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第一章 転生そして成長
第74話 最後の晩餐
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高らかに笑ったミリアはロレット達に向かってあることを促した。
「まぁ、君達は砂漠を越えてここまで来たんだろう?お腹も減っているはずだ、ここにある料理を好きなだけ食べるといいよ。」
「…………。」
そう促されたものの、先ほどのミリアの発言からロレット達はその料理を食べようとはしなかった。
それを見てミリアはクスリと笑いながら言った。
「毒なんて入ってないよ。毒が回った血なんて美味しくないからね。それに、疲れてて活きの悪い血も美味しくない。」
「ふむ、ならばその言葉を信じるとしようか。」
ドカリとロレットは食事が並べられたテーブルの横に並べられた椅子に座ると、目の前に並べられた食事に手をつけた。
「うむ、美味い。……だが、ルアの方が料理を作る腕は上だな。」
口いっぱいに料理をほお張ると、ロレットはポツリとそう感想を口にした。
彼女の感想に意外そうにミリアは言った。
「おや、この国で一番の料理人に作らせたんだけどね。やっぱり女王様は舌が肥えてるみたいだね。」
「フフフ、こちらにはお菓子、料理を作らせたら右に出るものはいない……。」
「わわっ!?」
ぐいっとロレットはルアのことを抱き寄せる。
「このルアがいるのだ。」
「へぇ……その娘は強そうには見えなかったけど、そういう理由で連れてきてるのかい?」
「さぁ、どうだろうな?」
ミリアの問いかけに、不敵に笑いはぐらかすロレット。そんなロレットの様子にますます興味を惹かれたのかミリアはルアに向かって問いかける。
「君はまだ幼そうに見えるね。年はいくつだい?」
「あ、8歳です……。」
「へぇ!!8歳かぁ……幼い子供の血は純粋で美味しいんだよねぇ。」
「ひっ!?」
まるで獲物を見るような視線を向けられたルアは思わずロレットの後ろに隠れてしまう。
「おいお主、わしの子を怖がらせるでない。」
ルアが怖がっているのを見た由良は、ギロリとミリアのことを睨み付ける。
「あはは、ごめんね。ついつい……久し振りの豪華な食事を前にして浮かれちゃってさ。」
「貴様……良い根性をしておるな。久方ぶりに頭にきた、飯などいらん。さっさと貴様をぶちのめしてやるのじゃ!!」
「あはっ♪いいねぇ……その怒りに満ちた表情。すごくそそられるよ!!でも……まさか一人で私を相手にしような~んて思ってないよねぇ?」
「っ!!」
そう口にしたミリアからおぞましく濃い殺気が放たれ、部屋を覆い尽くした。まるで一歩でも動けば即首を刈られてしまうようなその鋭い殺気に思わず由良は動けなくなってしまう。
「……わかったかな?しばらく食事をしていなかったとは言え、君一人ぐらいじゃ相手にならないよ。」
表情から笑みを消したミリアは、由良へと向かってそう言った。
しかし、その言葉に真っ先に笑ったのは東雲だった。
「くくくくく、思い違いをしているのは貴様だ。」
「なんだって?…………っ!!」
一瞬東雲へと視線を向けたミリアだったが、すぐに由良へと視線を戻した。
その視線の先では由良の尻尾が九本まで増え、溢れ出る魔力が殺気を押し退けていた。
「さぁ、表に出て早く始めるぞ。貴様の言うデスゲームとやらをな。」
由良はミリアの方を指差して言った。
「…………あはは、これは誤算だったよ。力を隠していたのかい?」
「なんじゃ?怖じ気付いたのか?」
「まさか!!嬉しくて体が震えてるのさ……こんなに強い人がまだ地上に残ってたなんてね。さぁ、それじゃあお望み通り……早速始めようかぁ!!」
バッ……と音をたててミリアが背中の翼を広げると、部屋の中に魔法陣が浮かび上がった。そして次の瞬間には、一行は闘技場のような場所に移動させられていた。
「ここなら思う存分力を使ってくれて構わないよ。」
「なるほど、用意周到じゃな。」
ミリアの用意の良さに呆れたように由良はボソリと愚痴を溢す。
そして闘技場の真ん中へと立ったミリアは再度由良へと問いかけた。
「最後にもう一回だけ聞くけど……本当に一人で良いんだね?」
「くどい!!」
「あははははは♪そっか、わかったよ。じゃあ……早速始めようか。」
互いに間を見計らっている二人のことを見て、置き去りにされたロレットがボソリとぼやく。
「まったく……我も戦ってみたかったのだが。由良のやつに先を越されてしまったな。」
そうぼやいたロレットにルアの頭の上から東雲が言う。
「お前の出番もないわけではないぞ。」
「なんだと?それは由良が負けるということか!?」
