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波乱の夏休み編

小田原城(日本100名城No.23)

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 翌朝。
 旅館で朝食をとり、チェックアウトした。
 そして、島津先生の車で出発。
 熱海にある温泉を使ったプールに、繰り出した。

 女子達の水着を復習しよう。

 伊達先輩、白いワンピース。
 上杉先輩、ピンク色で大きなフリルのついたビキニ。
 毛利さん、水色のワンピース。
 島津先生、紺色の下地に花柄のワンピース。

 僕らは午前中、プールと温泉温浴で少し遊んで、昼頃には次の目的地へ向かう。

 僕は、すっかり忘れていたが、帰り道に小田原城を見ようということになっていたのだ。伊達先輩に指摘されて思い出した。
 というわけで、先生は車をお城の近くの駐車場に止めると、皆、車から降りてゾロゾロと小田原城へと向かう。

 小田原城は小田原駅からも比較的近い。
 もし電車で来ていたとしても、結構楽にたどり着けただろう。
 それにしても、毎回、先生の車でお城巡りできないのだろうか?

 そんなことを考えながら、道を進む。
 天守閣に向かう坂もそれほどではなかったので、疲れていたが何とかたどり着けた。

 小田原城は『いつまでたっても結論が出ない議論』のことを『小田原評定』という元ネタとなったお城だ。
 これは、豊臣秀吉に攻められた時、北条氏側が降伏か戦争かで議論が長引いたそうで、そこから出来た故事成語という。

 この話に、上杉先輩が乗っかって来た
「優柔不断なキミみたいな人が多かったんだねえ」

 僕が優柔不断とはどういうことだ?

「武田君は優柔不断じゃなくて、お人好しなのよ」
 伊達先輩が意見を言う。

 優柔不断に、お人好し。
 いずれにしても褒めてない。

 僕らは入城料を払って天守閣に登る。
 天守閣からは小田原の街と駿河湾も見えた。

 天守閣の側に『常盤木門SAMURAI館』という資料館があり、甲冑とかたくさん飾ってあった。

 さらに、資料館の前では、手裏剣投げ体験なんかもやっていた。
 これには上杉先輩が食いつくかなと思ったが、予想に反して食いつかなかった。
 彼女の興味は良くわからんな。

 島津先生の運転で、車は雑司ヶ谷高校の校門前に到着した。
 歴史研一行は島津先生に礼を言った後、明後日の夏休みの宿題をやるための勉強会の集合時間を決めて解散した。

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 小田原城の詳細
 https://odawaracastle.com/
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