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旅立ち
11.
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早朝に街を出て街道を走る。
次の街までは順調に行くと明日の昼頃到着するそうだ。
「ククル、少し森に入って走ろうか」
折角なので森で採取もしたい。
「今晩少しポーション作ろうかと思うの。いいかな」
「かまわないぞ。それなら早目に野営地行って近くの森を歩く方が色々揃うかもな」
結局、そのまま街道を走って早目に野営地に向かう事になった。
何度か休憩を挟んで野営地に到着。
馬達の世話を済ませて早速採取に向かう。
「次の街で少しポーションを売ろうかと思うの。」
「そうか、Sランクを売るなら気をつけた方が良いがまぁ、俺とパーティを組んでいたら大丈夫だろう。問題が起きそうなら対処はしてやるよ。」
「じゃあ、その時はよろしくね」
それからポーション用の薬草をさがしつつどうせなら中級も練習してみようと沢山採取した。
初級と中級の違いは薬草と魔力水の比率だ。それにこめる魔力量と熟練度。失敗しても初級になるだけなので気にせず練習することにした。
日が明るい内に採取を終わらせて小屋で夕食の準備をする。
「アイザック、出来たよ」
二人で夕食を食べながらふと気になったので聞いてみた
「防具用の素材はどこであつめるの」
「次のヒルヒルとフレフレの間にダンジョンがあるからそこに入ろうかと思う。素材ダンジョンと言って素材がドロップする確率がかなり高いんだ」
と言うことは他のダンジョンも其々特徴があるのだろうか。きいてみた。
「その通り。食材だったり武器だったり魔石だったりと何故か種類別になってる」
成る程。さらに聞いているとランクも初級から上級まであるらしく今回入るところは中級らしい。おすすめの冒険者ランクはCDらしいので私でも大丈夫とのことだ。
「楽しみです」
テンションが上がったところでアイザックが片付けくれるとの事なので早速ポーションをつくる事にした。
まずは回復ポーションからだ。
材料を鍋に入れて魔力水を出す。そこからは魔力を注いで調合だ。
青い光が収まったので中身を鑑定する。
「おぉーっ。」
中級が無事出来上がった。
Bランクが三本とAランクが二本だ。
この調子で毒消ポーション、魔力回復ポーション、万能ポーションと作っていく。
他のはBランク四本とAランク一本だった。
「調合の手際が上級並だな。中々すごいぞ。ただ、あまり人前ではやらない方が良さそうだな。手際が良すぎる。」
ふと後から声がしたので振り返るとアイザックが覗きこんでいた。
「そうなの。他の人の調合を見たことないからわかんないや。でも人前では控えるね」
もう一度4種類を調合した。
先程と大して変わらずの出来栄えだ。
「今日はこれで終わりです」
出来上がったのをアイザックが並べてみている。
「一応、AランクとBランクができました。手元に少し残しますか」
「そうだな、AB各一本づつはパーティの備品に回して後は売り捌くか」
「わかりました。次の街ではとりあえず作り置きの初級を売ってしまおうと思います。」
「お前のポーションだ。好きにしたら良い」
そうこうしていると夜も遅くなってきたので明日に備えて寝る事にした。
「よし、行くぞ」
「はーい」
今日はダンジョンに向かう。森へと針路を変更しつつ、シルバーを走らせる。
昼前に到着した。
ギルドの受付があったのでちょっとビックリしたが誰がいつ入ったかをある程度管理し、戻り予定より3日以上出てこない場合は捜索をしているとか。
シルバーとシッコクを馬場に預けて先に昼食をとる。
いよいよ、ダンジョンに挑戦だ。
中に入ると迷路の様になっている。
「此処は洞窟型だ。下に25階まであるぞ。とりあえず必要そうな素材が揃うまで攻略するとしよう。」
アイザックは以前に最下層まで攻略済らしく地図も持っていた。
