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 これまでの交際相手の人数が多いのか、少ないのか、よく分からないが
社会人になってから、高校から付き合っている彼女とは恋人同士から
友達のような付き合い方にシフトしていて、大学になってから出会った
彼女とはそのまま付き合いが続いていた。



 そして入社先で仕事を通じていい感じの彼女もできた頃のこと。



 就職後できた同僚との付き合い方は慎重だった。


 職場恋愛は下手をすると泥沼になる可能性を秘めている為、結婚を
意識できるようになるまでは迂闊に手は出せない、というような
理性が働いていたから。


 俊介がやらかした時、俺は大学生の頃から付き合っていた彼女とちょうど
別れたばかりだった。



 同じ職場で大事にしてくれる男ができたらしく、就職してから会う機会の減った俺に
不安感もある中での自然消滅に近いお別れだった。




 また職場の同僚彼女とは恋人未満の付き合いだったので、即刻手を切り
身辺を身ぎれいにした上で両親に話を持ち出した。



          ◇ ◇ ◇ ◇


「苺佳ちゃんとおじさん、おばさんたちがどう思うかは分からないけど
俊介の代わりに俺が古家の家に養子に入るというのはどうだろう、親父」




「いいのか本当に? 付き合ってる子はどうするんだ? 
ややこしいことはこれ以上、御免だからな」



「大丈夫です。どこからも苦情の来ないきれいな身体です。ご心配なく」


「あなたぁ~」
母親がほっとしたような声音で親父に声を掛ける。



「正直母さんも私もそう言ってもらえると助かるよ。どうにもこうにも
仲の良い人達に不義理をしたままで、辛い思いでいたからね。



 俊介が駄目なら英介で、というのは失礼に当たるかもしれないが、運よく
俊介と苺佳ちゃんとはまだ付き合ってもなかったからね。

 古家さんに義理を果たせそうだ。英介、助かる。
 ほんとに助かるよ、ありがとう」



 俺は礼を言う親父に首を振った。

「無理してないから。苺佳ちゃんなら不足はないよ。

小さな頃から見てきてるけど、可愛くて性格も良さそうだし。

交際して彼女に気に入ってもらえるように頑張るよ」





 子供の頃から知っている間柄というのもあり、その後、半年ほど付き合って
俺たちは両家から祝福され、結婚した。

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