240 / 409
悪夢の奴隷生活編
お城巡りに追加参加者
しおりを挟む
翌日の朝。
今日は、4人分の弁当を用意しなければならない。
昨日のうちに雪乃の分の弁当箱を預かっていたので、今日の分から彼女の分が追加となっている。
弁当作りは面倒なので、例によって、今日も昨日の残りとレンジで作る冷凍食品だ。
そんなこんなで、無事、弁当は完成して登校した。
そして、午前の授業が終わり、昼休みは今日は歴史研の部室に雪乃もやって来て弁当を食べることになった。
僕は、パンを購買で入手。
伊達先輩、上杉先輩、毛利さんに、雪乃が混ざっているのは、ちょっと変な感じだ。でも、4人で仲良くしている様子。
雪乃は僕の作った弁当を食べて感想を言う。
「おいしい!」
それは良かった。
そうは言っても冷凍食品が美味しいのは食品メーカーのおかげだからな。
4人の女子トークを横で聞きながら、僕はパンを食べている。
「ところで」
雪乃が尋ねる。
「最近、純也がお弁当を作っているのはなんでなんですか? それに散歩もしてるじゃないですか? 上杉先輩の命令って聞いてますけど、どうして、そう言う事になったんですか?」
「ああ、それはね…」
上杉先輩が答えようとするのを僕は咄嗟に横から妨害する。
「な、なんでもいいじゃん!」
僕が上杉先輩の胸を触ってしまったからというのを知られたくない。
「えー。教えてよ」
雪乃が不満そうに言う。
「別に言ってもいいじゃん?」
上杉先輩はちょっとニヤつきながら僕の方を向いた。
「織田さんとは、もっとすごいことしてたんでしょ?」
「してません」
すごいことをしていないので当然、否定する。
「えっ? すごいこと?」
織田さんは少し考えて続けた。
「私とすごいこと…? そうかー。純也、先輩にエッチな事してしまったんだね」
なぜわかる?
それでも僕は誤魔化す。
「してないよ」
「まあ、キミと織田さんがやってたことに比べたら、蚊に刺されたようなもんかもね」
上杉先輩は弁当を頬張りながら言う。
「“蚊に刺されたぐらい”の事なら、奴隷を終了してくださいよ」
「それはダメ」
「それに僕と織田さんは、そんなにすごいことしてません」
「それで、具体的には何をやったんですか?」
雪乃はさらに突っ込んで上杉先輩に質問をする。
「アタシの胸を触ったんだよ」
上杉先輩は間髪入れずに答えた。
ああ、雪乃にばれてしまったよ…。
「えっ?! 痴漢?!」
雪乃はあきれる様に言った。
「そう、犯罪者だよ。だから、通報する代わりに1か月間奴隷をやらせてるんだよ」
「寝ぼけててたので、不可抗力だよ!」
僕は一応、自己弁護する。
それを聞こえなかったかのように雪乃は少し考えてから言う。
「そうなんですね…。じゃあ、無理もないですね」
そして、続けた。
「純也、わたしの胸、いつでも触っていいから、ずっと私の奴隷やってよ」
僕は雪乃の提案内容に驚く。
「何、言ってんだよ! そんなことはしない!」
上杉先輩が笑いながら言う。
「やりなよ。お触りし放題とか夢のようじゃん? それに、しばらく奴隷やってたから、服従するのに目覚めたんじゃない?」
「目覚めてませんよ…」
夢のお触りし放題より、地獄の奴隷生活の方が重い。
それより上杉先輩が本格的にSに目覚めてないのか心配だ。
被害を被るのは僕だからな。気を付けないと。
「それに、雪乃、いつでも胸触っていいとか、誰にでもそんなこと言ってるのかよ?」
「誰にでもじゃあないよ。前に言ったでしょ、もう前みたいに男漁りはしてないから。触らせるのは純也だけ」
「のろけないでよ」
上杉先輩がニヤつきながら言う。
のろけているわけじゃあない。
そして、雪乃ももう僕は彼氏(仮)じゃあないんだから、そう言う発言は控えてほしいな。
いや、彼氏(仮)の時ですら胸に触っていないぞ。
「ともかく触らないから」
僕は強く言った。
「遠慮しなくてもいいのに」
雪乃は残念そうにしている。
「遠慮じゃない」
「そう言えば」
雪乃が話題を変える。
「冬休みに歴史研でお城巡りするって歩美から聞きましたけど、大阪方面でしたっけ?」
「そうよ」
伊達先輩が答える。
「今週末で舞台が終わるから、冬休み中は演劇部は休みなんですよ。あたしもお城巡りに着いて行ってもいいですか? 確か4泊5日でしたっけ?」
「えっ?!」
驚いた僕は思わず声が出てしまった。
お城巡りについて来るだと…?
