婚約者をNTRた公爵令嬢が悪役だと誰が決めた?!!

月夜の庭

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婚約破棄

私が取るべき行動

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やけに心臓の音が五月蝿い。


手には汗もかいている。


このまま知らんぷりするか、騒ぎ立てるか迷っていたところで、前世の記憶が一気に頭に流れ込んできた。


騒ぎ立て、ラフレアの不貞を暴く事も出来るが、ヤリ殺された記憶が私に”待った”を掛ける。


騒ぎ立ててはダメな気がする。



でも、やられっぱなしは面白くないから、控え室での不貞の目撃者は必要ね。


静かに扉から離れ、夜会の会場前まで戻って来ると、城のメイド達が目に入った。


その中に本人は無自覚だけど噂好きの副メイド長が目に入った。


「イリアーノさん」


「あら、リリアーヌ様。いかがなさいましたか?」


「えぇ、実は気分が悪くて………控室まで行きたいの」


「まぁ………お美しいリリアーヌ様に何かあれば、王族の方々が暴れ出しますよ。よろしければ、ご案内致しますよ」


「ありがとう。優しくて気が利くイリアーノさんが付いて来てくれたら安心ね」


「そんな、勿体ないお言葉。さぁさ、こちらです」


気を良くした彼女は、NTR劇場 真っ最中の部屋の前まで来て固まった。


「どうしましたの?」



「……………あぁ、いえ」


複雑そうな表情でオロオロしている。


「あぁんっ……セシル様………激しい」


うわぁ~っ見なくても誰と誰が何をしてるのか分かる発言を自らしてくれたよ。


「リリアーヌ様………」


心配そうにイリアーノさんが、私を見ている。


頑張れ私!私は女優になるのよ!!


「………あっ………まさかラフレアとセシル様が?………でも……セシル様は確か……」


欠伸を噛み締め涙目で、弱々しく呟くと、イリアーノさんが私を抱き締めてくれる。


「なんという事でしょう」


「…………イリアーノさん、この事は2人の秘密よ」


「リリアーヌ様?」


「義理でも妹なの。それに誰かが傷つく姿は見たくないの」


「ですが………このままでは」


「いいの。もし私が2人の事で困った事になったら、イリアーノさんが証人になって?それまでは秘密にして欲しいの。もしかしたら、一時的な気の迷いかもしれないから」


「そんな………それではリリアーヌ様が」


静かに首を振った。


「私はいいの。ラフレアは華やかで可愛いから」



「何をおっしゃいます!リリアーヌ様ほど美しい方を差し置いて、あの歳で………あんな誰にでも股を開く女に現を抜かすなんて、あんまりです」


「え?誰にでも??」


「はい。有名でございます。ラフレア様が騎士や役人達とヤリまくっているのは」



マジか?!あの子は何やってんの!!


「ヒロインとか謎の言葉を発して、私達メイドを蔑む非礼な令嬢として有名でございます」


あぁアレも前世の記憶があるんだわ。


それで勘違いしているのね。


とりあえず2人で別の控室に来て”今は1人になりたい”と言えば、イリアーノさんは持ち場に帰って行った。


種は植えた。



ラフレアが不貞を働いた噂の種。


彼女は、きっと秘密だとメイド長や王妃様に打ち明ける。


じわじわと噂は広がる。


しかも、ラフレア自身の行いも助けて悪い噂として広がる。


まさに身から出た錆ね。


「それにしても、何を考えているのかしら?あからさまにセシル様らしき男性と……………わざと?」


あの部屋は、私の為に用意された控え室だった。


あまり詳しくはないけど、ゲームや漫画のヒロインって、よく人目のつく場所で抱き着いたり、コケてキスするイメージがあるわね。


見られるのが好きなのかしか?


それに騎士や役人達とって、複数の男性と関係を持ってるヒロインって……………あぁ攻略対象者?ラフレアの中では、肉体関係を持った人物は、彼女が知っている物語の主要人物達の可能性が高いわね。


でも役人?


私達は中学校に上がったばかりの12歳で子供と言ってもいい年齢で、仕事をしている大人の騎士や役人達を攻略対象者だと思って色仕掛けをしているの?


信じられない。


前世の記憶を思い出して吐き気がする。


私の初恋の人を最悪な方法で奪い去った女。


そんな女のハニートラップに引っ掛かり、勝手に追い詰められて、私を殺した初恋の人。


もう好きだなんて思わないけどね。


そっか、似ているんだわ。


前世の私と今の私。


さて………これから、どうしようかしら?


これからの事を思案していました。


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