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Chapter16*虹の橋の彼方でーOver the Rainbow Bridge-***

虹の橋の彼方で[2]ー②***

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頭を過った疑問を口にするより早く、アキがその答えを口にする。

「今夜は寝かせてあげられない」
「っ、」
「とことん味わい尽くすつもりでいるから――覚悟して」

覚悟って!!

更に大きく目を見張った瞬間、首筋をべろりと舐められた。

「ひゃっ、」
「うん、美味い!」
「ちょっ、」
「こんなに美味しいんだから、シャワーでなんて流したらもったいない」
「ちょっ、」

変態か! この御曹司、どSの上に変態だっ!!

「これって変態になるのかぁ……。ま、いいや」
「ちょっ、」

良くないよね?良くない!御曹司が変態ってどうよ!?

「変態だろうとなんだろうと、吉野以外に発動しないから安心して?僕が食べたいのはあなただけだ」
「ちょっ、」

わたしは食べ物じゃありませんっ!

「僕にとって吉野は最高のスイーツだ」

言った端から耳朶をガジっと齧られて、反射的に首をすぼませる。すると今度はそのまま耳の中に舌を入れられた。

「やんっ……」

生々しい水音を立てながら、生温なまぬるいものがぬるりと耳の中でうごめく。

「昼間に食べそびれた分も、しっかり取り戻さないとな」

耳の奥に直接吹き込むように囁かれるだけで、口からあえかな声が漏れ始める。

耳下のうなじを強く吸われて、軽い痛みと同時に湧く甘い愉悦。
ほんの少し前までたっぷりと愛された躰は、与えられる快感を見越したように、すでにとろりととろけ出している。

思わず内ももをスリっと擦り合わせると、それに気付いたのかアキが妖艶な笑みを浮かべた。

「さっきは余裕なくがっついてしまったから、今度はそのお詫びにじっくり気持ちよくしてあげる」

じ、じ、……じっくりノーセンキュウ――っ!!

「やっ、あ……っ、」

心の叫びとは裏腹に、口からは淫らな声が上がる。首筋を辿りながら下りてきた熱い舌が、硬く尖った赤い実を口に含んだから。

「美味しい」
「やっ、しゃべっちゃ…あっ、」

口に含んだまま喋られて腰が跳ねた。

舌で転がしたり強く押しつぶしたり。反対側の胸は手で揉みしだかれる。
時折べったりと付いた唾液と共に「じゅるっ」と音を立てて先端を吸われて、口か漏れる甲高い声を我慢できない。
甘い愉悦に痺れた背中を弓なりにしならせると、意図せず彼に向けてつき出す格好になってしまう。

「ん? ……もっと?」
「ちがっ、~~~っ!」

反射的に否定したのに、わざとらしく音を立てながら先端を吸い上げてくる。

なんて意地悪なんだ! このどS変態ドラトラ御曹司めーっ!!

「言われたことがないワードばかりで新鮮すぎる。さすが吉野。僕のことを喜ばせる天才だな」

どMかっ!

「あなたにそう言わせてるのが自分だと思ったら、ぞくぞくするな」

違った。やっぱどSの変態だった!

体の上に圧し掛かっていた重しがすっと消え、やっと胸への刺激から解放されたと思って、ホッと胸を撫でおろした時。

「まだまだこれからだ。あなたを味わうのは――」

「え、」と思った瞬間、グイっと脚を割られて声を上げる間もなくそこに顔をうずめられた。

「やっ、だめっ……シャワっ、あぁ~~っ、」

『シャワーしてないのに!』と続けようとした言葉は、敏感な蕾を舌で撫でられたせいで嬌声に変わる。

ビリビリと電流みたいな強い痺れが全身を駆け巡り、広げられた脚がガクガクと震える。
脚の間に埋まる頭を両手で押すけれどまったく動かない。それどころか強くなる刺激に手を握りしめ、柔らかな髪をクシャリとかき混ぜた。

ゆっくりと蜜口から舌を差し込まれて、抑えることも忘れて甲高く叫ぶ。
さっきまでとは違う熱く湿る柔らかな感触に内側を擦られて、躰の奥から溢れ出したものが耳を塞ぎたくなるような音を立てた。

「んやぁ……も、ダメッ、ぁあ……っ、」

甘い愉悦から腰を捩って逃げようとするけれど、両脚を押さえる手がそれを許さない。それどころか、しとど・・・に濡れるそこを音を立てて吸い上げると、今度は指を差し込んで来た。

さっきとは違う固く節くれだったものに柔襞やわひだられて、じんじんと痺れるような甘い愉悦に喘ぎ悶える。さっきは届かなかった奥のい場所を強く抉られると同時に、花芯を吸われた。

「ぁっ、……ぅっや、あぁ……っ!」

急激にせり上がって来た強い愉悦に、頭が真っ白になった。


快感が爆ぜた直後のわたしが肩で息をついていると、体を起こしながらアキが濡れた自分の手を舌で拭う。見せつけるようにゆっくりと手首まで舐めるから、自分が彼の手をそこまで濡らしたのだと分かって、頭が煮えそうになった。

「やっぱり吉野が一番美味しい」

自身の唇を舌でペロリとなぞったアキが言う。
彼の下でわたしは、ぐったりと弛緩した躰をベッドに預けて荒い息をつくだけ。

「でもまだ足りない」

言いながらわたしの背中に手を差し込んだ彼に、上体を引き上げながら起こされる。
ぼんやりと白濁した意識の中で(アキ……何を……?)と思うけれど、甘く痺れた躰に力は入らず、成すがまま彼の膝に乗せられた。

「これからだ、吉野」

わたしはグッと息を詰めた。さっきまでの愛撫で潤んだ場所に硬く熱い昂りをあてがわれたから。

「やっ……ぁあ~~っ、」

一気に最奥まで埋め込まれて、眩暈がするほどの愉悦に大きく喘ぐ。それと同時に、わたしはこの夜が終わらないことを改めて悟った。

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