それを頼りにゆっくりとすすむ。
魔物が出てきたら二人で戦闘し、倒したらドロップアイテムを回収する。
ひたすらこれを繰り返した。
今日は七階の休憩所で野営する事にした。
「此処のダンジョンは階段の近くに必ず休憩所があるからそこを利用するんだ」
テントを貼りながらアイザックが説明してくれた。
「夜は俺が見張りをするからククルは寝てたら良いよ」
「それじぁアイザックが休めないでしょ。此処は魔物は入れないなら他の人間に対してだよね。私のテント結界貼れるからこっちを使って中でやすんだら」
「中々良いテントだな。じゃあそうしようか」
夕食を済ませて早々にテントに入った。
「このテント空間魔法が付与されてるな。見た目よりかなり中が広い」
「ホントだね。私も初めて使ったから知らなかった」
どうやらこのテント普通では無いらしい。アイザックの表情が一瞬真顔になったがすぐにいつもの感じに戻った
「俺が入口側で休むからククルは奥でゆっくりおやすみ」
とりあえず何も聞かずにいてくれるみたいだ。
「わかった。じぁ寝るね。おやすみ」
毛布にくるまって横になったら直ぐに寝てしまった。
「おはよう」
「あぁ、おはよう。良く寝れてか」
「うん、朝ご飯中で食べちゃお。今、だすね」
収納からサンドイッチとスープを出す。
スープは鍋ごと魔法で温めた
「昨晩何人か中を覗こうとして結界に弾かれてだぞ。」
「そうなんだ。いったいどう言う原理になっているんだろうね」
「恐らくククルに使用者限定されていると思うぞ。許可した人しかはいれないのだろう。」
へぇ、便利なものだなと。
特に気にもせずご飯を食べる。
「これはかなりレアな物だ。あまり人には話さない方が良いな。ククルも秘密がいっぱいだな」
あら、何かかんぐられてるね。でも恐らく今の言い回しだとアイザックもである。
「そだね。そのうち話よ。」
今はこれくらいにしておこうと思う。
アイザックも納得した様でこれ以上何も聞いてこないのでご飯に集中する事にした。
その日の内に11階まで進む。素材もある程度集まったので明日の朝外に出て街を目指す事になった。
翌日、転移の魔石に触れてダンジョンの外に出た。
受付で帰省の登録をしてシルバーとシッコクを迎えに行く。
暫く森を走っていると急にプルが騒ぎ出した
#ククル、ムコウデダレカヨンデル#
「アイザック、ちょっと待って。プルが向こうで誰か呼んでるって」
プルの示す方にシルバーから降りてゆっくり近づく。後ろからアイザックも付いてきている。
プルが巾着から飛び出してぴょんぴょん跳ねていく。それを追いかけると真っ白な塊が見えてきた
「アイザック、あれみたいだけどなんだろう」
「アレか。蹲っていていまいちわからんが大分弱ってるな。どうする。このパターンは後々連れていくハメになるだろ。好きにしたら良いが」
「とりあえずなんとかしてみる」
更に近くと顔を少し此方に見せた。
キラーパンサーだ。この顔は。よく見たら豹柄のボディぽい。
「何処か怪我をしているの。触っても良い」
プルが寄っていって何やら話?している
#ヨイッテイッテルヨ#
プルが確認してくれたみたいなので更に近づくと蹲っていた体を横向けてくれた。
「酷い怪我。直してあげるね」
後足とお腹に大きな怪我がある。ポーションでは心許ないので治癒魔法を使った。ほんわりとした光に包まれて暫くすると光が拡散した。
洗浄魔法で血の汚れを綺麗にする。
するとキラーパンサーが立ち上がった。
「血の気迄は回復しないからいきなり動いたらダメだよ」
のそのそとちかづいてきた。顔の高さが私の頭より上だ。
クンクン頭をニオがれて顔をペロンと舐められた。
「お礼を言っているのかな」
プルに聞くとそうらしい。やっぱりと言うか一緒に来たいと言っていると。
契約することになった。
「これからもよろしくね。あなたの名前はガルよ」
契約紋が額に集まり、完了だ。
#怪我を治してくれてありがとう#
照れ臭そうな声が聞こえた。
