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暁を覚えない春眠編
誕プレを買いに行く
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放課後。
明日、毛利さんの誕生日なので何かプレゼントを買わないといけないので、池袋までやって来た。
昨夜、雪乃から来たLINEメッセージでのサプライズの内容に少々困惑していたので、プレゼントを買うのを忘れるところだったよ。
危ない、危ない。
昨年、僕の誕生日に毛利さんからのプレゼントがSF小説だったので、僕からの誕プレも本でいいかなと思っている。
というわけで、池袋のジュンク堂までやって来た。
どの本にしようか?
少し考えた挙句、毛利さんは中国の作家にも興味があるようだったので、中国人の劉慈欣《りゅうじきん》のSF『三体』にした。
先日、毛利さんの部屋に行った時に本棚に無かったようだし、たぶん彼女はSFは読んでないだろうと思ったから。
自分の趣味も入ってしまっているが、これで良いことにする。
その本を手にし、購入のためレジに並んでいると、後ろから肩を叩かれた。
振り返るとそこにいたのは、占い研で生徒会庶務の松前先輩だ。
今日も神秘的な雰囲気を醸し出している。
この人は、なんでいつもこんなオーラが出ているんだろうか…?
「あ。ど、どうも。こ、こんなところで会うなんで…、奇遇…ですね」
突然だったので、無意味に僕はしどろもどろになった。
「元気? 最近は悩みはどう?」
一方の松前先輩は、はっきりと笑顔で話しかけて来た。
松前先輩には、先日、お悩み相談をしてもらったんだっけ。
「最近は…、あまり悩みは無いです」
「それは良かったわね。女の子たちとも仲良くやってるみたいだし」
「女の子たちって…?」
「ほら、お昼休みに体育館でお弁当を食べている2人よ」
「ああ…」
毎週金曜の雪乃と毛利さんとのお弁当交換会、新聞部のXで晒されてたんだった。
おかげで、ぼほ全校生徒が知っている。
「私のアドバイスを聞いて3人で付き合っているのかしら?」
「えっ?!」
僕は驚いたが、お悩み相談の時に松前先輩は『3人で付き合うのも、あり』みたいなことを言ってのを思い出した。
「い、いえ…。僕らは付き合っているわけではないですよ」
「あら、そう...。ところで、この後、時間ある?」
「ありますが…」
「じゃあ、ちょっと話したいことがあるから、近くでコーヒーでも飲まない? おごるから」
「はい、いいですよ」
何の用だろう?
僕と松前先輩はレジで会計を終わらせると、一緒に移動する。
ジュンク堂の横にある東《あずま》通りを少々行ったところにあるカフェに入った。
僕らは、カウンターで飲み物を注文すると席についた。
「ところで、なんの本を買ったの?」
早速、松前先輩は尋ねて来た。
「SF小説です」
「そういえば、SFが好きって言ってわね」
「はい。でもこれは、誕生日プレゼントで、あげるために買ったんです」
「そうなの? 誰の誕生日?」
「毛利さんです。歴史研でサプライズで誕生祝いをやることになっています」
「へー。歴史研ってみんな仲が良いわね」
「そうですかね…? 占い研、松前先輩も蠣崎先輩と仲いいじゃないですか」
「私たちは付き合ってるから」
そう言って、松前先輩は前髪をかき上げるとコーヒーを一口飲んだ。
そして、話題を変えて来た。
「私がカウンセラーを目指しているのは覚えてる?」
「はい。覚えています」
「実は、最近カウンセリングの延長で、催眠術を研究しているのよ」
「催眠術?」
「そう、催眠術。それで、実験台になってくれないかしら?」
「えっ?!」
実験台とか、絶対嫌な結果が待ち構えているに違いない。
「いや、それはちょっと…、遠慮します」
「そう、それは残念ね」
「気が変わったら、お願いしたいわね」
「はあ…」
気が変わることは無いと思う。
「あとね」
松前先輩は、さらに話題を変える。
「生徒会で古い資料の整理をしようと思っているのよ」
「はい」
「資料を全部、電子化しようって検討中なのよ」
「電子化?」
「紙の資料をスキャンしてPDFデータか何かで保存しようって。それだと場所も取らないでしょ?」
「確かにそうですね」
「それはPCを使ってやるんだけど…」
そう言って、松前先輩は微笑んだ。
あっ。
PCを使う仕事は僕の担当になるんだっけ?
「私たちもPCを触るんだけど、慣れている武田君のほうが圧倒的に作業効率がいいと思うのよ」
「はあ。多分、そうですね」
「織田さんが、最近、武田君が暇しているっていってたし」
この前の日曜日、撮影の後、雪乃にうっかり『手伝う』みたいなことを言ってしまったので、早速その情報が流れたのか...。
松前先輩は話を続ける。
「まだ生徒会で検討中だけど、決定したら正式にお願いするわ」
「わかりました」
余計な仕事が増えそうだな。
僕と松前先輩はもうしばらく世間話をしたら解散した。
明日、毛利さんの誕生日なので何かプレゼントを買わないといけないので、池袋までやって来た。
昨夜、雪乃から来たLINEメッセージでのサプライズの内容に少々困惑していたので、プレゼントを買うのを忘れるところだったよ。
危ない、危ない。
昨年、僕の誕生日に毛利さんからのプレゼントがSF小説だったので、僕からの誕プレも本でいいかなと思っている。
というわけで、池袋のジュンク堂までやって来た。
どの本にしようか?
