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スーツの代わりに
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「今、店から君のサイズに合うスーツを持ってきてもらうからもう少し待っていてくれ。
こっちで微調整してもらったらすぐに着ていけるよ」
「わぁ。良かった……」
時間はまだ8時前。
本当に余裕で間に合いそうだ。
「彼らが来る前に少し君のことを聞いてもいいか?」
その言葉に俺はまだ名前すらも話していないことに気がついた。
「そうだ……すみません。俺、名前も伝えずに……。俺……いや、私、藤乃航といいます」
俺が名前を告げると彼は『えっ』と声を漏らし、驚いた顔で俺を見た。
「あの……何か?」
「いや、悪い。なんでもない。良い名前だな」
「あ、ありがとうございます」
名前を褒められたことなんかなくて思わずお礼を言ってしまった。
「私は倉……倉田祐悟だ」
「倉田さんも良いお名前ですね」
倉田さん……芸能人のようなカッコいい顔立ちに似合う、とても素敵な名前だなと思ったら笑顔が自然に溢れていた。
あっ、そういえばこんなに素直に笑えたのっていつぶりだろう……。
本当に俺、人間的な生活ができてなかったんだなって改めて思う。
「ありがとう」
にっこりと俺に笑顔を向ける倉田さんを見ながら俺はそんなことを思っていた。
「それで、君はこれからどこに行くんだ?」
「はい。西表島です。ここから石垣島まで言ってそこから船に乗っていくみたいで……本当のこと言うと、こんな遠出するのかなり久しぶりで遊びで行くわけじゃないんですけど、すごく楽しみです」
すると、彼は急に真剣な顔つきで
「あの……言いたくないなら言わないでいいんだが……君、いや藤乃くん……その頬の痣はどうしたんだ?」
と尋ねられた。
痣……。
あっ、さっきシャワーを浴びたからコンシーラーが取れてしまったんだ……。
「あの……その、」
咄嗟に手のひらで隠しながらなんと言ったらいいのかわからなくて口籠もっていると、彼は俺にそっと近づいて
「何か大変なことがあったんじゃないか? 良かったら私に話してみないか?」
と優しい声で聞いてくれた。
今までこんなに寄り添って話を聞いてくれようとしてくれた人は一人もいなかった。
倉田さんの優しさが嬉しくて俺は思わず涙を流していた。
そして『実は……』と話しかけたところで、トントントンと扉を叩く音が聞こえた。
彼は一瞬眉を顰めたが、その相手がさっきのテーラーさんだったから
『後でゆっくり聞くからな』と言ってすぐに扉を開けに行った。
「お待たせして申し訳ございません」
そう言って、テーラーさんは数着のスーツをハンガーラックにかけ始めた。
そのどれもが格好良くて、俺は泣いていたことも忘れて思わず見入っていた。
彼はそんな俺をみながら、『ふむ』と顎に手を当て真剣な表情で考え始めた。
「そうだな……彼にはそのネイビーのスーツが合うだろう」
「畏まりました」
彼の言葉でさっとハンガーからスーツを外し、ワイシャツと共に『どうぞ』と手渡してくれた。
「一度ご着用ください」
「ありがとうございます」
俺が着ていたペラッペラなスーツとは全く違う手触りにドキドキしながら俺はパーテーションで仕切られた場所でさっと着替えた。
さすがテーラーさんがサイズを測ってくれただけあってほとんどピッタリだ。
「あの……」
スーツを着て彼らの元へ戻ると、皆一様に
『似合ってる』
『よくお似合いです』
と褒めてくれた。
少しだけ手直しいたしますねとテーラーさんがささっと何かをしてくれたけど、何をされたのかもわからずあっという間に終わった。
「急がせて悪かったな。また店に寄るからその時は頼む」
「いえ。倉橋『ゴホッゴホッ』さまのお頼みとあらばこれくらい大したことではございません」
俺が鏡を貸してもらって青痣をコンシーラーで隠している間に、テーラーさんと話している倉田さんの顔が赤くなってるのが鏡越しに見えた。
咳もしていたし体調でも悪いんだろうか?