旅の仲間が一匹増えたのだった
次の街までは順調に行くと明日の昼頃到着するそうだ。
「ククル、少し森に入って走ろうか」
折角なので森で採取もしたい。
「今晩少しポーション作ろうかと思うの。いいかな」
「かまわないぞ。それなら早目に野営地行って近くの森を歩く方が色々揃うかもな」
結局、そのまま街道を走って早目に野営地に向かう事になった。
何度か休憩を挟んで野営地に到着。
馬達の世話を済ませて早速採取に向かう。
「次の街で少しポーションを売ろうかと思うの。」
「そうか、Sランクを売るなら気をつけた方が良いがまぁ、俺とパーティを組んでいたら大丈夫だろう。問題が起きそうなら対処はしてやるよ。」
「じゃあ、その時はよろしくね」
それからポーション用の薬草をさがしつつどうせなら中級も練習してみようと沢山採取した。
初級と中級の違いは薬草と魔力水の比率だ。それにこめる魔力量と熟練度。失敗しても初級になるだけなので気にせず練習することにした。
日が明るい内に採取を終わらせて小屋で夕食の準備をする。
「アイザック、出来たよ」
二人で夕食を食べながらふと気になったので聞いてみた
「防具用の素材はどこであつめるの」
「次のヒルヒルとフレフレの間にダンジョンがあるからそこに入ろうかと思う。素材ダンジョンと言って素材がドロップする確率がかなり高いんだ」
と言うことは他のダンジョンも其々特徴があるのだろうか。きいてみた。
「その通り。食材だったり武器だったり魔石だったりと何故か種類別になってる」
成る程。さらに聞いているとランクも初級から上級まであるらしく今回入るところは中級らしい。おすすめの冒険者ランクはCDらしいので私でも大丈夫とのことだ。
「楽しみです」
テンションが上がったところでアイザックが片付けくれるとの事なので早速ポーションをつくる事にした。
まずは回復ポーションからだ。
材料を鍋に入れて魔力水を出す。そこからは魔力を注いで調合だ。
青い光が収まったので中身を鑑定する。
「おぉーっ。」
中級が無事出来上がった。
Bランクが三本とAランクが二本だ。
この調子で毒消ポーション、魔力回復ポーション、万能ポーションと作っていく。
他のはBランク四本とAランク一本だった。
「調合の手際が上級並だな。中々すごいぞ。ただ、あまり人前ではやらない方が良さそうだな。手際が良すぎる。」
ふと後から声がしたので振り返るとアイザックが覗きこんでいた。
「そうなの。他の人の調合を見たことないからわかんないや。でも人前では控えるね」
もう一度4種類を調合した。
先程と大して変わらずの出来栄えだ。
「今日はこれで終わりです」
出来上がったのをアイザックが並べてみている。
「一応、AランクとBランクができました。手元に少し残しますか」
「そうだな、AB各一本づつはパーティの備品に回して後は売り捌くか」
「わかりました。次の街ではとりあえず作り置きの初級を売ってしまおうと思います。」
「お前のポーションだ。好きにしたら良い」
そうこうしていると夜も遅くなってきたので明日に備えて寝る事にした。
「よし、行くぞ」
「はーい」
今日はダンジョンに向かう。森へと針路を変更しつつ、シルバーを走らせる。
昼前に到着した。
ギルドの受付があったのでちょっとビックリしたが誰がいつ入ったかをある程度管理し、戻り予定より3日以上出てこない場合は捜索をしているとか。
シルバーとシッコクを馬場に預けて先に昼食をとる。
いよいよ、ダンジョンに挑戦だ。
中に入ると迷路の様になっている。
「此処は洞窟型だ。下に25階まであるぞ。とりあえず必要そうな素材が揃うまで攻略するとしよう。」
アイザックは以前に最下層まで攻略済らしく地図も持っていた。
それを頼りにゆっくりとすすむ。
魔物が出てきたら二人で戦闘し、倒したらドロップアイテムを回収する。
ひたすらこれを繰り返した。
今日は七階の休憩所で野営する事にした。
