運命の出会いは空港で 〜クールなイケメン社長は無自覚煽りの可愛い子ちゃんに我慢できない

波木真帆

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番外編

俺たちのミッション※ <後編>

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少し暴力的なシーンがあります。
苦手な方はご注意ください。
視点がコロコロ変わります。




「ああ、ここか。いいな」

俺たちが男を連れて行ったのは、男同士でも複数でも入れることでこの辺では有名なラブホだからやっぱり知ってたみたいだ。
誰にも邪魔されずに俺たち3人と楽しめると思ったようで、もう奴のニヤケが止まらない。
その顔を見るだけでゾワゾワと鳥肌がたちそうになるけれど、それを必死に我慢した。

「うーん、平日だが今日は結構埋まってるな。あの部屋しか空いてないじゃないか。
でも、まぁいいか。4人でヤるんだしな。よし、そこにしよう」

男はそういうと一番広い部屋を選んで中に入った。

そういえば、俺……こういうホテルに入るのは初めてだ。

こんなふうになってるんだなとキョロキョロしていると、

「どうした? ここが珍しいのか?」

と尋ねられた。

「こういうところ入るの、初めてで……」

「そうなのか。大丈夫、楽しませてやるから」

ニヤけた男に笑顔を振りまきながら、部屋に入ると突然男は

「んっ? な、んだ? やけに、眠く……なって、きたな……」

と急にフラフラとし始めて、そこにあった椅子にどさっと倒れ込んだ途端、グォーッ、グオーッと大きなイビキをあげながら寝てしまった。

新川くんがさっと近づいて男の顔の前で手を振っても何の反応もない。
完全に眠っている。

「南條さん、大丈夫そうだよ」

「本当によく効くんだな。時間もピッタリだ!」

俺たちが驚いていると、

「眠ったか?」

と奥の部屋から声が聞こえた。

「うん、バッチリだよ!」

俺はその声に返事をすると、奥から現れたのは涼平さん。
それと同じタイミングでカチャリと部屋の鍵を開け入ってきたのは周平さんだった。

涼平さんは俺たちが男をこの部屋に誘い込む前に先回りして部屋で待機していた。
そして周平さんは俺たちの後ろから部屋に入るまでを見張っててくれて、こうやって2人が守ってくれてる安心感があればこその作戦だよね。

あのBARで話をしている最中、俺と盛山くんで惹きつけている間に新川くんがこっそり男の呑んでいたお酒に睡眠薬を入れておいたんだ。
無味無臭のそれを男は何も気付かずに呑んでいた。
普通ならもっと警戒しそうなものなのに多分頭の中は俺たちと過ごす夜の妄想でいっぱいだったんだろうな。
本当に気持ち悪すぎる。

そうして男を連れてきたここだけど、実はこのラブホのオーナーは倉橋さんに出資してもらってこのホテルを作ったらしく、倉橋さんが頼むと喜んでこの計画に協力してくれたらしい。
倉橋さんってどこまで人脈があるんだろう……すごすぎる。

「それにしてもぐっすり眠ってるな。涼平、あの薬……どこから手に入れたんだ?」

「倉橋のとこの親父さんが用意してくれたんだって。あの量でピッタリ30分で目覚めるらしいから、朝陽たちは先にここから出た方がいいな」

「だが、場所も場所だし3人で行かせるのは危ないだろう?」

「ああ。だからあとは俺がやるから兄貴は3人を頼むよ」

「お前は1人で大丈夫なのか?」

「ああ、こんな奴、俺1人で十分だよ」

「じゃあそうするか。朝陽くん、新川くんと盛山くんだったかな、私と食事にでも行こう」

涼平さんを1人ここに残して行くのは気が引けたけれど、新川くんたちを危ない目に合わせるわけにはいかない。
元々の計画でも俺たちの仕事はこの部屋に誘き寄せるところまでだったんだから、計画は守らないとね。

「涼平さん、気をつけて。無理しないでね」

「ああ、大丈夫だよ。終わったら俺もすぐに向かうから場所の地図でも送っといてくれ」

俺たちはにこやかに涼平さんに送り出され、その部屋をでた。


✳︎   ✳︎   ✳︎



「う、うーん。なんだ? 俺は、眠ってたのか?」

まだ少し寝ぼけた様子で額に手を当て唸り声を上げる男に、

「やっとお目覚めか?」

と声をかけると、男はビクッと身体を震わせて俺の方を向いた。

「な、なんだ、お前は?」

「さぁて、誰だろうな」

ニヤリと笑みを見せると、

「あ、あの子たちはどこ行ったんだ? もしかして美人局か? 俺はを嵌めても、か、金なんか持ってないぞ」

と青褪めた顔で俺を見た。

「金? ははっ。俺がそんなものいるわけないだろう」

椅子から立ち上がり、男の前にツカツカと近づくと、薬の影響かまだ立ち上がることもできないらしい男は座ったまま身体を震わせていた。

「お、俺の何が目的なんだ? 俺は何もしてないぞ」

「ふーん、何もしていない……ねぇ」

じろっと睨みつけると、何か心当たりでもあったのか今度は冷や汗を流し始めた。

「沼田……お前、薬使って相手眠らせて強姦しただろう? で、被害届出したらその写真と動画ばら撒くって脅してるそうだな」

「な――っ! そ、そんなこと……」

「してないっていうのか? ふざけるな! お前がシラ切ってももうネタは上がってんだよ!」

「ひぃ――っ! ほ、ほんの出来心なんです。許してください!」

「出来心だと?? お前本当に舐めた真似しやがって! そんなんで許してもらえるとでも思ってんのか?!
俺の島でそんな勝手なことして許されると思ったら大間違いなんだよ!」

「ひぃーーっ! なんでもしますから、どうか、どうか命だけはお助けを!!」

うまく動かせない身体を椅子の中で必死に小さく縮まらせて必死に懇願してくる姿に笑いが出そうになる。
ききたい言葉をうまく引き出せたな。

「ふーん、なんでもするのか。なら、同じ目にあってもらおうか」

「えっ? 同じ目にって? ま、さか……」

俺はスマホを取り出し、待機させておいた奴らを呼び出した。

1分も経たずにに部屋の扉が叩かれ、そいつらを中に入れてやると椅子の上で震えている男を見て

「こいつ、本当に好きにしちゃっていいんですか?」

と目を輝かせて喜んだ。

「ああ、好きにしてくれていいぞ。なんでもやるって自分で言ってたからな」

さっきの奴の言葉はしっかり録音済みだ。

「じゃあ、楽しませてもらおうか、よいしょっとっ」

屈強な男たち3人は椅子に座って震えている沼田を軽々と持ち上げ、ベッドへと放り投げた。
沼田は薬の影響で自由がきかない身体を必死に動かし抵抗しようとしているが、相手は身体も一回り以上大きな屈強な男たちだ。
敵うわけもない。

「俺がこいつの処女いただきまーすっと」

ぺろっと舌舐めずりしながら男は沼田に近づくと、あっという間に服を剥ぎ取り、慣らしも解しもしないまま、沼田の尻に男の大きなモノが突っ込んだ。

「あ゛ぁぁがぁぁーっ!!」

「うるせえなー! おい、口塞いどけよ」

尻に突き刺した男がそういうと、もう1人の奴が沼田の口に自分の昂りを突っ込んで沼田の口を封じる。

「ああーーっ、やっぱ処女はいいわ」

「こいつ、口もなかなか。初めてのくせにイケるな」

グチュグチュ、グポッグポッ


グェーーっ、気持ち悪い。
これ以上見ているのは俺が耐えられないな。
一応沼田がやられてるところは写真にとったし、もうこれでいいだろう。

「おい、あとは頼む。写真と動画をこっちに送ってくれ。
それと、ここで一旦楽しんだら、お前たちの店に連れて帰ってくれ」

まだ参加していないもう1人の男にそう伝えると

「わかりましたー!」

と笑顔を見せてきた。

「これは謝礼だ。3人で分けてくれ」

「ありがとうございます!」

倉橋から預かった、余裕で立つほどの分厚い封筒を男に渡し俺は部屋を出た。


✳︎   ✳︎   ✳︎


私は3人を連れホテルを出たが、如何せん3人は揃いも揃って美少年。
しかも私は今回も変装で例の姿になっている。

まぁそのおかげか、こんな美少年を3人も連れていても変な輩が声をかけてこないのは助かるが涼平が来るまでの間、1人で相手をするのは流石に厳しい。

「ちょっと連絡するところがあるから」

そう言って私はスマホを取り出し、敬介を呼び出すことにした。

ーもしもし、もう終わったんですか?

ーいや、私は先に朝陽くんたちを連れて出てきたんだが、その……

ーふふっ。やっぱり連絡来ると思いました。

どうやら私が困って連絡してくることはお見通しだったようだ。
さすがだな、私の敬介は。

ー実はそこから近くの和食レストランの個室にいるんです。
地図を送るのでここにきていただけますか?

そう言って送ってきてくれた地図を見ると、本当に近い。
すぐに向かうと言って私は電話を切った。

「敬介が食事の店を用意しているみたいだからそこに行こう」

「えーっ、浅香さんも来てるんですか! わぁっ、行きましょう!」

「南條さん、どうしたんですか? そんなにはしゃいじゃって」

「ふふっ。実は浅香さん……周平さんの恋人なんだって、新川くんたち知ってた?」

「「ええーーっ!!! 本当ですか??」」

満面の笑みを浮かべる朝陽くんと、目を丸くして驚いている彼らに見つめられ、私は

「あ、ああ。実はそうなんだ」

と照れながら答えると、

「浅香さんが恋人と一緒にいるのを見るのは初めてだ!!」

と彼らは興奮しきりの様子で、

「じゃあ、早く行きましょう!!」

と3人に手を引かれ、いや、引っ張られるように啓介のいる店へと向かった。

地図の通り向かった店は、落ち着いた高級旅館のような洗練された佇まいを醸し出していた。
敬介が好きそうな店だなと思いながら、豪華な引き戸をガラガラと開けると中は木を基調とした内装で落ち着いた雰囲気をしていた。

「連れが待っているはずなんだが……」

「はい。お伺いしております。こちらへどうぞ」

名前を言わなくてもわかるからと敬介からのメッセージに書かれていた通り、スタッフはすぐに私たちを部屋へと案内してくれた。

「こちらのお部屋でございます。どうぞごゆっくりお過ごしください」

一礼して去っていくスタッフを見送りながら、部屋の襖を開けると、敬介が

「あ、周平さんっ!」

とにこやかに手を上げながら声をかけてくれた。

「お邪魔しま~す」

とゾロゾロと部屋の中に入っていく彼らの横で、私はすでに酒を呑んでほんのりと頬が赤くなっている敬介に目が釘付けになっていた。






この後少しおまけ話が続きます。
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