雑司ヶ谷高校 歴史研究部!!

谷島修一

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眩暈する秋涼編

怪文書

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 僕は生徒会室に貼られていた紙を読んでみる。

 ◇◇◇

 今年の雑司祭も上手くいった。
 来年も上手くいくだろう。

 来年は、
 1.CROWNから奪う
 2.F(人生、宇宙、すべての答え/3)に通う者への手紙を見ろ

 もし、私を捕まえることができた者には報酬を与える。
 報酬は1.57M。
                           Р
 ◇◇◇

「伊達先輩、これは何ですか?」
 僕は、妙なことが書いてある紙を指さして尋ねた。

「ああ、それね。それが学園祭の最中に届いた“怪文書”よ」

「そう言えば怪文書が届いたって、言ってましたね」

「見ての通り、良くわからないのよ」

「この部分」
 僕は文章の“2”の部分を指さして言う。
「“42”です」

「何の事?」

「“人生、宇宙、すべての答え”です」

「どうして、42になるの?」
 伊達先輩は不思議そうに尋ねた。

「これはSF好きなら、大抵知ってる有名な話です。『銀河ヒッチハイクガイド』という作品に出て来るネタですね」

「へー、武田君ってSF好きなんだ?」
 松前先輩が割り込んで来た。

「私と見に行った映画もSFだったわね」
 伊達先輩が言う。
 そういえば、6月に伊達先輩に誘われて映画を見たんだった。
 そして、その後、公園で頬にキスされたのを、不意に思い出した。それで、ちょっと動揺した。
「そ、そ、そうでしたね」

「なに~? 2人、いつの間にデートしたの?」
 松前先輩が、からかうように言う。

「いやいやいやいや、あれはデートじゃないですよ」
 僕は、あわてて否定する。

 僕の動揺を無視するかのように、伊達先輩は話題を怪文書に戻した。
「ということは、“F(42/3)に通う者への手紙”ということね」

「約分して“F14に通う者への手紙”じゃない?」
 松前先輩が推理する。

「“F14に通う者”って、誰でしょう? そもそも“F14”って何でしょうか?」
 僕は首を傾げた。
 F14…、戦闘機で、そう言うのがあったような…?
 ということは、軍隊? 自衛隊に通う者とか?

「全く分からないわね。学園祭の最中は忙しかったから、無視を決め込んだのだけど」
 伊達先輩はため息をついてから言った。
「学園祭の後も、まあまあ忙しいので、そのままにしてあるわ。そもそも興味ないし」

「そうですか」
 僕はさらに文章を分析する。
「今年の“雑司祭も上手くいった”ってことは、何か盗まれたってことですか?」

「生徒会に何か盗まれたっていう届け出は、来てないわね」

「文書からすると、毎年、こういう怪文書が届けられているということでしょうか?」

「どうかしら? 前の生徒会からの引継ぎの時、そう言ったことは聞かなかったわね」

 僕は腕組をして、さらに考える。
「CROWNって王冠のことですかね? でも、そうだとすると、“CROWN『を』奪う”、じゃなくて、“CROWN『から』奪う”ってのは、文章が変ですね」

「王冠と言えば、ミスコンとイケメンコンテストの優勝者には王冠と粗品が贈られたのよ」

「へー、そうだったんですね。ちなみに、王冠って高価なものなんですか?」

「いえ、服飾部にお願いして材料費5千円程度で作ってもらったものよ。でも、別に王冠が盗まれたとか聞かないし」

「そうですか……。そうすると、“CROWN”は王冠のことではないのかな?」

「気になるの? 武田君が謎解きが得意ならやってみて」

「別に得意じゃあないですよ」
 でも、ちょっと気になるな。報酬くれるって書いてある。
 お金なのかな?
 “1.57M”って、157万円? 本当か??

 そして、最後の署名“P”。差出人のイニシャルだろうか?

「まあ、今のところ何か盗まれたという届け出が無いから、そういう届があるまで無視してもいいと思っているわ」
 伊達先輩がそう言ったところで、毛利さんの着替えが終わり、別室から出てきたので、今日のところはお開きとなった。
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