僕の驚きに構わず、伊達先輩は答える。
「あら。良いわよ。旅館は和室一部屋で予約してるけど、一人増えても多分大丈夫でしょうから。でも、移動の旅費は歴史研から出せないわ。それは織田さんの自腹でよければ」
「多分、旅費、何とかできます。今度の舞台にお客さん沢山来そうなので、黒字になりそうだし、そこから捻出します」
「舞台っていつやるの?」
上杉先輩が尋ねた。
「今週、金曜の夜、土曜の昼と夜、日曜の昼と夜の計5回公演です。ちなみに、純也と歩美は土曜の昼の部に来てくれます」
「じゃあ、あたしらも土曜の昼に行く?」
上杉先輩はそう言って伊達先輩の方を向いた。
「そうね。行きましょう」
「ありがとうございます!」
雪乃は嬉しそうに礼を言った。
僕の方はちょっと憂鬱になった。
伊達先輩と上杉先輩に会うっていうことは、クリスマスプレゼントを用意する必要があるのか?
この2人には、プレゼントをあげなくてもいいか…? うーん…。
さて、どうしたものか?
そして、雪乃がお城巡りに参加か…、一体どうなることやら。
そんなことを話しているうちに昼食も食べ終わり、昼休みは終了となった。
各自、教室へ戻って行く。
今日は、4人分の弁当を用意しなければならない。
昨日のうちに雪乃の分の弁当箱を預かっていたので、今日の分から彼女の分が追加となっている。
弁当作りは面倒なので、例によって、今日も昨日の残りとレンジで作る冷凍食品だ。
そんなこんなで、無事、弁当は完成して登校した。
そして、午前の授業が終わり、昼休みは今日は歴史研の部室に雪乃もやって来て弁当を食べることになった。
僕は、パンを購買で入手。
伊達先輩、上杉先輩、毛利さんに、雪乃が混ざっているのは、ちょっと変な感じだ。でも、4人で仲良くしている様子。
雪乃は僕の作った弁当を食べて感想を言う。
「おいしい!」
それは良かった。
そうは言っても冷凍食品が美味しいのは食品メーカーのおかげだからな。
4人の女子トークを横で聞きながら、僕はパンを食べている。
「ところで」
雪乃が尋ねる。
「最近、純也がお弁当を作っているのはなんでなんですか? それに散歩もしてるじゃないですか? 上杉先輩の命令って聞いてますけど、どうして、そう言う事になったんですか?」
「ああ、それはね…」
上杉先輩が答えようとするのを僕は咄嗟に横から妨害する。
「な、なんでもいいじゃん!」
僕が上杉先輩の胸を触ってしまったからというのを知られたくない。
「えー。教えてよ」
雪乃が不満そうに言う。
「別に言ってもいいじゃん?」
上杉先輩はちょっとニヤつきながら僕の方を向いた。
「織田さんとは、もっとすごいことしてたんでしょ?」
「してません」
すごいことをしていないので当然、否定する。
「えっ? すごいこと?」
織田さんは少し考えて続けた。
「私とすごいこと…? そうかー。純也、先輩にエッチな事してしまったんだね」
なぜわかる?
