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目標 クリスマス

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 そのことが、自信になったのか、放課後、毎日一緒に帰ってる詩織からは「祐一君、最近顔が活き活きとしてる。なんだか逞しくなった感じがする」とまで言われるまでになっていたのだった。

 それは、まもなく詩織の処女を奪うための作戦を決行する布石になることを意味していた。

 
 それから、三週間後には、私はついに20分越えを達成したのだった。

 
 ちょうど、季節は移り代わり、クリスマスまで二週間をきった木曜日の出来事であった。

 僕は、詩織に“メリークリスマスならぬメリークリトリス”を言える絶好のチャンスを迎えようとしていたのだった。いよいよ行動の時に入ったのである。

 自ら編み出した“妄想内母親召喚ストッパー技”に大いに満足していた。

 何度も挫折しそうになっていただけに喜びは一入であった。

 あとは、詩織を口説いて目的を達成するだけである。

 

 ストッパー技を会得して以来、頭はトレーニングから思考が変わり、詩織の処女をいかに奪い去るかにシフトチェンジしていた。

 

 僕の頭は、出来ればクリスマスまでには処女を頂きたい。最悪でもクリスマスには頂戴する皮算用であった。

 幸いにも、考える時間は退屈な授業時間を使えば山のようにある。

 

 授業中に詩織をいかに口説いて、キスから始まるABCの展開に持ち込むことばかり考えていた。

 とりあえず、まずはキスをしないといけない。いや、したいのであった。

 そこで、まずはキスをする場所から考えないといけない。

 帰り道でムードを作って行うべきか、それとも、どちらかの自宅の部屋でするべきか、迷うところである。

 でも、どちらかといえば、室内の方がキスから先に進めるチャンスがあるような気がする。

 

 それに、この時期の帰り道は寒風が吹きすさんでいるので、寒くてそれどころじゃないのが現実である。

 そういうことで、キスをする場所は室内だと、勝手に決定させた。

 次に、室内でキスを挑むことにするとして、どちらかの家に行く口実を考えないといけない。

 

 詩織の家は、あの娘バカの親父さんがいるかも知れないので避けたいところであるからして、実行するとしたら、自分の家ってことに必然的に決定する。

 ちょうど、都合のいい事に期末試験前なので部活は休みである。詩織に勉強を教えてくれと頼めば、詩織は嫌な顔をせずに自宅に来てくれることだろう。

 そこで、いいムードを作れば、キスぐらいは……たやすく出来るのではないだろうか。そして、あわよくば……私は股間が膨らむ妄想で授業どころではなくなっていた。

 詩織とのことを考えて、つい、にやけてしまっていた。

 同級生の誰かに見られたのではないかと心配になり周囲を確認してみると、同級生達はみんな、期末テストに出るかもしれない授業内容に夢中で私のことなど眼中にはない様子であった。

 本来なら、同級生達と同じように、授業に集中して試験に備えないといけないのだが、僕の頭は下半身の欲求に完全支配されていたため授業を真面目に聞く耳は持ち合わせていなかったのだ。とにかく、詩織とのことで頭がいっぱいであってしてそれどころでは無かったのである。
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