「此処のダンジョンは階段の近くに必ず休憩所があるからそこを利用するんだ」
テントを貼りながらアイザックが説明してくれた。
「夜は俺が見張りをするからククルは寝てたら良いよ」
「それじぁアイザックが休めないでしょ。此処は魔物は入れないなら他の人間に対してだよね。私のテント結界貼れるからこっちを使って中でやすんだら」
「中々良いテントだな。じゃあそうしようか」
夕食を済ませて早々にテントに入った。
「このテント空間魔法が付与されてるな。見た目よりかなり中が広い」
「ホントだね。私も初めて使ったから知らなかった」
どうやらこのテント普通では無いらしい。アイザックの表情が一瞬真顔になったがすぐにいつもの感じに戻った
「俺が入口側で休むからククルは奥でゆっくりおやすみ」
とりあえず何も聞かずにいてくれるみたいだ。
「わかった。じぁ寝るね。おやすみ」
毛布にくるまって横になったら直ぐに寝てしまった。
「おはよう」
「あぁ、おはよう。良く寝れてか」
「うん、朝ご飯中で食べちゃお。今、だすね」
収納からサンドイッチとスープを出す。
スープは鍋ごと魔法で温めた
「昨晩何人か中を覗こうとして結界に弾かれてだぞ。」
「そうなんだ。いったいどう言う原理になっているんだろうね」
「恐らくククルに使用者限定されていると思うぞ。許可した人しかはいれないのだろう。」
へぇ、便利なものだなと。
特に気にもせずご飯を食べる。
「これはかなりレアな物だ。あまり人には話さない方が良いな。ククルも秘密がいっぱいだな」
あら、何かかんぐられてるね。でも恐らく今の言い回しだとアイザックもである。
「そだね。そのうち話よ。」
今はこれくらいにしておこうと思う。
アイザックも納得した様でこれ以上何も聞いてこないのでご飯に集中する事にした。
その日の内に11階まで進む。素材もある程度集まったので明日の朝外に出て街を目指す事になった。
翌日、転移の魔石に触れてダンジョンの外に出た。
受付で帰省の登録をしてシルバーとシッコクを迎えに行く。
暫く森を走っていると急にプルが騒ぎ出した
#ククル、ムコウデダレカヨンデル#
「アイザック、ちょっと待って。プルが向こうで誰か呼んでるって」
プルの示す方にシルバーから降りてゆっくり近づく。後ろからアイザックも付いてきている。
プルが巾着から飛び出してぴょんぴょん跳ねていく。それを追いかけると真っ白な塊が見えてきた
「アイザック、あれみたいだけどなんだろう」
「アレか。蹲っていていまいちわからんが大分弱ってるな。どうする。このパターンは後々連れていくハメになるだろ。好きにしたら良いが」
「とりあえずなんとかしてみる」
更に近くと顔を少し此方に見せた。
キラーパンサーだ。この顔は。よく見たら豹柄のボディぽい。
「何処か怪我をしているの。触っても良い」
プルが寄っていって何やら話?している
#ヨイッテイッテルヨ#
プルが確認してくれたみたいなので更に近づくと蹲っていた体を横向けてくれた。
「酷い怪我。直してあげるね」
後足とお腹に大きな怪我がある。ポーションでは心許ないので治癒魔法を使った。ほんわりとした光に包まれて暫くすると光が拡散した。
洗浄魔法で血の汚れを綺麗にする。
するとキラーパンサーが立ち上がった。
「血の気迄は回復しないからいきなり動いたらダメだよ」
のそのそとちかづいてきた。顔の高さが私の頭より上だ。
クンクン頭をニオがれて顔をペロンと舐められた。
「お礼を言っているのかな」
プルに聞くとそうらしい。やっぱりと言うか一緒に来たいと言っていると。
契約することになった。
「これからもよろしくね。あなたの名前はガルよ」
契約紋が額に集まり、完了だ。
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照れ臭そうな声が聞こえた。
旅の仲間が一匹増えたのだった
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