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ダンジョン攻略 第5領〜第6領
107.
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「アイザックおはよう!」
朝から元気いっぱいのククルに苦笑いのアイザック。
今日はとりあえずボス戦を済ませてノアノアに向けて旅立つ予定だ。
ささっと朝食を済ませてボス部屋に入る。
「うわぁ、ここもアンデットばっかりだ」
魔法が中心の攻撃になる為、ククルが先制する。
「そおれっと」
気の抜ける掛け声だが、ククルの放つ魔法の威力はそこらの魔導士では敵わない。
「あー、終わったな」
アイザックもいつもの事なので呆れる事もなくこの事態にも慣れたものだ。
「ここから出たら妖精さんに会えるかな」
浮き足で出口に向かうククルの後ろをアイザックがついて行く。
扉から出るといきなりいつもの泉が見えた。
「おっ、なんだここは?」
「アイザック、ここ妖精さんのところだよ。いつもは私だけなのになんでかな?」
警戒しているアイザックの手を引っ張りながら泉に近づくとフワフワ妖精さんが飛んできた。
「あっ、愛し子様だ。まってたの。はじめまして。私は風の妖精よ。」
「こんにちわ。ククルよ。こっちがアイザック。」
「はじめまして」
「アイザック、ネル様からお話聞いたよ。ここにはね2人とも来てもらいなさいって」
どうやらネル様からのお招きの様でアイザックも警戒を緩めた。
「愛し子様、こっちこっち」
泉の方に手を引かれ着いていく。
「あのね、今日は私の石をはめるの。そしたらね石が虹色に変わるよ。コレを持って真ん中の泉に行ってね。良い事あるから」
「ん?真ん中の泉ってどこにあるの?」
「んとね、ネル様からのククルのお家のある近くだよって聞いたの」
「王都にあるって事かい」
「んー分かんない?」
「アイザック、多分ネル様にお伺いに行ったら教えて貰えるかな?」
「そうそう、ネル様知ってるの」
「まあ、そうするか」
「じゃあ石をはめるね。虹色になるのに沢山魔力吸われるからね」
エッと声を上げる間も無く石が光り始めた。
「ククル大丈夫か」
「んー、凄い勢いで魔力吸われてるかな」
数分で光は収まり、透明感のある綺麗な虹色に輝いた石が姿を現した。
「流石に一気に魔力持っていかれすぎて疲れたよ」
その場にククルがへたり込むと苦笑いのアイザックが抱き上げた。
「だから俺も一緒だったんだろうな」
「愛し子様、またね」
その言葉と共にダンジョンに戻される。
「ククル大丈夫かい。」
「うん、ちょっと眠たいけど大丈夫」
抱っこされたままで地上に戻りククルを単独で騎乗させるのも危なそうなのでシッコクに2人で乗る事にした。
「寝てても良いぞ。落としはしないから」
馬背で揺られて居眠りそうなククルに声をかけるとそのままもたれかかってスヤスヤ寝息が聞こえてきた。
そこから休憩を挟みながらノアノアに向けて馬を走らす。
ククルはと言うと休憩時は起きるものの移動しだすと寝るのを繰り返し今日の野営地に到着した時漸くしっかり目覚めた。
「ふぁぁ、よく寝た。アイザックありがとう。運んでくれて」
「はいはい、美味しい夕食で手を打つよ」
「任せて」
ククルが夕食の準備を始めたのでテントを張り、寝床を整える。
夕食後、テントに入り改めて虹色になった石を眺めているとアイザックが除き込んできた。
「初めて見る石だな」
「鑑定では妖精石ってなってるよ。」
「俺の鑑定では判別できない。かなりのレアアイテムだな」
「そうみたいね。目立たない様にとりあえず隠蔽しとくよ」
その後はいつもの様にポーションを調合して就寝した。
5日目の午前中にノアノアに到着したのでとりあえず先に宿に行き部屋をキープする。
「おや、おかえり。暫く滞在かい?」
「うん、よろしくね」
2、3日休養後に王都へ出発する予定だとアイザックが続けて説明している。
まずは街の教会に向かった。ネル様に泉のことを聞く為だ。
「ククルさん、こんにちわ」
「ネル様こんにちわ。今日は泉の事を聞きにきました」
「そうですか。泉は王都の森の中にありますよ。その石を持っていたら隠された泉に辿り着けます。そこから先はその時のお楽しみにしておきますね」
「わかりました。王都に帰ったら早速森にお出かけしますね。ありがとうございます」
アイザックの元に意識が戻ったので今聞いた事を説明すると少し思案した後、帰ったら行こうかと言われた。
ギルドは明日にしようと言う事になったので宿に戻りゆっくり身体を休めた。
翌日、先ずはギルドにポーションの納品にいく。
とりあえずいつも通りに受付でカードを出して話をすると小部屋に通された。
「少々お待ちください」
案内してくれた受付の人が部屋を出たのでソファに座り待っているとギルマスが現れた。
「おう、またせたな」
「こんにちわ、ポーションの納品にきました。ここに出しても良いですか?」
「いや、悪いが貯蔵庫に一緒に来てくれるか。そこにお願いしたい」
了解してギルマスについていく。もちろんアイザックも一緒だ。
「ここの棚に出してくれ」
言われたところにとりあえず100本だしてみる。
「コレで100本ですけどまだ、いりますか?」
「後50本頼むわ」
言われた通り出した。
棚から少し離れる様に言われたので後ろに下がるとポーション瓶がひとりでに動き出す。
