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第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第245話 波乱の予感?
しおりを挟む「お、お邪魔します……。」
水着を身につけたルアは心を決めると、そっと脱衣場から浴場へと繋がる扉を開けた。すると、もわっとした湯気の向こう側に隠す部分だけを隠した水着を身につけた由良達が湯船に浸かっていた。
ルアが入ってくると、すぐに東雲が気が付く。
「おぉ!!来たか来たか、ほれほれそこで突っ立ってないで湯に浸かれ。」
「は、はい。」
招かれるままに、ルアは体をお湯で流して皆が浸かっている湯に体を浸けた。すると、すぐに寄ってきたのはミリアだった。
「あはっ♪これぞまさにハーレムだね~ルア君?」
クスクスと笑いながら彼女は手にしていたグラスで赤ワインをくいっと飲み干した。そして温泉の暖かさによって急速にアルコールが回り始めている彼女は水着越しに、無意識にその豊満な胸をもにゅん……とルアの体に擦り付ける。
「ルア君お肌真っ白だね~。あっ♪でもここはピンク~♪」
「あ、あのミリアさん……はぅ、そんなに体をまさぐらないでください。そ、それと胸が当たってます……。」
水着越しとはいえ、ハッキリと柔らかい感触がルアの腕にまとわりついている
「ん~?ルア君はおっきいお胸嫌いかなぁ~?」
「おい!!その脂肪の塊でルアを誘惑するでないミリア!!」
そんなミリアに詰め寄るのは貧乳派の東雲。何故か彼女とクロロの二人は他の女性陣とは違い、スクール水着を身に付けている。
「あははっ♪これぞ女の武器だよ~ん。まぁ東雲ちゃんには無いみたいだけど~?」
「~~~っ!!貴様ッ今から表に出るか!?ん!?」
「遠慮しとくよ~、それよりもルア君のこと誘ってた方が良いしね~。」
そうしてミリアと東雲が睨み合っていると、カラカラと軽い音をたてて脱衣場へと繋がる扉が開き、そこから寧々が姿を現した。
「お待たせしました。追加のお飲み物をご用意して参りました。」
「む……。」
寧々は温泉へとゆっくりと歩み寄ると各々が頼んだ飲み物をお盆に乗せて器用に温泉の上へと浮かべると、湯船に浸かっている皆へと配る。
ルア以外の女性陣は皆お酒を注文しているようだ。
東雲は運ばれてきたお盆に置かれていた一升瓶を手に取ると、憂さ晴らしをするかのように豪快にラッパ飲みを始めた。
「ぷはっ……まったく、なぜこの世はこんなにも不平等なのか?胸が大きいヤツがいれば、妾やクロロのように小さい者もいる。理不尽極まりないな。」
そう東雲が文句を溢していると、不意にルアの背後から彼女の言葉への返答をする者が現れた。
「フフフ、他人と違うからこそ良いのではありませんか。」
「なっ……る、ルシファー!?いつの間に……。」
「つい先程、用事が片付きましたのでこうしてルア様の護衛にあたっている次第ですよ?」
いつの間にかルアの背後に現れ、彼のことをひっしりと抱き締めていたのはここ数日姿を消していたルシファーだった。
「むぐぐ、なんとも間の悪い。」
「フフフ、なにやら面白そうなことになっているようでしたので用事を早く終わらせて参じました。」
どうやら地上でのルア達の動きをルシファーは把握していたらしく、今というこの時に間に合うように用事を済ませてきたらしい。
全員が来ないと予想していたルシファーの登場により、ルアの争奪戦は激しさを増しそうだ。
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