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第三章 終焉を呼ぶ七大天使
第180話 最も安全な場所?
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ルシファーに押されるようにして城の中を歩かされていたルアは彼女に声をかけた。
「あ、あのっ!!ルシファー……さん?」
「はい?なんでしょう?」
「ひ、一人で歩けますから……そんなに密着しなくても……。」
頭の上にのし掛かる大きな胸の感触と、背中に触れる柔らかく、温かい温もりにルアは顔を赤くしながらそう言った。
すると……。
「いけません。私はレト様からあなた様の守護を任されております。私が目を話した隙に何かあっては困ります。」
「あぅぅ……。」
ルシファーはそう言うと、更にルアのことを強く抱きしめた。
「あぁ!!そういえば、あなた様のお名前を伺うのを忘れておりました。」
「ふえ……?」
ルシファーは一瞬ルアから手を離すと、彼の正面に立ちルアと目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「お名前を……お伺いしてもよろしいですか?」
にこりと微笑みながらルシファーはルアに名前を聞いた。
「る、ルアです……。」
「ルア様ですね。ではこれからそのように呼ばせていただきます。」
「そんな、様なんてつけなくても……。」
「いけません。レト様に寵愛されているお方には最上の敬意を払わなければ、レト様に不敬を働いてしまうことになります。」
そうルアに説いたルシファーは再びルアのことを抱き締める。
「さぁ、少し脱線してしまいましたが……予定通り食事をしに参りましょう。」
「あぅぅ……。」
そしてルシファーに連れられるがまま、ルアは食堂へと赴かされる。
食堂ではいつものようにエプロン姿の由良がルアの部屋の朝食を作っていた。
「お、お母さん……おはよう。」
「ん?おぉ!!ルアや、おはようなの…………じゃ?」
クルリと振り返った由良の目に、ルアにピットリと密着するルシファーの姿が映る。
「お………おぉぉぉぉ、お主何者じゃ!!ルアから離れるのじゃ!!」
「私の名はルシファー。ルア様を守護するようにレト様より遣わされました。」
「ルアを守護……じゃと?どこの馬の骨とも知れんやつの言葉を儂が聞き入れると思っておるのか?」
尻尾を増やし臨戦態勢に入る由良に対し、少し困ったような表情をルシファーは浮かべた。
「信じられないのも無理はありません。ですが……これは紛れもない事実。ご理解ください。」
「あ、あの……お母さん。ルシファーさんの言ってることは本当だから、心配しなくて大丈夫だよ?」
「むぅ、ルア本人がそう言うのなら……そうなのかの?……一先ず信じるが、それよりもお主っ!!」
渋々といった様子で納得した由良は、クワッと目を見開くとルシファーの事を指差した。
「はい?」
「ちょいとばかしルアに引っ付き過ぎではないか!?」
由良のその指摘に、ルアは少し心の中で可能性を見いだした。
(お、お母さんが言ってくれるなら……ルシファーさんも離れてくれるかも?)
そう思ったルアだったが、次の瞬間にはその思考があっさりと打ち砕かれることになる。
「こうして寄り添っているのにはしっかりと意味があります。この世界で最も安全な場所がここしかないのです。」
「ほぅ?よほど儂らのことを信用してないようじゃな。」
「フフフ、それはお互い様ではありませんか?」
またしてもバチバチと一触即発の雰囲気が産み出されるが、次にルシファーが放った一言でその雰囲気も壊れることになった。
「まぁ、そんなことよりも先にルア様に食事を提供して頂けませんか?人間は食事を採らないと死ぬと聞いたことがあります故、早急に。」
「たった一回食事を抜いただけで死ぬわけなかろうがっ!!……じゃが、このままお主と口論を続けていてもせっかく儂が作ったルアの朝食が冷めるだけなのも事実。ならば、儂は母として美味しい食事を優先してやるのじゃ!!」
母としての役目を優先した由良は急いでルアの朝食を仕上げにかかる。二人がぶつかり合わなかったことに少し安堵しながらルアが席につこうとすると、彼を遮って先にルシファーが椅子に座った。
「あ、あの……ルシファーさん?」
「ルア様の椅子はこちらです。」
そう言ってルシファーは自分の太ももをポンポンと叩いた。
「えっ……で、でもそれはちょっと恥ずかし……。」
「いけませんルア様。先程も言いましたように、この世界で最も安全な場所はここなのです。」
「わぁっ!?」
ルシファーは軽くルアの手を引くと、まるで引きずり込まれるようにルアは彼女の太ももに座らせられる。
まるで二人羽織のような状態になってしまったことでルアの頭がルシファーの柔らかく大きな胸に包み込まれてしまう。
そんな状態になったときに運悪く由良が食事を運んできた。
「じゃから離れろといっておるのじゃあ~っ!!ルアがお主の胸に埋もれてしまっておるではないか!!」
「あ、ルア様食事ができたようですよ?私が食べさせてあげますから口を開けてくださいね?」