「うわ、なにこれ」
思わずビックリして声を上げてしまった。
朝から元気いっぱいのククルに苦笑いのアイザック。
今日はとりあえずボス戦を済ませてノアノアに向けて旅立つ予定だ。
ささっと朝食を済ませてボス部屋に入る。
「うわぁ、ここもアンデットばっかりだ」
魔法が中心の攻撃になる為、ククルが先制する。
「そおれっと」
気の抜ける掛け声だが、ククルの放つ魔法の威力はそこらの魔導士では敵わない。
「あー、終わったな」
アイザックもいつもの事なので呆れる事もなくこの事態にも慣れたものだ。
「ここから出たら妖精さんに会えるかな」
浮き足で出口に向かうククルの後ろをアイザックがついて行く。
扉から出るといきなりいつもの泉が見えた。
「おっ、なんだここは?」
「アイザック、ここ妖精さんのところだよ。いつもは私だけなのになんでかな?」
警戒しているアイザックの手を引っ張りながら泉に近づくとフワフワ妖精さんが飛んできた。
「あっ、愛し子様だ。まってたの。はじめまして。私は風の妖精よ。」
「こんにちわ。ククルよ。こっちがアイザック。」
「はじめまして」
「アイザック、ネル様からお話聞いたよ。ここにはね2人とも来てもらいなさいって」
どうやらネル様からのお招きの様でアイザックも警戒を緩めた。
「愛し子様、こっちこっち」
泉の方に手を引かれ着いていく。
「あのね、今日は私の石をはめるの。そしたらね石が虹色に変わるよ。コレを持って真ん中の泉に行ってね。良い事あるから」
「ん?真ん中の泉ってどこにあるの?」
「んとね、ネル様からのククルのお家のある近くだよって聞いたの」
「王都にあるって事かい」
「んー分かんない?」
「アイザック、多分ネル様にお伺いに行ったら教えて貰えるかな?」
「そうそう、ネル様知ってるの」
「まあ、そうするか」
「じゃあ石をはめるね。虹色になるのに沢山魔力吸われるからね」
エッと声を上げる間も無く石が光り始めた。
「ククル大丈夫か」
「んー、凄い勢いで魔力吸われてるかな」
数分で光は収まり、透明感のある綺麗な虹色に輝いた石が姿を現した。
「流石に一気に魔力持っていかれすぎて疲れたよ」
その場にククルがへたり込むと苦笑いのアイザックが抱き上げた。
「だから俺も一緒だったんだろうな」
「愛し子様、またね」
その言葉と共にダンジョンに戻される。
「ククル大丈夫かい。」
「うん、ちょっと眠たいけど大丈夫」
抱っこされたままで地上に戻りククルを単独で騎乗させるのも危なそうなのでシッコクに2人で乗る事にした。
「寝てても良いぞ。落としはしないから」
馬背で揺られて居眠りそうなククルに声をかけるとそのままもたれかかってスヤスヤ寝息が聞こえてきた。
そこから休憩を挟みながらノアノアに向けて馬を走らす。
ククルはと言うと休憩時は起きるものの移動しだすと寝るのを繰り返し今日の野営地に到着した時漸くしっかり目覚めた。
「ふぁぁ、よく寝た。アイザックありがとう。運んでくれて」
「はいはい、美味しい夕食で手を打つよ」
「任せて」
ククルが夕食の準備を始めたのでテントを張り、寝床を整える。
夕食後、テントに入り改めて虹色になった石を眺めているとアイザックが除き込んできた。
「初めて見る石だな」
「鑑定では妖精石ってなってるよ。」
「俺の鑑定では判別できない。かなりのレアアイテムだな」
「そうみたいね。目立たない様にとりあえず隠蔽しとくよ」
その後はいつもの様にポーションを調合して就寝した。
5日目の午前中にノアノアに到着したのでとりあえず先に宿に行き部屋をキープする。
「おや、おかえり。暫く滞在かい?」
「うん、よろしくね」
2、3日休養後に王都へ出発する予定だとアイザックが続けて説明している。
まずは街の教会に向かった。ネル様に泉のことを聞く為だ。
「ククルさん、こんにちわ」
「ネル様こんにちわ。今日は泉の事を聞きにきました」
「そうですか。泉は王都の森の中にありますよ。その石を持っていたら隠された泉に辿り着けます。そこから先はその時のお楽しみにしておきますね」
「わかりました。王都に帰ったら早速森にお出かけしますね。ありがとうございます」
アイザックの元に意識が戻ったので今聞いた事を説明すると少し思案した後、帰ったら行こうかと言われた。
ギルドは明日にしようと言う事になったので宿に戻りゆっくり身体を休めた。
翌日、先ずはギルドにポーションの納品にいく。
とりあえずいつも通りに受付でカードを出して話をすると小部屋に通された。
「少々お待ちください」
案内してくれた受付の人が部屋を出たのでソファに座り待っているとギルマスが現れた。
「おう、またせたな」
「こんにちわ、ポーションの納品にきました。ここに出しても良いですか?」
「いや、悪いが貯蔵庫に一緒に来てくれるか。そこにお願いしたい」
了解してギルマスについていく。もちろんアイザックも一緒だ。
「ここの棚に出してくれ」
言われたところにとりあえず100本だしてみる。
「コレで100本ですけどまだ、いりますか?」
「後50本頼むわ」
言われた通り出した。
棚から少し離れる様に言われたので後ろに下がるとポーション瓶がひとりでに動き出す。
「うわ、なにこれ」
思わずビックリして声を上げてしまった。
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