テーラーさんも不思議そうな顔をしながらも頭を下げ、部屋を出ていった。
「あっ、スーツの代金!」
いくらか聞くのを忘れてしまった。
慌てて店員さんを追いかけようとすると、彼の手が俺を引き留めて
『大丈夫、もう支払いは終わっているから』と教えてくれた。
「えっ? これ……おいくらですか?」
「ああ、そんなことを言ってたな。私が迷惑かけたんだし、素直にもらってくれた方が嬉しいんだが……君はそれでは納得しそうにないな」
俺は小さく頷いた。
だって、あんな安物のスーツを汚されたからってこんな高いスーツをおいそれともらうわけにはいかない。
俺は面接にこんなすごいスーツを着ていけるだけで嬉しいのに。
「うーん、なら、私の暇つぶしに付き合ってもらえないか?」
「えっ? 暇つぶし……ですか?」
「ああ。偶然だが実は私もこれから西表に行く予定なんだ。石垣島まで5時間のフライトをひとりで何して過ごそうかと思ってたんだ。君が話し相手になってくれたら助かるんだが……」
これはきっと彼の優しさだ。
本当なら飛行機の中で仕事でもしようと思っていたに違いない。
ラフなジャケット姿だけど、いかにもデキる男って感じの格好だし、持っている鞄にはノーパソかタブレットでも入っていそう。
彼の時間を俺に使ってもらうのは申し訳ない気もしたけれど、これまでのことを全て曝け出してスッキリして面接に臨みたいっていう気持ちもあって、俺は彼の申し出を受けることにした。
「あの、俺……いえ、私で良かったら喜んで……」
「ふふっ。助かるよ。それと……気軽に『俺』って言ってくれた方が安心するな」
俺が言いにくそうに言ってたことに気づいてたんだろう。
パチンと軽やかにウインクをしてそう言ってくれたことがあまりにも爽やかで思わずドキッとしてしまった。
って、ちょっと待って!
「あのっ……」
そこで大事なことを思い出した。
「んっ? どうした?」
「いえ、あの……座席ってもう決まってるんじゃないのかなって……」
そう、今から乗るのは飛行機。
新幹線でもないんだから自由席なわけではないだろう。
もうすでに席も決まってるだろうし彼と隣同士になってる確率なんてほぼ無いんじゃ無いかな……。
そう思っていたけれど……。
「ああ。そういうことか。それなら大丈夫。
週明けの月曜日だし、ビジネスクラスならまだ席はあるはずだ」
「ええっ……」
ビジネスクラスって……。
思っても見ない言葉が返ってきて、本気で驚いた。
でも会社から送ってきてくれた航空券を勝手に変更したりなんかして大丈夫なんだろうか?
「どうした? 他にまだ何か心配事でも?」
「あの、俺のこのチケット……自分で取ったんじゃなくて、その面接に受ける会社の方が取って下さった物なので勝手に席とか変更したら申し訳ない気がするんですけど……」
「ああ、そのことなら心配ないよ。だって、わた――」
「えっ?」
「あ、いや、その……渡されたものをどう使おうが相手には関係ないよ。要は会社まで来てくれればいいわけだからね。
航空券はあくまでも交通手段の一つに過ぎないよ」
なるほど。
確かにそうかも。
「納得したかい?」
「はい」
「ならすぐに変更しよう。Q Rコードを出して」
彼の言われるがままにスマホを取り出し、Q Rコードを出すと彼はさっと変更手続きをしてくれた。
「やっぱり思った通り、私の隣の席が空いていたからそっちに変えておいたよ」
はい、とスマホを手渡され見てみると、本当にビジネスクラスに変更になっていた。
あっ、この差額……
そう思った瞬間、
「私のわがままで変更してもらうんだから差額は気にしないでくれ。
そもそもマイルを使ったから私の懐が痛んだわけでもない。
せっかく貯まったマイル、早く使わないと失効したら勿体無いだろう?」
勿体無い……そう言われると弱いんだ。
だって、無駄にすることほど勿体無いことはないもんね。
「わかりました」
「じゃあ、そろそろ搭乗口に行こうか」
そう言われて部屋を出た。
汚れたスーツはクリーニングに預け、彼と一緒にセキュリティーゲートへと向かった。