「さぁ、どうなるか……まぁ見ておけ。」
そして次の瞬間、由良とミリアの戦いが幕を開けた。
「まぁ、君達は砂漠を越えてここまで来たんだろう?お腹も減っているはずだ、ここにある料理を好きなだけ食べるといいよ。」
「…………。」
そう促されたものの、先ほどのミリアの発言からロレット達はその料理を食べようとはしなかった。
それを見てミリアはクスリと笑いながら言った。
「毒なんて入ってないよ。毒が回った血なんて美味しくないからね。それに、疲れてて活きの悪い血も美味しくない。」
「ふむ、ならばその言葉を信じるとしようか。」
ドカリとロレットは食事が並べられたテーブルの横に並べられた椅子に座ると、目の前に並べられた食事に手をつけた。
「うむ、美味い。……だが、ルアの方が料理を作る腕は上だな。」
口いっぱいに料理をほお張ると、ロレットはポツリとそう感想を口にした。
彼女の感想に意外そうにミリアは言った。
「おや、この国で一番の料理人に作らせたんだけどね。やっぱり女王様は舌が肥えてるみたいだね。」
「フフフ、こちらにはお菓子、料理を作らせたら右に出るものはいない……。」
「わわっ!?」
ぐいっとロレットはルアのことを抱き寄せる。
「このルアがいるのだ。」
「へぇ……その娘は強そうには見えなかったけど、そういう理由で連れてきてるのかい?」
「さぁ、どうだろうな?」
ミリアの問いかけに、不敵に笑いはぐらかすロレット。そんなロレットの様子にますます興味を惹かれたのかミリアはルアに向かって問いかける。
「君はまだ幼そうに見えるね。年はいくつだい?」
「あ、8歳です……。」
「へぇ!!8歳かぁ……幼い子供の血は純粋で美味しいんだよねぇ。」
「ひっ!?」
まるで獲物を見るような視線を向けられたルアは思わずロレットの後ろに隠れてしまう。
「おいお主、わしの子を怖がらせるでない。」
ルアが怖がっているのを見た由良は、ギロリとミリアのことを睨み付ける。
「あはは、ごめんね。ついつい……久し振りの豪華な食事を前にして浮かれちゃってさ。」
「貴様……良い根性をしておるな。久方ぶりに頭にきた、飯などいらん。さっさと貴様をぶちのめしてやるのじゃ!!」
「あはっ♪いいねぇ……その怒りに満ちた表情。すごくそそられるよ!!でも……まさか一人で私を相手にしような~んて思ってないよねぇ?」
「っ!!」
そう口にしたミリアからおぞましく濃い殺気が放たれ、部屋を覆い尽くした。まるで一歩でも動けば即首を刈られてしまうようなその鋭い殺気に思わず由良は動けなくなってしまう。
「……わかったかな?しばらく食事をしていなかったとは言え、君一人ぐらいじゃ相手にならないよ。」
表情から笑みを消したミリアは、由良へと向かってそう言った。
しかし、その言葉に真っ先に笑ったのは東雲だった。
「くくくくく、思い違いをしているのは貴様だ。」
「なんだって?…………っ!!」
一瞬東雲へと視線を向けたミリアだったが、すぐに由良へと視線を戻した。
その視線の先では由良の尻尾が九本まで増え、溢れ出る魔力が殺気を押し退けていた。
「さぁ、表に出て早く始めるぞ。貴様の言うデスゲームとやらをな。」
由良はミリアの方を指差して言った。
「…………あはは、これは誤算だったよ。力を隠していたのかい?」
「なんじゃ?怖じ気付いたのか?」
「まさか!!嬉しくて体が震えてるのさ……こんなに強い人がまだ地上に残ってたなんてね。さぁ、それじゃあお望み通り……早速始めようかぁ!!」
バッ……と音をたててミリアが背中の翼を広げると、部屋の中に魔法陣が浮かび上がった。そして次の瞬間には、一行は闘技場のような場所に移動させられていた。
「ここなら思う存分力を使ってくれて構わないよ。」
「なるほど、用意周到じゃな。」
ミリアの用意の良さに呆れたように由良はボソリと愚痴を溢す。
そして闘技場の真ん中へと立ったミリアは再度由良へと問いかけた。
「最後にもう一回だけ聞くけど……本当に一人で良いんだね?」
「くどい!!」
「あははははは♪そっか、わかったよ。じゃあ……早速始めようか。」
互いに間を見計らっている二人のことを見て、置き去りにされたロレットがボソリとぼやく。
「まったく……我も戦ってみたかったのだが。由良のやつに先を越されてしまったな。」
そうぼやいたロレットにルアの頭の上から東雲が言う。
「お前の出番もないわけではないぞ。」
「なんだと?それは由良が負けるということか!?」
「さぁ、どうなるか……まぁ見ておけ。」
そして次の瞬間、由良とミリアの戦いが幕を開けた。
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