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はじまり
襲撃だああああ
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目が覚めて、見知らぬ天井はよくあることなのかもしれないが、見知らぬ馬房というシチェーションはどうなのだろうか?
ついでに言えば、俺、全裸だよ?
ゴソ。
藁の塊がもそっと動き、俺はびくっとしながらその藁をほんの少しかき分けると、裸の自分が寒いという風に自分を抱き締めて丸まって寝ている男がいた。
男だと?
真黒の髪は少し長めの短髪で、わお、背中には見覚えのある紋章の刺青だ。
俺は大きく溜息を吐くと、ドラグーン王国の六番目の王子で竜騎士団の団長もしている、ユージン・ドラゴニア様の肩を叩いた。
しかし、ユージンは体を起こすどころか、肩を叩いた俺の手を握った。
「愛しい君。これで俺達は恋人同士だ。今日から俺が君に恋する気持ちを受け入れてくれるね。」
俺は手をユージンの手から引っこ抜くと、その間抜けな王子様の頭を思いっきり叩いてやった。
「てっ。」
「俺を裸にして転がしたのはお前か!俺の服はどこにやった?」
ごろっとユージンは仰向けになると、けだるそうに俺に微笑んで見せた。
「さあ。実は俺も記憶が無いんだよ。君と入ったあの居酒屋からね。」
じゃら。
鎖の音?
俺はもしやと思って自分の足を引いてみた。
じゃら。
俺の右足首には鉄の輪っかが嵌められて、ハハハ、それには鎖までもついているじゃねえか!
「おい、ユージン。これは一体何ごとかな?」
「あの酒屋の親父が奴隷商人で、俺達は商品として捕獲されたってとこかな。ほら、俺と君、とっても綺麗じゃないか。いや、君は可愛い、だね。」
ユージンは俺を抱き締めて自分の下に敷くと、俺の耳に、好きだよ、といつものように囁いて見せた。
俺はいつものようにユージンを押しのけた。
「バカか?所かまわず盛るなよ。それから、俺はお前が嫌いだ。わかったら、一先ず逃げるぞ。こんな鎖くらい。」
「魔法無効処理がしてある。」
「何だ。ちゃんと逃げる算段はしたんだ?」
「当り前だよ。俺はこんな状態で君に愛を語りたくない。」
「――いい心がけだ。ついでに愛こそ語ってくれなくていいけどな!」
じゃら。
俺はもう一度鎖のついた足元を見つめた。
俺の力で切ることはできるか?
ガンガンガーンガンガンガンガーン。
「な、なんだ!」
きゃあああああああ。
うわああああああああ。
騒々しい悲鳴に俺はなんだと立ち上がり、馬房の窓から外を眺めた。
「こんな時に!ゴブリンオークの襲撃か!」
吐き捨てたのは、俺の隣に立っている、真っ裸な竜騎士団長様だった。
こんな時に隣にいて一番頼りになる男かもしれないが、互いに真っ裸で足に鎖という状況では、絶対に隣にいて欲しくない男だ。
だって、助けなど望めない!という情況になるじゃないか。
ついでに言えば、俺、全裸だよ?
ゴソ。
藁の塊がもそっと動き、俺はびくっとしながらその藁をほんの少しかき分けると、裸の自分が寒いという風に自分を抱き締めて丸まって寝ている男がいた。
男だと?
真黒の髪は少し長めの短髪で、わお、背中には見覚えのある紋章の刺青だ。
俺は大きく溜息を吐くと、ドラグーン王国の六番目の王子で竜騎士団の団長もしている、ユージン・ドラゴニア様の肩を叩いた。
しかし、ユージンは体を起こすどころか、肩を叩いた俺の手を握った。
「愛しい君。これで俺達は恋人同士だ。今日から俺が君に恋する気持ちを受け入れてくれるね。」
俺は手をユージンの手から引っこ抜くと、その間抜けな王子様の頭を思いっきり叩いてやった。
「てっ。」
「俺を裸にして転がしたのはお前か!俺の服はどこにやった?」
ごろっとユージンは仰向けになると、けだるそうに俺に微笑んで見せた。
「さあ。実は俺も記憶が無いんだよ。君と入ったあの居酒屋からね。」
じゃら。
鎖の音?
俺はもしやと思って自分の足を引いてみた。
じゃら。
俺の右足首には鉄の輪っかが嵌められて、ハハハ、それには鎖までもついているじゃねえか!
「おい、ユージン。これは一体何ごとかな?」
「あの酒屋の親父が奴隷商人で、俺達は商品として捕獲されたってとこかな。ほら、俺と君、とっても綺麗じゃないか。いや、君は可愛い、だね。」
ユージンは俺を抱き締めて自分の下に敷くと、俺の耳に、好きだよ、といつものように囁いて見せた。
俺はいつものようにユージンを押しのけた。
「バカか?所かまわず盛るなよ。それから、俺はお前が嫌いだ。わかったら、一先ず逃げるぞ。こんな鎖くらい。」
「魔法無効処理がしてある。」
「何だ。ちゃんと逃げる算段はしたんだ?」
「当り前だよ。俺はこんな状態で君に愛を語りたくない。」
「――いい心がけだ。ついでに愛こそ語ってくれなくていいけどな!」
じゃら。
俺はもう一度鎖のついた足元を見つめた。
俺の力で切ることはできるか?
ガンガンガーンガンガンガンガーン。
「な、なんだ!」
きゃあああああああ。
うわああああああああ。
騒々しい悲鳴に俺はなんだと立ち上がり、馬房の窓から外を眺めた。
「こんな時に!ゴブリンオークの襲撃か!」
吐き捨てたのは、俺の隣に立っている、真っ裸な竜騎士団長様だった。
こんな時に隣にいて一番頼りになる男かもしれないが、互いに真っ裸で足に鎖という状況では、絶対に隣にいて欲しくない男だ。
だって、助けなど望めない!という情況になるじゃないか。
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