それでも僕は誤魔化す。
「してないよ」
「まあ、キミと織田さんがやってたことに比べたら、蚊に刺されたようなもんかもね」
上杉先輩は弁当を頬張りながら言う。
「“蚊に刺されたぐらい”の事なら、奴隷を終了してくださいよ」
「それはダメ」
「それに僕と織田さんは、そんなにすごいことしてません」
「それで、具体的には何をやったんですか?」
雪乃はさらに突っ込んで上杉先輩に質問をする。
「アタシの胸を触ったんだよ」
上杉先輩は間髪入れずに答えた。
ああ、雪乃にばれてしまったよ…。
「えっ?! 痴漢?!」
雪乃はあきれる様に言った。
「そう、犯罪者だよ。だから、通報する代わりに1か月間奴隷をやらせてるんだよ」
「寝ぼけててたので、不可抗力だよ!」
僕は一応、自己弁護する。
それを聞こえなかったかのように雪乃は少し考えてから言う。
「そうなんですね…。じゃあ、無理もないですね」
そして、続けた。
「純也、わたしの胸、いつでも触っていいから、ずっと私の奴隷やってよ」
僕は雪乃の提案内容に驚く。
「何、言ってんだよ! そんなことはしない!」
上杉先輩が笑いながら言う。
「やりなよ。お触りし放題とか夢のようじゃん? それに、しばらく奴隷やってたから、服従するのに目覚めたんじゃない?」
「目覚めてませんよ…」
夢のお触りし放題より、地獄の奴隷生活の方が重い。
それより上杉先輩が本格的にSに目覚めてないのか心配だ。
被害を被るのは僕だからな。気を付けないと。
「それに、雪乃、いつでも胸触っていいとか、誰にでもそんなこと言ってるのかよ?」
「誰にでもじゃあないよ。前に言ったでしょ、もう前みたいに男漁りはしてないから。触らせるのは純也だけ」
「のろけないでよ」
上杉先輩がニヤつきながら言う。
のろけているわけじゃあない。
そして、雪乃ももう僕は彼氏(仮)じゃあないんだから、そう言う発言は控えてほしいな。
いや、彼氏(仮)の時ですら胸に触っていないぞ。
「ともかく触らないから」
僕は強く言った。
「遠慮しなくてもいいのに」
雪乃は残念そうにしている。
「遠慮じゃない」
「そう言えば」
雪乃が話題を変える。
「冬休みに歴史研でお城巡りするって歩美から聞きましたけど、大阪方面でしたっけ?」
「そうよ」
伊達先輩が答える。
「今週末で舞台が終わるから、冬休み中は演劇部は休みなんですよ。あたしもお城巡りに着いて行ってもいいですか? 確か4泊5日でしたっけ?」
「えっ?!」
驚いた僕は思わず声が出てしまった。
お城巡りについて来るだと…?
僕の驚きに構わず、伊達先輩は答える。
「あら。良いわよ。旅館は和室一部屋で予約してるけど、一人増えても多分大丈夫でしょうから。でも、移動の旅費は歴史研から出せないわ。それは織田さんの自腹でよければ」
「多分、旅費、何とかできます。今度の舞台にお客さん沢山来そうなので、黒字になりそうだし、そこから捻出します」
「舞台っていつやるの?」
上杉先輩が尋ねた。
「今週、金曜の夜、土曜の昼と夜、日曜の昼と夜の計5回公演です。ちなみに、純也と歩美は土曜の昼の部に来てくれます」
「じゃあ、あたしらも土曜の昼に行く?」
上杉先輩はそう言って伊達先輩の方を向いた。
「そうね。行きましょう」
「ありがとうございます!」
雪乃は嬉しそうに礼を言った。
僕の方はちょっと憂鬱になった。
伊達先輩と上杉先輩に会うっていうことは、クリスマスプレゼントを用意する必要があるのか?
この2人には、プレゼントをあげなくてもいいか…? うーん…。
さて、どうしたものか?
そして、雪乃がお城巡りに参加か…、一体どうなることやら。
そんなことを話しているうちに昼食も食べ終わり、昼休みは終了となった。
各自、教室へ戻って行く。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
「学校でトイレは1日2回まで」という校則がある女子校の話
赤髪命
大衆娯楽
とある地方の私立女子校、御清水学園には、ある変わった校則があった。
「校内のトイレを使うには、毎朝各個人に2枚ずつ配られるコインを使用しなければならない」
そんな校則の中で生活する少女たちの、おしがまと助け合いの物語
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる