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4.あの夜の続き***

[1]ー3

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「そうだ、新婚旅行でのウェディングもいいな」
「なっ! そこまでしなくても……写真だけ撮ればいいじゃない」
「ばかだな、撮影だけだと脱がせられないじゃないか」

 思わず目が点になった。すぐに我に返りじろりと睨む。

「やだ、おじさんくさいわよ」
「三十三なんてとっくにおっさんだろ」
「そんなことないわ。圭吾お兄ちゃんは昔から全然変わってない。爽やかで優しくてかっこよくて――」
「そんなふうに思ってくれていたのか」
「あっ……む、昔のことよ」

 かあっと頬が熱くなった。

「と、とにかくお兄ちゃんは――っ!」

 長い人差し指で唇をむにっと押さえられ目を見張る。

「言っただろ? 〝お兄ちゃん〟は卒業だって。そう呼ばれるとなんだか悪いことをしている気になるじゃないか」

「あ……」

 興覚めなことを言ってしまったのだと気がついた。
 セクシーな下着を身に着けても、私のこういうところが男性のその気を削ぐのだろう。結局真面目で面白みがないから、これまでお付き合いした男性達も肉体関係なしでは付き合いを続ける意味がないと判断したのだ。女としての魅力の乏しさにうなだれる。

 突然彼がふっと笑った。

「まあそれもあながち外れじゃないか」
「え?」

 目を見張る私に、彼は口の端を持ち上げる。

「これからふたりで〝悪いこと〟をするんだからな」

 ベビードールの上から両手で膨らみを包んだ。

「あっ」

 不意打ちに声を上げると同時に彼の手が蠢きだす。

「やっ」
「いや?」

 ピタリと彼の手が止まった。ハッとした。もしここで嫌だと言ったら彼はやめてしまうかもしれない。私の嫌がることはしないと最初に教えられた通りに。
 慌ててかぶりを振ると、「よかった」と動きが再開した。

 私の緊張を解くためなのか、ゆっくりと優しく揉まれる。まるで凝りをほぐすような柔らかな動きだ。レース越しに感じるさらりとした手の感触とぬくもりに、徐々に体から力が抜けていった。

 彼の指先が先端を一瞬かすめた。

「ふぁっ」

 思いがけず甘ったるい声が飛び出る。

「声もかわいい」

 頬にさっと朱がさす。下唇を噛みしめたら「こら」と聞こえ、唇の合わせを親指で割られる。

「声、ちゃんと聞かせてごらん」

 低くささやかれると同時に、膨らみの頂をきゅっと摘まれた。

「あぁんっ」

 甲高い声が飛び出して、背中が反り返った。彼は摘んだ先端をくりくりとこねる。

「あっだめっ……ぁああ……」
「エロい声。いいよ、かわいい」
「はっ……んふっ」
「ほらもっと」

 反対側の先端を下着の上からぱくりと咥えられ、ジュウっと音を立てて吸い上げられる。

「や、だめぇ、あぁんっ」

 最初に摘んだ方の尖りは指の腹に挟んで、膨らみ全体を強く揉みしだかれる。舌で転がされる感触と、痛みと快感がせめぎ合うギリギリの感覚が溶け合って、わけがわからず悶えながら喘ぐ。じんじんと体の中心が熱くなり得体の知れないなにかがこみ上げてきた。

「も、やっ……お兄ちゃ、んっ」

 腰をくねらせながら懇願すると、やっと彼が口に含んでいた方を離した。はぁっと息を吐き出したそのとき。

「またお兄ちゃんって言った。三回目だからお仕置きだな」

 え! と思ったときには、両胸を大きな手でわしづかみにされた。さっきとは逆を口に含まれ、反対側も指の間にきゅっと挟まれると同時に、彼の手が蠢きだした。指の間からあふれる質感を楽しむように、形が変わるほど強く捏ねられる。

「んぅふ、んっ、んあぁぁっ」

 べろべろと唾液を塗りつけるように何度もこすられ、レースごと尖りを吸い上げられる。

「あっ、あぁ……っくふ」

 あまりの刺激の強さに視界は涙でぼやけ、こみ上げてくるものを必死に頭を振って逃そうとしたが、反対の尖りを根元からぐりっと強くねじられた。

「あぁぁぁ……っ」

 一瞬で頭が真っ白になり、体の奥が強く収縮する感覚に甲高い嬌声が飛び出る。全身がわななき目尻から涙がぽろぽろとこぼれ出した。

「上手にけたな」

 彼が私の頭をよしよしと撫でる。彼の言葉に自分が達したことを知ったが、余韻に痺れた頭ではなにも考えられない。荒い息をくり返しながらぐったりしていると、内ももにさわりとなにかが触れ、敏感になった体がビクンと反応する。

「まだこれからだぞ」
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