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しおりを挟むうね、うねとスライムがティキの中で存在感を増していく。たっぷりと魔力を受けたティキの身体はもうすっかりと蕩けていて、まともに頭が働かない。でも。
「私の、遺伝子……っ」
「そ。僕とのあいだに、子ども。子ども、作りませんかっ。というか、僕以外とだなんて言わないでくださいっ、お願いしますっ」
「ぁっ!」
「古代種ちゃん……ティキちゃん……僕は、僕はっ」
ぐに、ぐにとスライムが形を変える。表面に小さなでこぼこを持った小さな触手のようなものをのばしたかと思うと、それはティキの花芽を強く擦った。瞬間、びくびくびく、と大きく身体は震え、ティキは達した。
「あ、かわいい。ティキちゃんのイキ顔、もうとろとろ。めちゃくちゃかわいい」
なんて、ロランが顔をのぞき込んできて、幸せそうに笑っている。
前髪がはらりと横に流れ、綺麗な黄金色の瞳と目があった。やってることもその言葉も全然ティキには理解できなくてめちゃくちゃだけど、この瞳は好き。
あと、たぶん、……というかゼッタイ、めちゃくちゃ好かれていることも理解はしている。
「子ども……」
「ん。ティキちゃん。僕とけっこんして、子作り、しよ? ね?」
「ぁっ……私は……使命が……」
もはや上の空みたいになりながらも、必死で主張する。
でも、その使命は。
……だめだ。言ったら終わりだ。だって。一致してしまう。彼の目的と。全部!
「使命? なにか、やらねばならない? なんです、全部僕が解決しますからっ、頑張りますからっ」
「ぁ、でも、でも……っ」
「?」
「もっと、こんな。今日はじめてあったひとと……っ」
「大丈夫、ほら、教えて、ティキちゃん。君が抱えてる全部、僕に教えて?」
にちにち、にちにち。ティキのなかに動くものがある。
直接魔力を照射されて火照る身体――容赦ない官能に、ティキは呻いた。
くにくにとスライムは形を変え、ティキのいいところを刺激していく。
身体を捩りながらも、その官能でとろとろになった表情をのぞき込まれ、ティキは口を引き結んだ。
なんて綺麗な瞳。
目が隠れているとただの挙動不審にしか見えないのに、彼の瞳は澄んでいて、吸い込まれそうで。
「ティキちゃん?」
こつり、とおでこをぶつけられ、まるで懇願されるような目を向けられて。そのまま何度もキスをされると、もう、なにも考えられなくなる。
「子ども……銀命族の血を……次代にっ」
「――ん。それが使命なんだね? わかった。わかったよ、ティキちゃん。やっぱり僕たち、考えることも同じ。やらなきゃいけないことも同じ。ぴったりだ?
きっと神さまが、僕たちをひきあわせてくれたんだね?
うん。やっぱり、検査。検査必要だね。ちょっと気持ちよすぎるかもだけど、ちゃんと検査しようね?」
ちゅ、と優しくティキに口づけたロランは、上半身を起こした。離れていく彼の熱を少しさみしく感じてしまい、ティキは瞬く。
そして彼は少し、言葉づかいを変えた。
まるでティキに言い聞かせるように。よしよしと、宥めるように。
「少し、膣の中を見せてもらうからね?」
「んっ……!」
彼は胸もとのポケットに入れていたペンライトを取り出し、透明なスライムによって広げられたティキの膣内を照らす。
かち、かち、とスイッチを切り替えながら、ただ照らすだけでなくて、魔力を直接照射させる形で、その先端をスライムにくっつける。
瞬間、感じたことのない快感が一気にティキの神経を刺激した。
「あっ……ああああっ!」
「しっかり検査していい子を生もうね? 古代種……ううん、銀命族ちゃんの血を、ちゃあんと次につなげないとね?」
「や、や、や、やあ……っ」
「ティキちゃん。我慢だよ、いい子いい子。一族の使命、叶えるんでしょ?」
「使命……んんっ、使命っ」
「僕ちゃあんとお手伝いするからね。僕との子ども、いっぱい産もうね? 僕、がんばって全員、大切に養うから」
にち、にち、とスライムが奥へと進む。
ねっとりと貼りつくような動きに、ますます快感が押しよせる。
処女膜を傷つけない……なんて彼は言ったけれども本当だろうか。快感と不安で、ティキが両目にいっぱい涙を溜めた。
「はじめて、なのに……」
「ううん、これははじめてじゃないよ。ただの検査。ティキちゃんのはじめては、ちゃあんとこのあと、僕が大事に大事にもらうからね?」
「はじめてじゃ、ない……?」
「うん。ちがうよ。全然ちがうからっ。――――うん、膣には異常ないね? よかった。次はおしりだけど――」
その前に、と微笑んで、ロランはゆっくりとティキの頬を撫でる。
「よく耐えたね、えらいよ? ティキちゃんは、なあんにも心配しなくていいからね? 君のことは僕がぜーんぶ責任とりますし、大切にしますから。君は僕に愛されて、ずっとずーっと、僕のそばで穏やかに生きればいいんだよ?」
「ロラン……」
「ね? ティキちゃん、僕を選んでくれる? くれるよね?」
よしよしよし、と頭も撫でられる。
ティキはぼんやりと、ロランの表情を見ていた。
――一族のみなに見送られ、ただひとり、眠りについた。
つぎつぎと倒れていく一族を弔い続ける日々だった。怖くて、身体のあちこちが痛くて、自分もいつか死んでしまうのかと不安に思って。
たくさんたくさん怖かった記憶が、この未来に飛ばされてから全部かき消されていて。
それは全部――目の前のロランが、変なことばかりするからなのだけれども――ティキの痛みとか苦しみを感じさせないくらい、いっぱい、いっぱい、別のことで意識を満たしてくれて。
なによりも、不安で不安でたまらなかったのだ。
何年後の未来で目ざめるかわからない。文化の変化も、言語の変化も、何もわからないどこかで、ひとりで生きていけるかどうかすらきっと難しい場所で。
本当に相手を探せるのか。
ううん、ひとりで生活できるのかすら、あやふやで、怖くて。
そんなティキにとって、ロランは都合がよすぎた。
とても――そう、とても変なひとではあるけれども。こんなに短い時間で、ティキにたくさんの安心をくれて。
ティキには重たい使命があるけれど。
本当に彼でいいのか、まだ悩みはするけれど。
こんな展開、ティキにとってあまりに都合がよすぎて、本当にいいのかって思うけれども――。
「ぅ……ん……」
頷かずにはいられなかった。
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