「人の話を聞けぇッ!!」
ルシファーが新たに面子入りしたことによって更にルアの周りの日常が騒がしくなり始めた。
「あ、あのっ!!ルシファー……さん?」
「はい?なんでしょう?」
「ひ、一人で歩けますから……そんなに密着しなくても……。」
頭の上にのし掛かる大きな胸の感触と、背中に触れる柔らかく、温かい温もりにルアは顔を赤くしながらそう言った。
すると……。
「いけません。私はレト様からあなた様の守護を任されております。私が目を話した隙に何かあっては困ります。」
「あぅぅ……。」
ルシファーはそう言うと、更にルアのことを強く抱きしめた。
「あぁ!!そういえば、あなた様のお名前を伺うのを忘れておりました。」
「ふえ……?」
ルシファーは一瞬ルアから手を離すと、彼の正面に立ちルアと目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「お名前を……お伺いしてもよろしいですか?」
にこりと微笑みながらルシファーはルアに名前を聞いた。
「る、ルアです……。」
「ルア様ですね。ではこれからそのように呼ばせていただきます。」
「そんな、様なんてつけなくても……。」
「いけません。レト様に寵愛されているお方には最上の敬意を払わなければ、レト様に不敬を働いてしまうことになります。」
そうルアに説いたルシファーは再びルアのことを抱き締める。
「さぁ、少し脱線してしまいましたが……予定通り食事をしに参りましょう。」
「あぅぅ……。」
そしてルシファーに連れられるがまま、ルアは食堂へと赴かされる。
食堂ではいつものようにエプロン姿の由良がルアの部屋の朝食を作っていた。
「お、お母さん……おはよう。」
「ん?おぉ!!ルアや、おはようなの…………じゃ?」
クルリと振り返った由良の目に、ルアにピットリと密着するルシファーの姿が映る。
「お………おぉぉぉぉ、お主何者じゃ!!ルアから離れるのじゃ!!」
「私の名はルシファー。ルア様を守護するようにレト様より遣わされました。」
「ルアを守護……じゃと?どこの馬の骨とも知れんやつの言葉を儂が聞き入れると思っておるのか?」
尻尾を増やし臨戦態勢に入る由良に対し、少し困ったような表情をルシファーは浮かべた。
「信じられないのも無理はありません。ですが……これは紛れもない事実。ご理解ください。」
「あ、あの……お母さん。ルシファーさんの言ってることは本当だから、心配しなくて大丈夫だよ?」
「むぅ、ルア本人がそう言うのなら……そうなのかの?……一先ず信じるが、それよりもお主っ!!」
渋々といった様子で納得した由良は、クワッと目を見開くとルシファーの事を指差した。
「はい?」
「ちょいとばかしルアに引っ付き過ぎではないか!?」
由良のその指摘に、ルアは少し心の中で可能性を見いだした。
(お、お母さんが言ってくれるなら……ルシファーさんも離れてくれるかも?)
そう思ったルアだったが、次の瞬間にはその思考があっさりと打ち砕かれることになる。
「こうして寄り添っているのにはしっかりと意味があります。この世界で最も安全な場所がここしかないのです。」
「ほぅ?よほど儂らのことを信用してないようじゃな。」
「フフフ、それはお互い様ではありませんか?」
またしてもバチバチと一触即発の雰囲気が産み出されるが、次にルシファーが放った一言でその雰囲気も壊れることになった。
「まぁ、そんなことよりも先にルア様に食事を提供して頂けませんか?人間は食事を採らないと死ぬと聞いたことがあります故、早急に。」
「たった一回食事を抜いただけで死ぬわけなかろうがっ!!……じゃが、このままお主と口論を続けていてもせっかく儂が作ったルアの朝食が冷めるだけなのも事実。ならば、儂は母として美味しい食事を優先してやるのじゃ!!」
母としての役目を優先した由良は急いでルアの朝食を仕上げにかかる。二人がぶつかり合わなかったことに少し安堵しながらルアが席につこうとすると、彼を遮って先にルシファーが椅子に座った。
「あ、あの……ルシファーさん?」
「ルア様の椅子はこちらです。」
そう言ってルシファーは自分の太ももをポンポンと叩いた。
「えっ……で、でもそれはちょっと恥ずかし……。」
「いけませんルア様。先程も言いましたように、この世界で最も安全な場所はここなのです。」
「わぁっ!?」
ルシファーは軽くルアの手を引くと、まるで引きずり込まれるようにルアは彼女の太ももに座らせられる。
まるで二人羽織のような状態になってしまったことでルアの頭がルシファーの柔らかく大きな胸に包み込まれてしまう。
そんな状態になったときに運悪く由良が食事を運んできた。
「じゃから離れろといっておるのじゃあ~っ!!ルアがお主の胸に埋もれてしまっておるではないか!!」
「あ、ルア様食事ができたようですよ?私が食べさせてあげますから口を開けてくださいね?」
「人の話を聞けぇッ!!」
ルシファーが新たに面子入りしたことによって更にルアの周りの日常が騒がしくなり始めた。
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