少し考えた挙句、毛利さんは中国の作家にも興味があるようだったので、中国人の劉慈欣《りゅうじきん》のSF『三体』にした。
先日、毛利さんの部屋に行った時に本棚に無かったようだし、たぶん彼女はSFは読んでないだろうと思ったから。
自分の趣味も入ってしまっているが、これで良いことにする。
その本を手にし、購入のためレジに並んでいると、後ろから肩を叩かれた。
振り返るとそこにいたのは、占い研で生徒会庶務の松前先輩だ。
今日も神秘的な雰囲気を醸し出している。
この人は、なんでいつもこんなオーラが出ているんだろうか…?
「あ。ど、どうも。こ、こんなところで会うなんで…、奇遇…ですね」
突然だったので、無意味に僕はしどろもどろになった。
「元気? 最近は悩みはどう?」
一方の松前先輩は、はっきりと笑顔で話しかけて来た。
松前先輩には、先日、お悩み相談をしてもらったんだっけ。
「最近は…、あまり悩みは無いです」
「それは良かったわね。女の子たちとも仲良くやってるみたいだし」
「女の子たちって…?」
「ほら、お昼休みに体育館でお弁当を食べている2人よ」
「ああ…」
毎週金曜の雪乃と毛利さんとのお弁当交換会、新聞部のXで晒されてたんだった。
おかげで、ぼほ全校生徒が知っている。
「私のアドバイスを聞いて3人で付き合っているのかしら?」
「えっ?!」
僕は驚いたが、お悩み相談の時に松前先輩は『3人で付き合うのも、あり』みたいなことを言ってのを思い出した。
「い、いえ…。僕らは付き合っているわけではないですよ」
「あら、そう...。ところで、この後、時間ある?」
「ありますが…」
「じゃあ、ちょっと話したいことがあるから、近くでコーヒーでも飲まない? おごるから」
「はい、いいですよ」
何の用だろう?
僕と松前先輩はレジで会計を終わらせると、一緒に移動する。
ジュンク堂の横にある東《あずま》通りを少々行ったところにあるカフェに入った。
僕らは、カウンターで飲み物を注文すると席についた。
「ところで、なんの本を買ったの?」
早速、松前先輩は尋ねて来た。
「SF小説です」
「そういえば、SFが好きって言ってわね」
「はい。でもこれは、誕生日プレゼントで、あげるために買ったんです」
「そうなの? 誰の誕生日?」
「毛利さんです。歴史研でサプライズで誕生祝いをやることになっています」
「へー。歴史研ってみんな仲が良いわね」
「そうですかね…? 占い研、松前先輩も蠣崎先輩と仲いいじゃないですか」
「私たちは付き合ってるから」
そう言って、松前先輩は前髪をかき上げるとコーヒーを一口飲んだ。
そして、話題を変えて来た。
「私がカウンセラーを目指しているのは覚えてる?」
「はい。覚えています」
「実は、最近カウンセリングの延長で、催眠術を研究しているのよ」
「催眠術?」
「そう、催眠術。それで、実験台になってくれないかしら?」
「えっ?!」
実験台とか、絶対嫌な結果が待ち構えているに違いない。
「いや、それはちょっと…、遠慮します」
「そう、それは残念ね」
「気が変わったら、お願いしたいわね」
「はあ…」
気が変わることは無いと思う。
「あとね」
松前先輩は、さらに話題を変える。
「生徒会で古い資料の整理をしようと思っているのよ」
「はい」
「資料を全部、電子化しようって検討中なのよ」
「電子化?」
「紙の資料をスキャンしてPDFデータか何かで保存しようって。それだと場所も取らないでしょ?」
「確かにそうですね」
「それはPCを使ってやるんだけど…」
そう言って、松前先輩は微笑んだ。
あっ。
PCを使う仕事は僕の担当になるんだっけ?
「私たちもPCを触るんだけど、慣れている武田君のほうが圧倒的に作業効率がいいと思うのよ」
「はあ。多分、そうですね」
「織田さんが、最近、武田君が暇しているっていってたし」
この前の日曜日、撮影の後、雪乃にうっかり『手伝う』みたいなことを言ってしまったので、早速その情報が流れたのか...。
松前先輩は話を続ける。
「まだ生徒会で検討中だけど、決定したら正式にお願いするわ」
「わかりました」
余計な仕事が増えそうだな。
僕と松前先輩はもうしばらく世間話をしたら解散した。
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