手荷物検査を受け、搭乗口へと向かうとすぐに搭乗案内が始まった。
「さぁ、行こう」
あっ、そっかビジネスクラスから先に搭乗が始まるんだっけ。
うわーっ、なんかすごい。
俺はドキドキしながら倉田さんの後に続いて歩いた。
こっちで微調整してもらったらすぐに着ていけるよ」
「わぁ。良かった……」
時間はまだ8時前。
本当に余裕で間に合いそうだ。
「彼らが来る前に少し君のことを聞いてもいいか?」
その言葉に俺はまだ名前すらも話していないことに気がついた。
「そうだ……すみません。俺、名前も伝えずに……。俺……いや、私、藤乃航といいます」
俺が名前を告げると彼は『えっ』と声を漏らし、驚いた顔で俺を見た。
「あの……何か?」
「いや、悪い。なんでもない。良い名前だな」
「あ、ありがとうございます」
名前を褒められたことなんかなくて思わずお礼を言ってしまった。
「私は倉……倉田祐悟だ」
「倉田さんも良いお名前ですね」
倉田さん……芸能人のようなカッコいい顔立ちに似合う、とても素敵な名前だなと思ったら笑顔が自然に溢れていた。
あっ、そういえばこんなに素直に笑えたのっていつぶりだろう……。
本当に俺、人間的な生活ができてなかったんだなって改めて思う。
「ありがとう」
にっこりと俺に笑顔を向ける倉田さんを見ながら俺はそんなことを思っていた。
「それで、君はこれからどこに行くんだ?」
「はい。西表島です。ここから石垣島まで言ってそこから船に乗っていくみたいで……本当のこと言うと、こんな遠出するのかなり久しぶりで遊びで行くわけじゃないんですけど、すごく楽しみです」
すると、彼は急に真剣な顔つきで
「あの……言いたくないなら言わないでいいんだが……君、いや藤乃くん……その頬の痣はどうしたんだ?」
と尋ねられた。
痣……。
あっ、さっきシャワーを浴びたからコンシーラーが取れてしまったんだ……。
「あの……その、」
咄嗟に手のひらで隠しながらなんと言ったらいいのかわからなくて口籠もっていると、彼は俺にそっと近づいて
「何か大変なことがあったんじゃないか? 良かったら私に話してみないか?」
と優しい声で聞いてくれた。
今までこんなに寄り添って話を聞いてくれようとしてくれた人は一人もいなかった。
倉田さんの優しさが嬉しくて俺は思わず涙を流していた。
そして『実は……』と話しかけたところで、トントントンと扉を叩く音が聞こえた。
彼は一瞬眉を顰めたが、その相手がさっきのテーラーさんだったから
『後でゆっくり聞くからな』と言ってすぐに扉を開けに行った。
「お待たせして申し訳ございません」
そう言って、テーラーさんは数着のスーツをハンガーラックにかけ始めた。
そのどれもが格好良くて、俺は泣いていたことも忘れて思わず見入っていた。
彼はそんな俺をみながら、『ふむ』と顎に手を当て真剣な表情で考え始めた。
「そうだな……彼にはそのネイビーのスーツが合うだろう」
「畏まりました」
彼の言葉でさっとハンガーからスーツを外し、ワイシャツと共に『どうぞ』と手渡してくれた。
「一度ご着用ください」
「ありがとうございます」
俺が着ていたペラッペラなスーツとは全く違う手触りにドキドキしながら俺はパーテーションで仕切られた場所でさっと着替えた。
さすがテーラーさんがサイズを測ってくれただけあってほとんどピッタリだ。
「あの……」
スーツを着て彼らの元へ戻ると、皆一様に
『似合ってる』
『よくお似合いです』
と褒めてくれた。
少しだけ手直しいたしますねとテーラーさんがささっと何かをしてくれたけど、何をされたのかもわからずあっという間に終わった。
「急がせて悪かったな。また店に寄るからその時は頼む」
「いえ。倉橋『ゴホッゴホッ』さまのお頼みとあらばこれくらい大したことではございません」
俺が鏡を貸してもらって青痣をコンシーラーで隠している間に、テーラーさんと話している倉田さんの顔が赤くなってるのが鏡越しに見えた。
咳もしていたし体調でも悪いんだろうか?
