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 「ありがと、瑤ちゃん」



 私は優しい人の心遣いに触れ、どこまでも限りなく心が温まっていくのを
感じた。そしてなかなか認めるのが難しい感情も無視できないでいた。


 有難くて、うれしくて・・胸がキュンてした。

 今感じた感情が大き過ぎて、とてもじゃないけれどひとり持て余してしまいそうで。



 自分だけの胸の内にしまっておくのはもったいないような気がして
家に帰るとすぐに私は瑤ちゃんにお礼のLINEを送った。




『瑤ちゃん、さっきは傘、ありがとう。
私のせいでだいぶ濡れてしまった瑤ちゃんが風邪引かないか心配。

 神様にお願いしとくね、瑤ちゃんが風邪引きませんようにって。
 次の次の週末、お互い元気でまた公園で会おうね。

 今朝、久しぶりに園で会えてうれしかった』



 私は社交辞令の一切ない本心からの文言をLINEに記して、
瑤ちゃんに自分の気持ちを届けた。



          ◇ ◇ ◇ ◇



 『ピコピコ~ピコピコ~』
12時過ぎに瑤ちゃんからの返信が届いた。

 
『気にしなくていいよ。身体は丈夫だから大丈夫だよ。
苺佳が濡れなくてよかったよ。

そうだね、私も今朝会えてうれしかった。じゃ、また公園で』



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