? 陛下と義兄上が?」
「はい。初夜を恙無く終えられましたご報告を」
「ああ、そういうことか。わかった」
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