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56、契約
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「さあ、準備はいいかい?」
大翔の言葉にポールとステラが頷く。
「おう!」
大翔は微笑んでから冒険者ギルドの扉を開けた。
「いらっしゃい」
レンが俺たちに手を振る。
俺たちがカウンターに着くとレンは封筒を取り出した。
「ジーンから書類を預かってるわよ。そろそろジーンも戻ってくるはずなんだけど……」
「それじゃあ、ジーンさんを待ってていい?」
「どうぞ。あっちの席が空いてるわよ」
「はい」
大翔を先頭にして、俺たちは奥のテーブル席に向かって歩いて行った。
「レンさん、オレンジジュースを四つお願いします」
「はーい」
「あと、これ作ったんですけど、良かったら食べてみて感想を聞かせてください。ポール君とステラちゃんが売る予定のパンケーキです」
「了解」
レンはジュースを持ってきてテーブルに置くと、かわりに大翔からパンケーキを受け取った。
ドアが開いた。
「こんちは。大翔来てる?」
大翔が立ち上がって声を上げる。
「ジーンさん!」
「やあ、みなさんお揃いで」
ジーンはニッと笑って右手を挙げると、空いていた椅子を持って大翔たちの座るテーブルにやってきた。
ジーンは椅子をテーブルの脇に置くと、腰かけて言った。
「書類、持って来たぞ」
「ありがとうございます」
大翔が頭を下げる。
「ポールとステラがトラブルを起こしたら、大翔と健に責任をとってもらう。市場に迷惑をかけたら損害金を払ってもらう。どうしようもないトラブルを起こしたら、市場から出て行ってもらう。って内容だ」
ジーンは書類を机の上に置いて、指先で示しながら内容を説明してくれた。
「で、この内容を了承するなら、ここにサインをしてくれ。大翔と健、二人分の署名が必要だ」
「分かりました。いいかな、健」
「……ああ」
俺たちは書類にサインをした。
「よし。これで明日から市場で物を売っていいぞ。ポール、ステラ、がんばれよ」
「ああ!」
ポールとステラは緊張した面持ちで背筋を伸ばした。
「あ、ジーンさん。ポール君とステラちゃんの作ったパンケーキ、味見してくれませんか?明日から売ろうと思ってるんですけど、いろんな意見が聞きたいので」
「ん? いいぜ」
「それじゃあ、ポール君、パンケーキを一つ渡して」
「ああ、分かった。はい」
ジーンはポールからパンケーキを受け取ると、木の皮をはがし、一口かじった。
「どうですか?」
「うーん。悪くないけど……口がモサモサするな」
「そっか」
「ポール君、パンケーキを売るときに、飲み物も一緒に売ったらどうかな?」
「分かった」
「はい、お水」
レンが水を、ジーンの前のテーブルに置いた。
「サンキュー」
レンは水を飲んで、ふう、と息をつくともう一口パンケーキをかじった。
「まあ、味は悪くないな」
「良かった」
ジーンは急に真面目な顔をして言った。
「こんな小さな子どもだけで商売してたら、からんでくる奴もいると思う。しばらく俺もポールたちのそばを重点的にみまわるようにするよ」
「ありがとうございます」
大翔が微笑んで頭を下げた。
「まあ、なにも無ければそれでいいだけどな」
「はい」
「……ありがとうございます」
ポールとステラがジーンに頭を下げた。
大翔の言葉にポールとステラが頷く。
「おう!」
大翔は微笑んでから冒険者ギルドの扉を開けた。
「いらっしゃい」
レンが俺たちに手を振る。
俺たちがカウンターに着くとレンは封筒を取り出した。
「ジーンから書類を預かってるわよ。そろそろジーンも戻ってくるはずなんだけど……」
「それじゃあ、ジーンさんを待ってていい?」
「どうぞ。あっちの席が空いてるわよ」
「はい」
大翔を先頭にして、俺たちは奥のテーブル席に向かって歩いて行った。
「レンさん、オレンジジュースを四つお願いします」
「はーい」
「あと、これ作ったんですけど、良かったら食べてみて感想を聞かせてください。ポール君とステラちゃんが売る予定のパンケーキです」
「了解」
レンはジュースを持ってきてテーブルに置くと、かわりに大翔からパンケーキを受け取った。
ドアが開いた。
「こんちは。大翔来てる?」
大翔が立ち上がって声を上げる。
「ジーンさん!」
「やあ、みなさんお揃いで」
ジーンはニッと笑って右手を挙げると、空いていた椅子を持って大翔たちの座るテーブルにやってきた。
ジーンは椅子をテーブルの脇に置くと、腰かけて言った。
「書類、持って来たぞ」
「ありがとうございます」
大翔が頭を下げる。
「ポールとステラがトラブルを起こしたら、大翔と健に責任をとってもらう。市場に迷惑をかけたら損害金を払ってもらう。どうしようもないトラブルを起こしたら、市場から出て行ってもらう。って内容だ」
ジーンは書類を机の上に置いて、指先で示しながら内容を説明してくれた。
「で、この内容を了承するなら、ここにサインをしてくれ。大翔と健、二人分の署名が必要だ」
「分かりました。いいかな、健」
「……ああ」
俺たちは書類にサインをした。
「よし。これで明日から市場で物を売っていいぞ。ポール、ステラ、がんばれよ」
「ああ!」
ポールとステラは緊張した面持ちで背筋を伸ばした。
「あ、ジーンさん。ポール君とステラちゃんの作ったパンケーキ、味見してくれませんか?明日から売ろうと思ってるんですけど、いろんな意見が聞きたいので」
「ん? いいぜ」
「それじゃあ、ポール君、パンケーキを一つ渡して」
「ああ、分かった。はい」
ジーンはポールからパンケーキを受け取ると、木の皮をはがし、一口かじった。
「どうですか?」
「うーん。悪くないけど……口がモサモサするな」
「そっか」
「ポール君、パンケーキを売るときに、飲み物も一緒に売ったらどうかな?」
「分かった」
「はい、お水」
レンが水を、ジーンの前のテーブルに置いた。
「サンキュー」
レンは水を飲んで、ふう、と息をつくともう一口パンケーキをかじった。
「まあ、味は悪くないな」
「良かった」
ジーンは急に真面目な顔をして言った。
「こんな小さな子どもだけで商売してたら、からんでくる奴もいると思う。しばらく俺もポールたちのそばを重点的にみまわるようにするよ」
「ありがとうございます」
大翔が微笑んで頭を下げた。
「まあ、なにも無ければそれでいいだけどな」
「はい」
「……ありがとうございます」
ポールとステラがジーンに頭を下げた。
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