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チョコレート狂騒曲編
手紙
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バレンタインデーの翌日。
いつもの様に登校をする。
校舎はいつもの平穏な雰囲気に戻っている。
教室に入ると、昨日のバレンタインで告白があったらしく、カップルが1組出来上がったらしい。それで、そのカップルが冷やかされている。
まあ、僕には関係が無いし、興味が無いのでスルーして席に座る。
午前の授業を終え、お昼休みには、いつもの様に毛利さんと弁当を食べる。
昨日の毛利さんからもらったチョコが、本命なのか義理なのかちょっと気になる。
しかし、クリスマスに彼女の告白を断っておきながら、チョコが“本命”か“義理”かなんて聞きづらくて聞いていない。
そんなわけで、他愛のない勉強の話などをしながら昼食を取っていると、突然、声を掛けられた。
「武田君」
振り向くと、将棋部の成田さんが教室に入ってきた。
成田さんが、わざわざ別クラスの教室までやってくるとは、珍しいな。
なんの用だろう?
「武田君」
成田さんは、僕の席の横に立つと話し出した。
「お昼休みにごめんなさい。昨日の帰り、げた箱にこんなものが入っていたんです」
そう言って差し出してきたのは、何か書かれた手紙。
僕は手紙を受け取って、読んでみる。
そこにはびっしりと隙間なく、ひらがなで文字が書かれていた。
内容は…。
◇◇◇
1.
そがあかぱ、さぷまやぺらくわぽちひみい
、せきいのしちにあひんけ。なみいざりい
ふぉぽむーる。すおこつこそとろよーれえ
さぎうくすつぬさふむゆえにるうのほもよ
ぱとぴのんぺしえけせてねへめえらぷれえ
ぐあかぱさたかぴなしまはぷまやぺらわぽ
。きいきしちにじすりいたぴなはふぉぽる
かげおこそせとぶーなていほもよおろよ。
いうくすずうつぬ、ふそむえゆるぜかうを
あごえけせてねへ●めえとわぱとたぴら。
2.
中庭のタイル、一番端から。
Р
◇◇◇
「これは…?」
「全く意味が、わからないです」
成田さんは首を傾げた。
ぱっと見では意味のある文章とは思えないし、法則性も感じられない。
そうえば、こういうので、文字の並びの縦・横・斜めで、意味のある単語を作っていくっていうパズルなかったっけ?
少し見ても何か意味があるような単語がすぐに見つからない。
そして、何で伏字が1つ…?
「うーん…。僕もわからないな…」
横から毛利さんも手紙を見る。
僕は、毛利さんに尋ねた。
「どう? わかる?」
「全然わからない」
毛利さんも首を傾げた。
「でも、よくあるのは、3文字おきに文字を拾っていくと、意味のある文章になるとか…」
早速、3文字ずつ文字を拾ってみるも…。
“そかさやくちいいしあけみり”
意味わならんな。
「多分、そうじゃないね。あとは…、中庭のタイル?」
「中庭ってタイル状に舗装してあるじゃない?」
毛利さんが指摘する。
「だよね」
暖かい時期は、中庭のベンチにたまに行っていたので、そのタイル舗装はよく覚えている。
「でも、それがどういう意味を持つのかわからないな」
「これが武田君が言っていた“手紙”なのではないでしょうか?」
成田さんは言う。
「うん。差出人の名前が“P”だから、きっと、そうだよ。これ預かっててもいいかな?」
「どうぞ。あと、これも」
彼女が手渡してきたのは手紙が入っていたであろう封筒と将棋の駒。
駒を見ると、それは“桂馬”だった。
「これは?」
「駒は、手紙の封筒の中に一緒に入っていたの」
「ふーん」
さっぱりわからないが、何か意味があるのだろう。
「ええと…、新聞部と協力してこの謎を解明してるんだけど、手紙を部長の片倉先輩に見せてもいいかな?」
成田さんは手紙を僕に手渡した後、目を輝かせて話し出した。
「はい! でも、誰が、こんなことを、何のためにするのか…。私、気になります!」
「お、おう…。だよね…。じゃあ、近いうちに片倉先輩に会おうと思うんだけど、一緒に行く?」
「是非!」
成田さんは嬉しそうに笑って言った。
「私も、いいかな?」
毛利さんも、謎ときが気になる様子。
「もちろんいいよ。謎解きは大勢でやった方が解決が早いかもしれないからね」
今日の放課後は、歴史研に呼び出されているから…。
「明日の放課後に、みんなで新聞部に行くのはどうだろう?」
「いいですね!」
成田さんは答えた。
成田さんは用が済むと、満足そうに教室を出て行った。
僕と毛利さんは昼食を終えて、午後の授業の準備を始める。
いつもの様に登校をする。
校舎はいつもの平穏な雰囲気に戻っている。
教室に入ると、昨日のバレンタインで告白があったらしく、カップルが1組出来上がったらしい。それで、そのカップルが冷やかされている。
まあ、僕には関係が無いし、興味が無いのでスルーして席に座る。
午前の授業を終え、お昼休みには、いつもの様に毛利さんと弁当を食べる。
昨日の毛利さんからもらったチョコが、本命なのか義理なのかちょっと気になる。
しかし、クリスマスに彼女の告白を断っておきながら、チョコが“本命”か“義理”かなんて聞きづらくて聞いていない。
そんなわけで、他愛のない勉強の話などをしながら昼食を取っていると、突然、声を掛けられた。
「武田君」
振り向くと、将棋部の成田さんが教室に入ってきた。
成田さんが、わざわざ別クラスの教室までやってくるとは、珍しいな。
なんの用だろう?