テーラーさんも不思議そうな顔をしながらも頭を下げ、部屋を出ていった。
「あっ、スーツの代金!」
いくらか聞くのを忘れてしまった。
慌てて店員さんを追いかけようとすると、彼の手が俺を引き留めて
『大丈夫、もう支払いは終わっているから』と教えてくれた。
「えっ? これ……おいくらですか?」
「ああ、そんなことを言ってたな。私が迷惑かけたんだし、素直にもらってくれた方が嬉しいんだが……君はそれでは納得しそうにないな」
俺は小さく頷いた。
だって、あんな安物のスーツを汚されたからってこんな高いスーツをおいそれともらうわけにはいかない。
俺は面接にこんなすごいスーツを着ていけるだけで嬉しいのに。
「うーん、なら、私の暇つぶしに付き合ってもらえないか?」
「えっ? 暇つぶし……ですか?」
「ああ。偶然だが実は私もこれから西表に行く予定なんだ。石垣島まで5時間のフライトをひとりで何して過ごそうかと思ってたんだ。君が話し相手になってくれたら助かるんだが……」
これはきっと彼の優しさだ。
本当なら飛行機の中で仕事でもしようと思っていたに違いない。
ラフなジャケット姿だけど、いかにもデキる男って感じの格好だし、持っている鞄にはノーパソかタブレットでも入っていそう。
彼の時間を俺に使ってもらうのは申し訳ない気もしたけれど、これまでのことを全て曝け出してスッキリして面接に臨みたいっていう気持ちもあって、俺は彼の申し出を受けることにした。
「あの、俺……いえ、私で良かったら喜んで……」
「ふふっ。助かるよ。それと……気軽に『俺』って言ってくれた方が安心するな」
俺が言いにくそうに言ってたことに気づいてたんだろう。
パチンと軽やかにウインクをしてそう言ってくれたことがあまりにも爽やかで思わずドキッとしてしまった。
って、ちょっと待って!
「あのっ……」
そこで大事なことを思い出した。
「んっ? どうした?」
「いえ、あの……座席ってもう決まってるんじゃないのかなって……」
そう、今から乗るのは飛行機。
新幹線でもないんだから自由席なわけではないだろう。
もうすでに席も決まってるだろうし彼と隣同士になってる確率なんてほぼ無いんじゃ無いかな……。
そう思っていたけれど……。
「ああ。そういうことか。それなら大丈夫。
週明けの月曜日だし、ビジネスクラスならまだ席はあるはずだ」
「ええっ……」
ビジネスクラスって……。
思っても見ない言葉が返ってきて、本気で驚いた。
でも会社から送ってきてくれた航空券を勝手に変更したりなんかして大丈夫なんだろうか?
「どうした? 他にまだ何か心配事でも?」
「あの、俺のこのチケット……自分で取ったんじゃなくて、その面接に受ける会社の方が取って下さった物なので勝手に席とか変更したら申し訳ない気がするんですけど……」
「ああ、そのことなら心配ないよ。だって、わた――」
「えっ?」
「あ、いや、その……渡されたものをどう使おうが相手には関係ないよ。要は会社まで来てくれればいいわけだからね。
航空券はあくまでも交通手段の一つに過ぎないよ」
なるほど。
確かにそうかも。
「納得したかい?」
「はい」
「ならすぐに変更しよう。Q Rコードを出して」
彼の言われるがままにスマホを取り出し、Q Rコードを出すと彼はさっと変更手続きをしてくれた。
「やっぱり思った通り、私の隣の席が空いていたからそっちに変えておいたよ」
はい、とスマホを手渡され見てみると、本当にビジネスクラスに変更になっていた。
あっ、この差額……
そう思った瞬間、
「私のわがままで変更してもらうんだから差額は気にしないでくれ。
そもそもマイルを使ったから私の懐が痛んだわけでもない。
せっかく貯まったマイル、早く使わないと失効したら勿体無いだろう?」
勿体無い……そう言われると弱いんだ。
だって、無駄にすることほど勿体無いことはないもんね。
「わかりました」
「じゃあ、そろそろ搭乗口に行こうか」
そう言われて部屋を出た。
汚れたスーツはクリーニングに預け、彼と一緒にセキュリティーゲートへと向かった。
手荷物検査を受け、搭乗口へと向かうとすぐに搭乗案内が始まった。
「さぁ、行こう」
あっ、そっかビジネスクラスから先に搭乗が始まるんだっけ。
うわーっ、なんかすごい。
俺はドキドキしながら倉田さんの後に続いて歩いた。
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