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 俊介がやらかすまではとんと記憶の彼方かなたへ飛んでいってたようで
今回のやらかしの後、何故かぽっと俺は幼い頃に聞いた、いつかの話を
思い出した。



 リビングで話し込んでいた両親の会話。



「年齢的に考えると、英介でもいいのよね、苺佳ちゃんとの縁談」



「英介は利発な子だ。容姿にも兄弟の中で群を抜いて恵まれてる。
なかなか本人が良しとはしないだろう。それと将来兄の恵介の右腕として
我が社を盛り立ててもらわねばならないからね。苺佳ちゃんを許嫁と
させてもらうのは、やっぱり俊介にしよう」



「そうね、養子に入りゆくゆくは古家さんところの事業を継いで。
うちでは恵介がいるから俊介は社長にはなれないけど、古家さんのところへ
行けば行く末は社長の座が約束されていて有難い話ですね」




 そしてどうやら子供たちの縁結びの話は、跡継ぎのいない古家さんからの
提案だったようだ。
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