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13、セリシア王女の誘い
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シェリー達が、トラモンタの国から帰って二週間ほど経ったある日。
ホワイト辺境伯は、アルバートを呼び命じた。
「アルバート・レイズよ。そなたはしばらく辺境の町スコジリエラで暮らすように」
「え? あの何も無い退屈な町で? どのくらいの期間ですか?」
アルバートはうっかり、普段の言葉使いでホワイト辺境伯に訊ねてしまった。
「帰還は決まっていない。ところでその言葉使いは何だ? シェリーだけでは無くこの私も馬鹿にしているのか?」
アルバートは青ざめて、深く礼をした。
「承りました」
「最近、トラモンタ国は北のギアチの国から狙われているらしい。異変があったら直ぐに、この私に伝えるように。命令は以上だ」
「はい、仰せのままに」
アルバートはうなだれて帰って行った。
「これで、シェリーも国境の町には近づくまい」
カルロスは、ため息を着いた。
夕食の時に、カルロスはシェリーに、アルバートを辺境の町に送ったことを伝えた。
「まあ、あの町にアルバート様が住むんですか? 何も無い町なのに」
シェリーは轟くと共に、あの町には近づかないで置こうと心に決めた。
翌日、昼食の前にトラモンタ国のセリシア王女から、シェリーに手紙が届いた。
手紙を届けたのはジルだった。
「あら、来月の今頃にトラモンタ国の湖でピクニックをしないかというお誘いだわ」
シェリーは手紙を読み上げてから嬉しそうな顔をしたものの、次の瞬間には渋い顔をした。
「トラモンタ国の湖か……。スコジリエラの町を通らないといけないのね」
手紙を届けに来たジルは、笑いながら言った。
「ああ、シェリー様よけのために、アルバート様が住んでいらっしゃるんですよね」
「まあ! よく知っているのね。ずいぶんな言い方ですけど」
「これでも、有能な情報通ですからね。今回はカルロス様に一本取られましたね、シェリー様」
ジルの言葉にシェリーは顔を赤くして、頬を膨らませた。
「なんとか、アルバート様に会わずにトラモンタの国に行く方法は無いかしら?」
「諦めた方が簡単ですよ。アルバート様は女性と一緒に暮らしているようですし」
ジルがそう言うと、シェリーはため息をついて言った。
「本当に神経の太いかたなのね、アルバート様は」
シェリーは肩をすくめてから言った。
「わかりました。来月のお誘い、お受け致します。セリシア王女によろしくお伝え下さい」
「承りました。そうそう、ピクニックにはユリアス王子も顔を出すそうです。お楽しみにお待ちください」
「え? そうなのですか?」
「はい」
シェリーは愁いを帯びたユリアスの姿を思い出し、すこし胸が高鳴るのを感じた。
「シェリー様、高望みは危険ですよ」
「……ジル様はいつも一言多いですわ」
シェリーがむっとして言うと、ジルは楽しそうに笑いをこらえていた。
ホワイト辺境伯は、アルバートを呼び命じた。
「アルバート・レイズよ。そなたはしばらく辺境の町スコジリエラで暮らすように」
「え? あの何も無い退屈な町で? どのくらいの期間ですか?」
アルバートはうっかり、普段の言葉使いでホワイト辺境伯に訊ねてしまった。
「帰還は決まっていない。ところでその言葉使いは何だ? シェリーだけでは無くこの私も馬鹿にしているのか?」
アルバートは青ざめて、深く礼をした。
「承りました」
「最近、トラモンタ国は北のギアチの国から狙われているらしい。異変があったら直ぐに、この私に伝えるように。命令は以上だ」
「はい、仰せのままに」
アルバートはうなだれて帰って行った。
「これで、シェリーも国境の町には近づくまい」
カルロスは、ため息を着いた。
夕食の時に、カルロスはシェリーに、アルバートを辺境の町に送ったことを伝えた。
「まあ、あの町にアルバート様が住むんですか? 何も無い町なのに」
シェリーは轟くと共に、あの町には近づかないで置こうと心に決めた。
翌日、昼食の前にトラモンタ国のセリシア王女から、シェリーに手紙が届いた。
手紙を届けたのはジルだった。
「あら、来月の今頃にトラモンタ国の湖でピクニックをしないかというお誘いだわ」
シェリーは手紙を読み上げてから嬉しそうな顔をしたものの、次の瞬間には渋い顔をした。
「トラモンタ国の湖か……。スコジリエラの町を通らないといけないのね」
手紙を届けに来たジルは、笑いながら言った。
「ああ、シェリー様よけのために、アルバート様が住んでいらっしゃるんですよね」
「まあ! よく知っているのね。ずいぶんな言い方ですけど」
「これでも、有能な情報通ですからね。今回はカルロス様に一本取られましたね、シェリー様」
ジルの言葉にシェリーは顔を赤くして、頬を膨らませた。
「なんとか、アルバート様に会わずにトラモンタの国に行く方法は無いかしら?」
「諦めた方が簡単ですよ。アルバート様は女性と一緒に暮らしているようですし」
ジルがそう言うと、シェリーはため息をついて言った。
「本当に神経の太いかたなのね、アルバート様は」
シェリーは肩をすくめてから言った。
「わかりました。来月のお誘い、お受け致します。セリシア王女によろしくお伝え下さい」
「承りました。そうそう、ピクニックにはユリアス王子も顔を出すそうです。お楽しみにお待ちください」
「え? そうなのですか?」
「はい」
シェリーは愁いを帯びたユリアスの姿を思い出し、すこし胸が高鳴るのを感じた。
「シェリー様、高望みは危険ですよ」
「……ジル様はいつも一言多いですわ」
シェリーがむっとして言うと、ジルは楽しそうに笑いをこらえていた。
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