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乱立するイベント

猫と教師イベントの真の姿

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カーテンが閉められた保健室の中、椅子に座るオースティン様の膝の上に横向きで、仔猫と一緒に座っていました。


オースティン様の手が、私の顎を擽りながらキスをする。


「婚約指輪が仕上がるまでは、極力我慢すると決めたいたんだが、リリーに触れたくて我慢できなくてな」


私の顎と仔猫を撫でながら、セシル先生が中庭に来た理由を教えてくれた。


オースティン様とセシル先生はウマが合うので、よく休み時間に一緒に過ごしていたそうです。


最初に仔猫の声に気が付いて、中庭でのマルガリータと私の姿を見付けたのは、オースティン様だった。


そしてセシル様が「私が仔猫達を保護してきますよ」と言い中庭に出て行った。


マルガリータは勝手に空気を読んで中庭から退出しただけでした。


イベントとして、この事を知っていた可能性は捨てきれないけどね。


「オースティン様……擽ったいわ」


「俺の可愛らしい仔猫」


確かセシル先生に”にゃー”と鳴けと言われた。


「…………………ニャァ」


オースティン様を真っ直ぐ見詰めながら鳴いてみた。


顔が赤くて、声が小さいのは仕方ないのです!


物凄く恥ずかしいです!!


顎を撫でていた手が止まり、じっと私をオースティン様が見ている。


「リリー、ちょっと待ってろ」


私を違う椅子に座らせると、仔猫を抱き上げ、保健室の鍵を静かに開け、ガラッと一気に扉を開け放った。


すると聞き耳を立てるマルガリータとセシル先生が、中腰の姿勢で固まっていました。


「随分と仲がいいんだな、お前ら。仔猫にミルクを用意したのか?」


「えぇっと」


マルガリータの手に仔猫を預けると、シッシッと手で追い払う仕草をする。


「お前らは仔猫の面倒をみてろ」


ピシャリと閉めると鍵を掛けた。


「俺は仔猫のリリーを可愛がるとするか」


お姫様抱っこで、奥のベッドまで連れてこられた。


これは具合が悪い人の為のベッドなのに!


ベッドに座るオースティン様の膝の上に座っています。


「もう一度、鳴いてごらん」


恥ずかしいので、フルフルと首を横に振って、オースティン様を見上げると、また顎の下を指でくすぐられる。


「聞きたい」


「あの………恥ずかしいから無理」


「聞きたい」


「…………………………ニャァ」


やっぱり恥ずかしいので、思わず目をつぶってしまうと、唇が暖かくて柔らかい物に包まれた。


薄目を開けるとドアップのオースティン様の緑色の目が優しく細められ、顎を支えていた手が首を撫で始めた。


あっ、キスされてるの。


胸がキュッとなるくらい嬉しくて、私からオースティン様の首に腕を伸ばして抱き着いた。


それに応えるようにキスの角度が変わり、腰に回されていた腕が、更に引き寄せる。


唇が離れると眼鏡をかけたオースティン様の顔が、優しく微笑んでいて幸せを感じていました。


そっと眼鏡を外してあげると、それを自分で掛けてみる。


「あら?伊達眼鏡ですわ」


「眼鏡も似合うな」


「本当ですか?ふふっ」


「ああ……………オレは幼いリリーのエロい夢を見るようになり、早く離れなければと思い寮に入る事を決めたんだ。なのにオレが屋敷を出ると知って大泣きするリリーを見たら嬉しくて寂しくて仕方なかった。エドワードではなくランスロットがリリーの婚約者になったと聞いて、オレといくつも変わらない甥っ子に取られる怒りで、吐くほどの激しい後悔に襲われたんだ」


今、サラッとエロい夢って言いました?!


「リリーの一番近くに居たのは、オレなのに!自ら、その手を離した。公爵家の屋敷を出る日の夜に、忍び込んだ部屋で寝ている愛らしいリリーに、夢中でキスした自分を認めたくなかった。なのにリリーの婚約を聞いて、手放した自分を恨んだよ。今度は間違ったりしない。オレからは絶対にリリーの手を離さない」


私も離れないと言いたかった。


でも上手く声にならなくて。


だから私からオースティン様にキスをした。


途中で恥ずかしくなり目をつぶってしまったので、ちょっと位置がズレてしまい、下唇を咥えてしまった。


慌てて離れるとビックリしていたオースティン様が、泣きそうな顔になった。


「わっ…………私も好きです。ずっとランスロット様がオースティン様だったら良いのにって思っていました……………大好き」


今度は外さないように、薄目を開けてオースティン様にキスをいました。


「離れちゃ嫌です」


「リリー」


お互いに吸い寄せられる様に唇を重ね、縺れるようにベッドに寝かされる。


「リリー……口を開けて、少し舌を出してごらん」


言われるままチロっと舌を出すと、オースティン様の口が舌に吸い付いて、彼の舌が口の中に入ってきた。


絡み合う下の水っぽい音が頭の中で響き渡る。


口の中に溜まった唾液をコクリと音を立てて飲み込めば、身体中が大好きな人の匂いで いっぱいになった気がした。


大きな手がブラウスのボタンを外していくと、下着の下に侵入してきて、胸を撫で始めた刺激で股間がムズムズして脚を擦り寄せていると、もう一つの手が脚の隙間に滑り込んできて下着の上から擦られる。


頭では、これが濡れるって事なんだと思っていました。


無理矢理に襲われた経験しかなかった私が初めて知る感覚に、幸せで泣きそうだった。


ゆっくり糸を引きながら離れる唇を涙で霞む目で見詰めていると、心配そうな顔のオースティン様が糸を切るように舌で私の唇を舐めた。


「嫌か?」


泣きそうな私に気が付いて、手を止める優しさに胸がいっぱいになった目から、涙が零れ落ちていました。


「違う………幸せで………もっと近付きたくて…………グスッ……好き」


何も言わずに私の涙を舐めるオースティン様の目も、少し濡れて光っている気がした。


「オレも幸せだ」


ちょっとキスが、しょっぱいけど嬉しくて幸せだった。



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