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きっと皆の注目の的王子からあんなひどい言葉を掛けられたのは
100人くらいいそうな母親たちの中できっと自分だけなのだろう。
「ふんっ、何か素敵ぃ~カッコいい~、よ。
あんなへっぽこ野郎、ヤブ医者ぁ~」
立ち話している人たちの方に向けてキタナイ言葉で彼女のことを
罵っていたら、いつの間に? 自分のところまで戻ってきていた娘に
問われた。
「ママ、へっぽこ野郎ってなぁに?」
「えっ? へっぽこじゃなくて、ひょっとこ野郎って言ったのよ。
面白い人のこと」
「ふ~ん。ヤブ医者ってなぁ~に?」
「お医者様なのに病気を治せない人のこと。
ねぇ、眞奈、今日の晩御飯何がい~い?」
急いで話題を変えたけど、危ないあぶない。
子供の前で迂闊に口から思ってること出せないわね。
もう4才で人の話すことよく聞いてるもの。
気をつけなきゃだわ。
◇ ◇ ◇ ◇
ほんとは少し残念な気持ちだったのだ。
別に特別スター扱いしたいわけじゃないけど、周りの母親たちと
一緒になって『カッコいいよね』って言えたら良かったのだ。
へっぽこ野郎だのヤブ医者だの言わなければならない自分の立ち位置が
残念でならなかった。
きっと皆の注目の的王子からあんなひどい言葉を掛けられたのは
100人くらいいそうな母親たちの中できっと自分だけなのだろう。
「ふんっ、何か素敵ぃ~カッコいい~、よ。
あんなへっぽこ野郎、ヤブ医者ぁ~」
立ち話している人たちの方に向けてキタナイ言葉で彼女のことを
罵っていたら、いつの間に? 自分のところまで戻ってきていた娘に
問われた。
「ママ、へっぽこ野郎ってなぁに?」
「えっ? へっぽこじゃなくて、ひょっとこ野郎って言ったのよ。
面白い人のこと」
「ふ~ん。ヤブ医者ってなぁ~に?」
「お医者様なのに病気を治せない人のこと。
ねぇ、眞奈、今日の晩御飯何がい~い?」
急いで話題を変えたけど、危ないあぶない。
子供の前で迂闊に口から思ってること出せないわね。
もう4才で人の話すことよく聞いてるもの。
気をつけなきゃだわ。
◇ ◇ ◇ ◇
ほんとは少し残念な気持ちだったのだ。
別に特別スター扱いしたいわけじゃないけど、周りの母親たちと
一緒になって『カッコいいよね』って言えたら良かったのだ。
へっぽこ野郎だのヤブ医者だの言わなければならない自分の立ち位置が
残念でならなかった。
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