65 / 156
『特別な人』65
しおりを挟む
65
◇現場監督はモテ男
現場の事務を主力として担っている3人の社員たちは
皆既婚の男性たちで資格持ちだ。
体力と半端ない根性があれば今すぐにでも内勤をやめて現場で
働けそうな人たちで、それぞれ家庭の事情や体力の問題で現場の第一線から
外れ、内勤へと替わった者たちばかりなんだそうだ。
当面私が担当に付く現場監督は相馬綺世。
年は30才、現場監督としてはかなり年若い部類になるみたい。
お昼の休憩時間は相変わらず派遣やパートさんたちと一緒に昼食を摂って
いて、日によって会話するメンバーは違っているけれど、馴染んでくると
よく訊かれるようになったのが相馬綺世さんのことだった。
確かに彼は独特の雰囲気のある人ではあるけれど、どうしてこんなに
皆彼に興味津々なのだろう? と私の中でそっちの興味が沸いた頃、
遠野さんと小暮さんとの3人で昼食後のコーヒータイムになった時のこと……。
まさに同じような質問がふたりから飛んできたのだ。
「相馬さんとのお仕事やりやすいですか?」
「うん、気さくで親切だし指示も的確なので相馬さんの担当になれて
良かったって思ってるわ」
「「気さくなんですか?!」」
「ええ、やっぱり補佐する立場からすると仕事を指示してくる人が
話しにくいとやりにくいと思うのですごく助かってる」
「「へぇ~、意外」」
ふたりが口を揃えて同じことを言ったので私の方こそ意外だった。
「えーっ、ちょっと待ってぇ~。
相馬さんのこと、どんな風に思ってるの……っていうか
どんな風に見えてるのかな?」
私が問うと、ふたりは顔を見合わせてどちらが先に私の質問に
答えようかと、譲り合うのだった。
そして結局遠野さんか先に口火を切った。
◇現場監督はモテ男
現場の事務を主力として担っている3人の社員たちは
皆既婚の男性たちで資格持ちだ。
体力と半端ない根性があれば今すぐにでも内勤をやめて現場で
働けそうな人たちで、それぞれ家庭の事情や体力の問題で現場の第一線から
外れ、内勤へと替わった者たちばかりなんだそうだ。
当面私が担当に付く現場監督は相馬綺世。
年は30才、現場監督としてはかなり年若い部類になるみたい。
お昼の休憩時間は相変わらず派遣やパートさんたちと一緒に昼食を摂って
いて、日によって会話するメンバーは違っているけれど、馴染んでくると
よく訊かれるようになったのが相馬綺世さんのことだった。
確かに彼は独特の雰囲気のある人ではあるけれど、どうしてこんなに
皆彼に興味津々なのだろう? と私の中でそっちの興味が沸いた頃、
遠野さんと小暮さんとの3人で昼食後のコーヒータイムになった時のこと……。
まさに同じような質問がふたりから飛んできたのだ。
「相馬さんとのお仕事やりやすいですか?」
「うん、気さくで親切だし指示も的確なので相馬さんの担当になれて
良かったって思ってるわ」
「「気さくなんですか?!」」
「ええ、やっぱり補佐する立場からすると仕事を指示してくる人が
話しにくいとやりにくいと思うのですごく助かってる」
「「へぇ~、意外」」
ふたりが口を揃えて同じことを言ったので私の方こそ意外だった。
「えーっ、ちょっと待ってぇ~。
相馬さんのこと、どんな風に思ってるの……っていうか
どんな風に見えてるのかな?」
私が問うと、ふたりは顔を見合わせてどちらが先に私の質問に
答えようかと、譲り合うのだった。
そして結局遠野さんか先に口火を切った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる