雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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迷走する新春編

毛利さん家訪問

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 週が明けて月曜日。
 週末の旅の疲れが残っているので、眠いし、だるい。
 午前の授業中は、少し寝てた。

 寝ている場合じゃない。
 今日は放課後、毛利さんの家に行って、イチャつく計画があるのだ。
 午後の授業はその事ばかり考えていて、授業は上の空だった。

 そんなこんなで放課後。
 僕は隣の席の毛利さんに声を掛けた。
「じゃあ、行こうか?」

「うん」
 毛利さんは返事した。

 というわけで、僕らは連れ立って移動する。
 学校から雑司が谷駅まで、そこから地下鉄で小竹向原駅まで。
 小竹向原駅からさらに徒歩で10分程度、閑静な住宅地の中の一軒家、毛利さんの家に到着した。
 僕は、自分の方から毛利さんの家に行きたいと言っておきながら、少し緊張している。

 毛利さんの後に続いて玄関から入ると、早速、毛利さんのお母さんが出て来た。
 僕は挨拶する。
「こ、こんにちは…、お、お邪魔します」

「武田さん、いらっしゃい。おいでになるのは聞いてましたよ」
 お母さんは愛想よく対応してくれる。
 僕は、お母さんと少しだけ話をして、家に上がると2階の毛利さんの部屋へ。

 毛利さんの部屋。
 カーテンとか、カーペットとか、ベッドシーツが淡いピンクで統一されていた。
 予想に反して、女子っぽい。もうちょっと無機質な感じを予想していたのだが…。
 部屋の隅には大き目の本棚が2つ。

「着替えて来るから、待ってて」
 毛利さんはそう言って、僕を一人残して去って行った。

 その間、本棚の蔵書を少し見させてもらう。
 夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治…、
 シェイクスピア、ヘミングウエイ…、
 陳舜臣、魯迅…、
 大江健三郎、カズオ・イシグロ…、
 ドイル、クリスティー…、

 しかし、凄い量だな。
 端っこに少女漫画が少しだけあったので、なんか安心した。

 毛利さんが、お茶菓子をのせたトレイを手に戻ってきた。
 服は着替えて、白いブラウスに黒のロングスカート。大人っぽい感じ。

 僕は蔵書について、思わず尋ねた。
「これ、全部、読んだの?」

「うん、読んだ」

 改めて凄いと思った。

 僕らは、部屋の真ん中に置いてあるローテーブルを挟んで座る。
 そして、お茶とお菓子を頂きながら、小一時間ほど世間話をして過ごした。

 途中、毛利さんは話題を変えた。
「今日はどうして、私の家に来たいって思ったの?」

 まあ、当然の疑問だろう。
 通常、僕は面倒なので自分の方から他の人の家に行きたいということはない。
 今日の理由としては、『毛利さんとイチャつきたい』なのだが、そんなことを言えるわけもなく。
「えーと…。いつも、毛利さんが僕の部屋に来るじゃない? たまには、毛利さんの部屋も見てみたいな…、と思っただけ」

「そう…」

 なんか疑われている?
 まあ、いいや。
 ここから、自然な流れでイチャつくには、どうすれば…?
 少し考える。

「どころで」
 毛利さんが、また話しかけて来た。
「昨日、細川さんと寝てたね」

 その話題かよ…。

「あれは、彼女がいたずらで布団の潜り込んできただけで…。毛利さんもいたずらするところを見てたんでしょ?」

「見てたけど…。それと、移動中も細川さんとずっと一緒にいて話してたよね?」

「移動中…? そうだっけ…? まあ、添い寝は毛利さんだって、僕と2回も添い寝したじゃん?」
 大晦日で僕の家、そして、その数日後に雪乃の家に泊まった時だ。
 添い寝というより、ハグしたんだが。それでいいでしょ?

「そうだけれど…」
 毛利さん、ちょっと不満そう。

 うん? これはイチャつくチャンスなのでは?
「じゃあさ…、続き、しようか?」
 僕は提案する。

「続き?」

「そう、添い寝の続き」

「…いいよ…」

 僕らはおもむろにベッドに座る。
 そしてハグする。
 これは…、もっと先も行けるのでは?

 僕は毛利さんをそっとベッドに押し倒した。
 そして、尋ねた。
「胸、触ってもいい?」

「うん」
 毛利さんは恥ずかしそうに頷いた。

 僕は手を伸ばして、胸を掴む。
 うむ…。
 やはり雪乃より小さいな…。
 そして、雪乃の時はノーブラでパジャマ上からだったので、感触がより直接に近かったが、今回はブラウスとブラの上。
 という訳で、僕は尋ねた…。
「直接、触っても良いかな?」

「えっ? ダメだよ」

「いいじゃん?」

「お母さんが来るよ」

「大丈夫、大丈夫」
 何が大丈夫なのかは、自分で言ってて不明なのだが、構わず毛利さんのブラウスのボタンを外しにかかる。

 ボタンを2つ外したところで、毛利さんのブラが見えた。
 予想に反して水色のブラだった。
 白じゃない!? 次回から夢に毛利さんが出てくるときは補正されるだろう。

 さらにボタンをはずしにかかる。
 すると、階段をパタパタ上がって来るスリッパの音が。

「お母さんが来た」
 毛利さんは言う。

 僕らは慌てて離れて身を起こし、ベッドに腰かけて身なりを整える。
 ドアがノックされたので、毛利さんが招き入れると、お母さんが顔をのぞかせた。
「武田さん、晩ごはん、食べてってよ」

「え? えーと…、悪いですよ」

 僕が返事に困っていると、横から毛利さんが言う。
「いいじゃん、食べていきなよ」

 まあ、せっかくだから食べていくか。
 そして、お母さん、あと10分ほど遅く来ても良かったのだが…。
 僕は、自分の母親と妹に毛利邸で晩ごはんを食べて帰るとLINEする。

 その後は、何事もの無かったように世間話を再開し、さらに1時間と少し経って、毛利さんのお父さんも帰宅したので挨拶する。
 そして、毛利家族に混ざって晩ごはんを頂いた。
 お父さんが友好的で助かった。

 晩ごはんも食べ終わって、少しだけ毛利さんの両親と話をする。
 両親と話をするのは気を遣うので、疲れる。
 そして、良い時間になって来たので、帰宅することにした。

 帰り際、毛利さんが尋ねた。
「駅まで、道、わかる?」

「多分、大丈夫」
 毛利さんとは玄関で別れた。

 そして、帰宅した。
 実は、毛利邸から駅まで、少し迷った。

 自室で部屋着に着替えると、ベッドに横になって考える。
 思ったほど、イチャつけなかったな。
 これを反省して、イチャつく場所について再検討しなければいけないなと考えている。
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