「武田君」
成田さんは、僕の席の横に立つと話し出した。
「お昼休みにごめんなさい。昨日の帰り、げた箱にこんなものが入っていたんです」
そう言って差し出してきたのは、何か書かれた手紙。
僕は手紙を受け取って、読んでみる。
そこにはびっしりと隙間なく、ひらがなで文字が書かれていた。
内容は…。
◇◇◇
1.
そがあかぱ、さぷまやぺらくわぽちひみい
、せきいのしちにあひんけ。なみいざりい
ふぉぽむーる。すおこつこそとろよーれえ
さぎうくすつぬさふむゆえにるうのほもよ
ぱとぴのんぺしえけせてねへめえらぷれえ
ぐあかぱさたかぴなしまはぷまやぺらわぽ
。きいきしちにじすりいたぴなはふぉぽる
かげおこそせとぶーなていほもよおろよ。
いうくすずうつぬ、ふそむえゆるぜかうを
あごえけせてねへ●めえとわぱとたぴら。
2.
中庭のタイル、一番端から。
Р
◇◇◇
「これは…?」
「全く意味が、わからないです」
成田さんは首を傾げた。
ぱっと見では意味のある文章とは思えないし、法則性も感じられない。
そうえば、こういうので、文字の並びの縦・横・斜めで、意味のある単語を作っていくっていうパズルなかったっけ?
少し見ても何か意味があるような単語がすぐに見つからない。
そして、何で伏字が1つ…?
「うーん…。僕もわからないな…」
横から毛利さんも手紙を見る。
僕は、毛利さんに尋ねた。
「どう? わかる?」
「全然わからない」
毛利さんも首を傾げた。
「でも、よくあるのは、3文字おきに文字を拾っていくと、意味のある文章になるとか…」
早速、3文字ずつ文字を拾ってみるも…。
“そかさやくちいいしあけみり”
意味わならんな。
「多分、そうじゃないね。あとは…、中庭のタイル?」
「中庭ってタイル状に舗装してあるじゃない?」
毛利さんが指摘する。
「だよね」
暖かい時期は、中庭のベンチにたまに行っていたので、そのタイル舗装はよく覚えている。
「でも、それがどういう意味を持つのかわからないな」
「これが武田君が言っていた“手紙”なのではないでしょうか?」
成田さんは言う。
「うん。差出人の名前が“P”だから、きっと、そうだよ。これ預かっててもいいかな?」
「どうぞ。あと、これも」
彼女が手渡してきたのは手紙が入っていたであろう封筒と将棋の駒。
駒を見ると、それは“桂馬”だった。
「これは?」
「駒は、手紙の封筒の中に一緒に入っていたの」
「ふーん」
さっぱりわからないが、何か意味があるのだろう。
「ええと…、新聞部と協力してこの謎を解明してるんだけど、手紙を部長の片倉先輩に見せてもいいかな?」
成田さんは手紙を僕に手渡した後、目を輝かせて話し出した。
「はい! でも、誰が、こんなことを、何のためにするのか…。私、気になります!」
「お、おう…。だよね…。じゃあ、近いうちに片倉先輩に会おうと思うんだけど、一緒に行く?」
「是非!」
成田さんは嬉しそうに笑って言った。
「私も、いいかな?」
毛利さんも、謎ときが気になる様子。
「もちろんいいよ。謎解きは大勢でやった方が解決が早いかもしれないからね」
今日の放課後は、歴史研に呼び出されているから…。
「明日の放課後に、みんなで新聞部に行くのはどうだろう?」
「いいですね!」
成田さんは答えた。
成田さんは用が済むと、満足そうに教室を出て行った。
僕と毛利さんは昼食を終えて、午後の授業の準備を始める。
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